堀場製作所:中国上海市嘉定区で新拠点の建設を開始
- 2019/11/28
- Motor Fan illustrated編集部
堀場製作所は、中国上海市嘉定区の工業地域内に堀場儀器(上海)の新拠点を12月より着工、完成は2021年4月の予定。
開発、生産、アフターサービスまで一貫して行う新拠点が2021年に誕生
この新拠点では、自動車計測試験ラボや科学分析アプリケーションセンター、および製品ライフサイクル全体をサポートするテクニカルセンターを有することで、中国市場における顧客のニーズをダイレクトに把握する。現地で求められるアプリケーションの開発から、生産・アフターサービスまでを一貫して提供することで、急速に変化、成長している中国市場においてビジネスの拡大を図る。
拠点を新設する背景
中国における自動車産業は、経済成長の原動力として期待され、中国政府は2025年をめどにさらなる高度化を図っている。その中でも自動車メーカーは、新エネルギー車(NEV)市場と従来の内燃機関市場の両面でスピーディな開発・市場投入を求められている。この嘉定区は、新エネルギー車開発(燃料電池車商業科発展推進プロジェクト)の重点エリアでもあり、中国最大規模の自動車産業地域となるこの地で、国の研究開発・認証機関や、自動車メーカー・部品メーカーなど先端のニーズを迅速に把握し、最適なアプリケーションを提供する。
また、その他産業においては大気や水質モニタリングにおける環境規制への取り組みに対する迅速な製品供給、また中国において国産化が推進されている半導体デバイスおよび装置メーカーの多様化する要求への迅速な対応、アプリケーションや故障解析といった新たな付加価値の提供が求められている。
このように目まぐるしく変わる市場変化に対応し、製品、アフターサービスだけでなく、データ運用、リプレースまで製品に関するサービスをライフサイクルでサポートするために新拠点を設立することとした。
主な機能
1.自動車計測試験ラボ
今年11月にHORIBA BIWAKO E-HARBOR(滋賀県大津市)に開設した「CELL 0(セルゼロ)」と同様の燃料電池やバッテリーの評価装置、それに加えてシャシダイナモ、駆動系評価装置を導入する。それにより、エンジンや駆動モーターを含むパワートレイン、バッテリーや燃料電池、および車両と実機もしくはシミュレーションにて自在に組み合わせた試験を可能にする。本試験施設にて、顧客のニーズに対応するアプリケーション開発を行い、中国のみならずグローバルのお客様にトータルソリューションを提案できるよう、同社グループにおいても重要なエンジニアリング拠点として活用する。
2.科学分析アプリケーションセンター
同地区が中国の新エネルギー開発拠点である特長を活かし、大学・企業とのアプリケーションの開発や顧客が開発を行う上での材料解析やテスティングサポート、分析トレーニングを行う。同社グループの全ての事業が集結する強みを活かし、全ビジネスセグメントが持つ分析・アプリケーションノウハウを結集したソリューションを提供する。
3.生産工場
中国政府による環境政策が推進され、大気や水質モニタリングにおいて中国独自の要求が出ている。新工場では、市場変化の速い中国の環境政策や規制に対応した製品供給を迅速に行うべく、現地生産におけるローカリゼーションとガス・水質モニタリング装置の供給を強化する。
半導体事業においては半導体製造プロセスでのガス・液体の流量を制御するマスフローコントローラーを中国市場向けに生産する体制を整える。
4.テクニカルセンター
自動車事業、環境・プロセス事業、半導体事業、科学事業の製品導入からアフターサービスを含む、製品ライフサイクルに応じた最適なサービスを提供する。全方位で顧客のビジネスをサポートすることを目的にリペアや校正などを行う施設や技術トレーニングセンターの導入も計画している。
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