メルセデス・ベンツ メルセデス・ベンツ Aクラス 新型情報|グレード/性能/新車・中古価格
- 2021/01/27
<現行モデル>
メルセデス初のFFハッチバック車として1997年に初代が登場。EV化を見据え、バッテリーの搭載を考慮したフロアの二階建て構造が特徴だったが、2代目以降はオーソドックスなボディレイアウトに変更された。現行型は2018年に登場した4代目で、先代よりも全長を120mm拡大し、よりワイド&ローでスポーティなルックスをまとう。エンジンは1.4Lガソリンターボと2.0Lディーゼルターボの2種類だが、306psの2.0Lガソリンターボに4WDを組み合わせた「メルセデスAMG A35 4マチック」もラインナップする。「ハイ、メルセデス」で起動する対話型インフォテイメントシステム(MBUX)の採用も話題となった。
<先代モデル>
メルセデスブランドのエントリーモデル。現行三代目は2012年発売で、2015年秋に可変サスペンションの新採用を含めたマイナーチェンジを受けた。群雄割拠のライバルと比較しても、実用性をある程度割り切ったスポーティなスタイルが売り。本国では4種のディーゼルと5種のガソリン……という豊富なラインナップを持つが、日本仕様は上級ガソリンのみで、日本仕様は1.6ℓターボのFFと2機種の2.0ℓターボAWDを用意。
《 メルセデス・ベンツAクラス 目次 》
新型メルセデス・ベンツ 打倒ゴルフ!
【1】エンジンはすべて新規開発 M282型/M260型/OM608型[2018年2月11日]
A200用 1.3ℓ直4DOHC直噴ターボ M282型
A250用 2.0ℓ直4DOHC直噴ターボ M260型
A180d用1.5ℓ OM607型
【2】ボディサイズは?新旧クラスで比べてみる-VWゴルフより低くて長い新型Aクラス[2018年2月12日]
新型メルセデス・ベンツAクラス
前面視
側面視
室内寸法
上面視
後面視
【3】Cd値=0.25! 格段に向上した空力性能。エアパネルもOP設定[2018年2月14日]
【4】トランスミッションは、2種類の7速DCT。ひとつは内製、もうひとつはゲトラグ製だ[2018年2月14日]
ワールドプレミアされたばかりの新型メルセデス・ベンツAクラス。「コンパクトクラスのモダンラグジュアリーを”再定義”する」とメルセデス・ベンツが謳う最新作。おそらく、「打倒、VWゴルフ」が新型Aクラスに与えられた役割のはず。ここでは、新型Aクラスを詳しく解説していこう。
エンジンはすべて新規開発 M282型/M260型/OM608型
まずは、パワートレーンだ。
2種類のガソリンエンジン、1種類のディーゼルエンジンの3種類のエンジンが用意されるが、なんと全機種、新開発エンジンだ。メルセデス・ベンツがAクラスにかける意気込みが伝わってくる。その3種類のエンジンをひとつひとつ見ていこう。
A200用 1.3ℓ直4DOHC直噴ターボ M282型
現行のA180は1.6ℓ直4DOHCターボのM270型を搭載しているが、新型は新開発のM282型1.3ℓ直4DOHターボを積む。
出力は、163ps/250Nmと強力だ。ちなみにライバルのVWゴルフTSIハイラインの1.4ℓ直4DOHCターボ(EA211型)は、140ps/250Nmである。欧州で対決するVWのEA211のseries 1.5 evoと呼ばれる、いわゆる『ライトサイジング』ユニット1.5ℓの直4ユニットは
排気量:1498cc
ボア×ストローク::74.5×85.9mm
圧縮比:12.5
最高出力:96kW/4750-5500rpm
最大トルク:200Nm/1300-4500rpm
である。ダウンサイジングではなく、ライトサイジング、と宣言したVWに対して、1.3ℓの直4エンジンで勝負を賭けるメルセデス・ベンツ。
新開発のM282型、期待大だ。
さて、このM282型だが、技術ハイライトを解説しておこう。
まず、ルノーと共同共同開発されたエンジンであることを最初に言っておかないといけない。生産はチューリンゲン工場。いずれはルノーの北京工場でも生産されるようだ。
M282型は、排気量が1332ccだから、表記的には1.3ℓということになる。
ポイントは、気筒休止システムを搭載すること。エンジン回転数が1250-3800rpmで条件が合えば2/3番シリンダーが休止する。残った2気筒が高効率で回り結果的に効率が上がるというわけだ。
