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〈試乗記:アウディS4〉新開発のV6を搭載! 圧倒的な軽快感

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A4を語る時に、忘れてはならないのがS4の存在だ。アウディのスポーツ魂が注ぎ込まれたこのクルマは卓越した走行性能と優れたドライビングプレジャーで操る者を虜にする。新型S4は心臓に新開発のV6を投入してきた。そのパフォーマンスは、まさに史上最強だ。

TEXT●河村康彦(KAWAMURA Yasuhiko)
PHOTO●市 健治(ICHI Kenji)

※本稿は2016年11月発売の「アウディA4/S4のすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様や道路の状況など、現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

3.0ℓのV6エンジンは、従来のスーパーチャージャーに換えてターボチャージャーを採用。発進時から驚くほどのトルクを発揮し、どこまでも加速していく ような力強さを感じさせる。AWDのクワトロにより、あらゆる状況下でも安定した走りを実現する。0-100 ㎞/h加速は4.7秒だ。

控えめなルックスに極上のV6ターボを搭載

 日本では今年2月のセダン、そして4月のアバントからスタートをした新しいA4シリーズの導入。ボディ骨格までもが刷新され、まさにフルモデルチェンジと呼ぶに相応しい内容を備えたベーシック・バージョンに加え、今、最もホットな話題として注目なのが、10月に受注が開始され、年末にはデリバリーが始まる予定の、シリーズきってのハイパフォーマンス・グレードであるS4/S4アバントだ。

 ここでは、日本にいち早く持ち込まれたS4セダンを早速テストドライブ。最高354㎰というハイパワーを発する、やはり新開発された心臓を、アウディ得意のフルタイムAWDシステムと組み合わせて搭載するこのモデルの魅力を明らかにしていこう。

 ハイパフォーマンスぶりと同時に、シリーズ最上のモデルという位置づけのS4のルックスは、控えめながらもスポーツ性の高さをアピールする仕上がりが印象的だ。

 標準仕様に対して、ロワグリルの大きさが強調されたフロントマスクは、実はすでに「Sライン・パッケージ」で採用されているものと同様のデザイン。けれども、専用チューニングによるローダウン・サスペンションに18インチのシューズという組み合わせや、ディフューザー部分が強調されたバンバー+4本出しテールパイプの組み合わせによるリヤビューなど、このグレードならではのルックスが、シリーズトップのスポーツモデルであることをさりげなく、しかし明確にアピールする。

 今回の試乗車は、オプションのSスポーツシートを採用。ダッシュボードにカーボンパネルを採用するなど、インテリアでも標準仕様を凌ぐスポーティな雰囲気を一際加速させている。

 とはいえ、そんな内外装が必要以上にハードでスパルタンな印象を放つまでに至らないのは、やはり「S」の記号が与えられた他のアウディ車の場合と同様。走りのポテンシャルを含め、よりコンペティティブな仕上げのモデルを望むのであれば、それはいずれ登場をするであろう「RS」の文字を備えたモデルを待つのが賢明ということになりそうだ。

カーボンアトラスのパネルが装着され、スポーティな雰囲気となるS4のインテリア。メーターはタコメーターを中央部に大きく表示するスポーツモードが備わる。
シートはアルカンターラ/レザーのスポーツシートで、シートバックにはSのロゴが施される。撮影車両はオプションのSスポーツシートを装着しており、サポート部の調整やマッサージ機能も備わっている。

 まずはS4の静的な部分にチェックを入れたところで、いよいよスターターボタンを押してその心臓部に火を入れる。

 4気筒エンジンを搭載するA4シリーズとは別格の、少しばかり迫力に富んだサウンドと共に目覚めるのは、吸気バルブ早閉じ方式のアトキンソンサイクル(ミラーサイクル)にターボチャージャーを組み合わせ、過給エンジンながら高圧縮を実現することで燃費を損なわずに高出力を実現させたとアピールする、バンク内にツインスクロール式ターボをレイアウトした3.0ℓの90度V6エンジン。そこに、7速DCTを用いる標準仕様のA4シリーズとは全く異なった、8速ステップATを組み合わせるのがS4のパワーパックとなる。

 0-100㎞/h加速がわずかに4.7秒―― そんなデータからも推測出来るように、絶対的な動力性能が文句ナシの高さにあることは、言うなれば「スタート以前から予想されたこと」だ。が、実際に走り始めて驚かされたのは実に強力な加速に加え、エンジンの回転フィールが極めて滑らか、かつフリクションを殆ど意識させない、「まるで電気モーターのように回ってくれる」というポイントでもあった。

 誤解なきよう断っておくが、それは決して〝スカスカ”に回る印象ではない。低回転域からトルク感はタップリある一方、そのままアクセルペダルを深く踏み込んで行くと、今度はレッドラインの6750rpmを軽々と突破しそうな勢いでパワーを伴いつつ高回転域に至るという、圧倒的な軽快感が印象に残ったのだ。

ミラーサイクルの採用により、パワーと燃費性能を両立した3.0TFSIエンジン。バンク角は90度で、通常とは逆の外側から吸気、内側から排気というレイアウト。ターボチャージャーはVバンクの中央部に配置される。
S4専用の18インチホイールはシンプルでスポーティな形状。赤くペイントされた6ポットの対向ブレーキがよく見える。タイヤサイズは245/40R18だ。

滑らかでパワフルな走りと快適な心地を両立

 微低速シーンからステップATならではの滑らかな挙動を実現させつつ、同時にDCTのごとくダイレクトな駆動力の伝達感が味わえるトランスミッションの出来も秀逸。選択するドライブモードにもよるが、後方から耳につく排気音が時に演出過剰とも思える場面もあったものの、ともかく滑らかでパワフルな加速のフィーリングが、まずはS4ならではの味であることは間違いない。

 一方、そんな軽快感溢れるパワーフィールとまるでバランスを取ったかのように、ばね下の動きが軽いフットワークのテイストにも感動させられた。

 245/40R18サイズと、それなりに大きなシューズを履くにも関わらず、路面凹凸に対するサスペションの動きは滑らかかつ軽やか。当初からそれなりに高いダンパー減衰力を選択する「ダイナミック」のモードを選択してすら、すこぶる高い快適性が確保されるのだ。

 ちなみに、操舵力は小さく抑えられる一方、路面とのコンタクト感は十分な濃密さが得られたのが「コンフォート」モード時のステアリングフィール。それゆえ、19万円で設定されるリヤスポーツディファレンシャルを採用した試乗車で、個人的にワインディング・ロード走行時に気に入った設定は、まず各可変機構を個別にプリセットすることが出来る「インディビデュアル」を選択した上で、ステアリングをコンフォート、リヤスポーツディファレンシャルとサスペンションをダイナミックにセットした状態となった。

 そんなS4の価格は、800万円を大きくオーバー。端的に言ってこのサイズのセダンとしては、それなりに高価なことは間違いない。

 けれども、ドライバーアシスト機能を筆頭とした装備の充実度はもとより、自在な走りの感覚と際立つ快適性の高さを評価するならば、「その内容に対する価格設定は、十分に納得の出来るもの」というのが、新型S4に対する率直な気持ちである。

S4
全長×全幅×全高:4745×1840×1410㎜
車両重量:1680㎏
エンジン:水冷V型6気筒3.0ℓターボ
最高出力:260kW(354㎰)/5400-6400rpm
最大トルク:500Nm(51.0㎏ m)/1370-4500rpm
トランスミッション:8速AT
価格:839万円

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