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福野礼一郎氏連載「バブルへの死角」第10回は三菱スタリオンです

  • 2021/01/06
  • Motor Fan illustrated編集部
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『モーターファン・イラストレーテッド』でスタートした連載「バブルへの死角」。福野礼一郎さんとエンジニア諸氏による旧モーターファン誌に掲載されていた看板企画「モーターファンロードテスト」を現代の視点から再考察します。6台目は三菱スタリオン。本稿では1982年11月号の「モーターファンロードテスト」をお届けします。

リヤサスは台形ロワアーム式のストラット。総自由度「18」なのに拘束も「18」ある自由度「0」の過拘束設計で、作動するためには台形アームの2本の作動軸が平行で、かつストラットがそれに対して直交している必要がある。1969~78年の初代フェアレディZも同じ形式だが、三菱は台形アームの作動軸に後退角を設けてバンプ・トーインのジオメトリーにしたところが進化点。独立懸架のためデフはばね上にあるから、トルクチューブ方式はピアッツァのようにサスの作動には関係ない。

エンジン設計者 MCA-JETの仕組みは上の図の通りで、スロットル上流の大気圧ミクスチャを別経路(オレンジ色)から引き込んで、小さなポペット式ジェットバルブから点火プラグに向けて吹き込んでいます。部分負荷でスロットルを絞るほどジェット効果が高い理屈ですが、アイドリングでは可動メカなしでジェット流を止め回転数が上がらないように工夫しています。図はアイドリング状態ですが、スロットル全閉状態でも実際にはバルブとボアの間にはアイドル空気量を流すだけの微小隙間があります。その隙間を空気が臨界流速で通るときに負圧が発生するため、図中のINLETPORT(A)から入った空気はINLETPORT(B)から吸い出されてメイン流路側に戻り、JET通路側には流れないわけです。なかなかにくい設計です。

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