エンジンの低フリクション化にも注力している。シリンダー壁には、メルセデス・ベンツ得意のNANOSLIDEを使い、ピストンスカートもEco-Toughコーティングを施している。
技術的なハイライトは、「デルタ・シリンダーヘッド」である。そのカタチからそう呼ばれるが、現行モデルよりシリンダーヘッドの高さは若干嵩むが、軽くて幅が狭いという。さらに吸気と排気のマニフォールドをセミ・インテクテグレートするというのもポイントだ。ダイムラーが特許と保持している高圧噴射ポンプの噴射圧は250bar。インジェクターはセンターフィードだ。
ターボチャジャーのウェイストゲートは、電動式になった。
この新しいM282型は、標準でガソリン・パーティキュレート・フィルター(GPF)を装備する。ディーゼルにおけるDPFのガソリンエンジン版と考えればいい。厳しくなる排気規制に対応するために必須となりそうなデバイスだ。
気になる燃費データは、NEDCの複合モードで
DCTが19.6km/ℓ
MTが17.9km/ℓ
だ。
1.3ℓ直列4気筒DOHCターボ
エンジン型式:M282型
排気量:1332cc
ボア×ストローク:72.2×81.4mm
ボア/ストローク比:1.3
ボアピッチ:85.0mm
圧縮比:10.6
バルブ数:4/シリンダー
最高出力:120kW(163ps)/5500rpm
最大トルク:250Nm/1620-4000rpm
リッター当たり出力:90kW/ℓ
ターボ:シングルスクロールターボ。
A250用 2.0ℓ直4DOHC直噴ターボ M260型
A250が搭載するのは、2.0ℓ直4DOHCターボ。
現行のA250が搭載するのはM270-M20型2.0ℓ直4DOHCターボ。
160kW/350Nmに対して新型のM260型は
165kW/350Nm。
旧型からの出力アップはわずか。こちらはパワーアップよりも燃費対応か。
M260型はアルミ合金ブロックに鋳鉄シリンダーライナーを鋳込んだエンジン。CONISCHAPEとよぶ”トランペット・ホーニング”を施している。燃費のためにピストンのフリクションを低減した。
M260型は、CAMTRONICを搭載する。CAMTRONICは、可変バルブタイミング&リフト機構で、バルブリフトはハイ/ローに切り替わる。
インジェクターは、最新世代のピエゾ式。こちらも、標準でGPFを装備する。
4気筒だが、ターボチャージャーはシングルスクロールターボだ。ウェイストゲートバルブは、前型がバキューム式だったに対して電制式になった。
2.0ℓ直列4気筒DOHCターボ
エンジン型式:M260型
排気量:1991cc
ボア×ストローク:83.0×92.0mm
ボア/ストローク比:1.1
ボアピッチ:90.0mm
圧縮比:10.5
バルブ数:4/シリンダー
最高出力:165kW(224ps)/5500rpm
最大トルク:350Nm/1800-4000rpm
リッター当たり出力:83kW/ℓ
ターボ:シングルスクロールターボ。
A180d用1.5ℓ OM607型
A180dに搭載するエントリーレベルのディーゼルエンジンも刷新された。
OM607型という1.5ℓ直4ディーゼルターボだ。エミッションはEURO 6dに対応。RDEにも対応する。
ターボは、エキゾーストマニフォールドに一体化されたVGターボ(可変ジオメトリーターボ、メルセデス・ベンツは可変タービンジオメトリー=Variable Tubine Geometryと呼ぶ)を採用。タービンのジオメトリーを変えるのは電動アクチュエーターが受け持つ。
インテークマニフォールドも一体化されるシリンダーヘッドはアルミ合金製。燃料の噴射圧は前型が1600barだったのに対して、ソレノイド式インジェクターで2000bar(20MPa)まで上げている。噴孔数は8。1回の燃焼で最大6回噴射する。
シリンダーブロックは鋳鉄製だが、剛性を上げつつ軽量化している。ピストンは前型と同じくスチール製。
排気後処理では酸化触媒、AdBlueによる尿素SCR、そしてDPFを装着する。AdBlueのタンク容量は23.8ℓと大容量だ。
このOM608もルノーの協力によって開発された。
3つのエンジンのうち、1.3ℓガソリンと1.5ℓのディーゼルは、開発でルノーがかなり大きな力を発揮したのではないだろうか?
