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インフィニティQX50 | FRのインフィニティEX=日本名スカイラインクロスオーバーから、現行二代目でFF車へと大転身したミッドサイズ高級クロスオーバーSUV インフィニティQX50…このVCターボを、そしてこの美しい内外装を堪能できない日本のユーザーは不幸すぎる!【これは欲しい! 日本で正規販売されていないクルマ】

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インフィニティQX50

「なんでこんないいクルマが日本で普通に買えないんだ!?」

そのブランドのファンや関係者ならずとも、そう憤慨したくなるような日本未導入モデルは、グローバル化がこれだけ進んだ今なお、数え切れないほど存在する。

そんな、日本市場でも売れるorクルマ好きに喜ばれそうなのになぜか日本では正規販売されていないクルマの魅力を紹介し、メーカーに日本導入のラブコールを送る当企画。今回は、日産が北米などで高級ブランド「インフィニティ」のミッドサイズクロスオーバーSUVとして販売している「QX50」を紹介したい。

TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●日産自動車

2009~16年に日本で販売された日産スカイラインクロスオーバー
2017年11月のロサンゼルスオートショーで世界初公開された現在の「インフィニティQX50」は二代目だが、初代のQX50はモデルライフ途中の2014年、インフィニティ全体で命名規則が変更されて以降、この車名になっている。

それ以前の車名は「EX」。2007年にデビューしたこのモデルは、2009年より日本でも「スカイラインクロスオーバー」として販売された。つまり初代QX50は、その車名の通りスカイラインをベースとしたクロスオーバーSUVであり、FM(フロントミッドシップ)パッケージを採用したFR車(とそれをベースにした4WD車)だったのである。

だが二代目へ世代交代した際、プラットフォームを一新するとともに、基本の駆動方式をFRからFFへ変更し、居住・荷室空間を拡大。またボディに980MPa級の高成形性超高張力鋼板を初採用して重量増を抑えつつ、ねじり剛性を23%アップし静粛性と乗り心地を改善している。

KR20DDET型エンジン
そして最大のトピックは、この二代目QX50が初採用モデルとなった「VC(可変圧縮比)ターボ」、KR20DDET型2.0L直列4気筒ターボエンジンだろう。

VCターボの可変圧縮比メカニズム

詳細は下記の記事に記されているため概要のみ説明すると、走行状況に応じ「ハーモニックドライブ」と呼ばれるモーターを回すことでアクチュエーターアームを動かし、コントロールシャフトを回転、クランクピンを支点としたマルチリンク機構の角度を変えるることで、コンロッドの大端部を上下させ、ピストンの上死点を上下させる。これによって、圧縮比を8.0~14.0の間で物理的に変化させることを可能にした、まさに夢のエンジンだ。

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「技術の日産」の名前に相応しいエンジンが日産にはある。エンジン技術者100年の夢を実現した「可変圧縮比エンジン」だ。現在...

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QX50に搭載されるKR20DDETは272ps/5600rpm&380Nm/4400rpmを発生。これにCVTを組み合わせることで燃費を30%以上改善し、EPA(米国環境保護庁)総合燃費はFF車で26MPG(約11.1km/L)、4WD車で25MPG(約10.6km/L)と、3.5L V6 NAなみの性能と2.0L直4NAと同等レベルの燃費を兼ね備えている。

ステアリングホイール右側に備わるプロパイロットの設定スイッチ
また、高速道路の単一車線で加減速と操舵を自動で制御するADAS「プロパイロット」を設定したのも見逃せない。

上部を茶色、中央を青、下部を白でコーディネートしたプレミアムホワイトレザーパッケージの運転席まわり
6:4分割可倒式リヤシートは前後スライド機構も備えており、荷室容量を自在に変更することが可能
プレミアムホワイトレザーパッケージのフロントシートはキルティング入りのセミアニリン本革

荷室容量は後席使用時・最後端で895L、同・最前端で1048L、後席格納時で1699L
そして、インフィニティ車らしい優雅かつモダンな内外装デザインも、大きな魅力の一つ。特に最上級グレード「オートグラフ」にオプション設定される「プレミアムホワイトレザーパッケージ」は、白のセミアニリン本革に青および茶色のウルトラスェード、青のパイピングがふんだんに用いられた豪奢な設えで、色使いのセンスの良さもイタリア車顔負けだ。

だが、日産自慢の最先端技術と美しいデザインを兼ね備えた、そんな二代目インフィニティQX50は、日本では正規販売されていない。

最も安価な「ピュア」のFF車で3万2750ドル(約393万円)、最も高価な「オートグラフ」の4WD車で5万5850ドル(約590万円)と、価格も相応に立派だが、この内容であれば納得できるというもの。

販売が不調に終わったスカイラインクロスオーバーは、残念ながら時代が早すぎただけというのが率直な印象だが、今ならばこうした高級クロスオーバーSUVが受け入れられる土壌は、日本にも出来ているだろう。

そしてVCターボは、極めて革新的な技術であるだけに、熟成の余地は大いに残されていると思われるが、それでも日本市場へ未だに投入されないのは、不幸と言うより他にない。ゴーン政権下の時代より相変わらず、日本のユーザーを軽視していると受け取られても仕方がないのではないか。

だからこそ、日本のユーザーにもVCターボを、そしてこのインフィニティQX50の走りと美しいデザインを、ぜひ味わわせて欲しい!

■インフィニティQX50オートグラフ(F-AWD)*北米仕様
全長×全幅×全高:4693×1903×1679mm
ホイールベース:2800mm
車両重量:1854kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1970~1997cc
最高出力:200kW(272ps)/5600rpm
最大トルク:380Nm/4400rpm
トランスミッション:CVT
サスペンション形式 前/後:マクファーソンストラット/マルチリンク
ブレーキ 前後:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 前後:255/45R20
乗車定員:5名
車両価格:5万5850ドル(約590万円)

インフィニティQX50

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