ちなみに、ルノーの1.5ℓディーゼルのK9K dCi75.90.110の、ボア×ストロークはM608と同一。鋳鉄ブロックだ。OM608はK9Kをベースにしていると考えられるかもしれない。
VWのディーゼルゲートで、欧州はディーゼルはそろそろ終わり、という声もあった。排気後処理のコストを考えると、Cセグでディーゼルは厳しくなるのでは、と考える人もいたが、ダイムラー&ルノーは、1.5ℓのディーゼルを新規に投入してきた。やはりまだまだディーゼルの活躍する余地は残されているのだろうか?
1.5ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボ
エンジン型式:M608型
排気量:1461cc
ボア×ストローク:76.0×80.5mm
ボア/ストローク比:1.05
ボアピッチ:85.0mm
圧縮比:15.1
バルブ数:4/シリンダー
最高出力:85kW(116ps)/4000rpm
最大トルク:260Nm/1750-2500rpm
リッター当たり出力:58kW/ℓ
ターボ:VGターボ
元記事:新型メルセデス・ベンツAクラス:打倒ゴルフ! エンジンはすべて新規開発 M282型/M260型/OM608型
ボディサイズは?新旧クラスで比べてみる-VWゴルフより低くて長い新型Aクラス
次は、ボディサイズ、ディメンションを見て行こう。ここは現行と新型の比較で考えていこう。
現行Aクラスは
全長×全幅×全高:4355×1780×1433mm
ホイールベース:2699mm
新型Aクラスは
全長×全幅×全高:4419×1796×1440mm
ホイールベース:2729mm
数字は、本国の資料のもの(国内の届出値とは異なる数字)だ。
新旧を比べると新型は、
64mm長く
16mm幅広く
7mm高く
ホイールベースが30mm伸びている。
ちなみにVWゴルフのボディサイズ(国内届出値)は、
全長×全幅×全高:4265×1800×1480mm
ホイールベース:2635mm
だから、新型Aクラスは、ゴルフ7より
154mm長く
4mm幅狭く
40mm背が低い
94mmホイールベースが長いということになる。
では、まずは前面視から。
現行メルセデス・ベンツAクラスの前面視
新型メルセデス・ベンツAクラスの前面視
現行メルセデス・ベンツAクラスの側面視
新型メルセデス・ベンツAクラスの側面視
全長は64mm拡大しているが、そのうちホイールベース分は30mmだ。フロントのオーバーハングは936mmから914mmに、22mm切り詰められたのに対して、リヤのオーバーハングは720mmから776mmと56mmも拡大している。
これにともない、ラゲッジルームの奥行きは707mmから822mmとぐっと広くなった。115mmも奥行きが広くなったということは、新型Aクラスのラゲッジルームの使い勝手に大きなメリットを与えるはずだ。
現行Aクラスの室内寸法
新型Aクラスの室内寸法
室内は格段に広くなった。
フロントシートの座面から天井までは
現行1017mmが新型では1024mmへと7mm拡大。
同じくリヤシートは
現行952mmが新型では960mmと8mm拡大している。
横方向の余裕は新型のポイントのひとつだ。
フロントの幅方向の数値は(Elbow room, front)は1422mmから1457mmと35mmも拡大している。
同じくリヤでは36mm拡大。
新型Aクラスは、現行より室内空間がかなり広がったのだ。
現行Aクラスの上面視
新型Aクラスの上面視
現行Aクラスの後面視
新型Aクラスの後面視
元記事:新型メルセデス・ベンツAクラス:ボディサイズは?新旧Aクラスで比べてみる
Cd値=0.25! 格段に向上した空力性能。エアパネルもOP設定
Cd値=0.25
前面投影面積=2.19㎡
というのは、このセグメントの空力のリーダー的存在になる。
この結果を得るために、メルセデス・ベンツの空力エンジニアは、CAEを駆使して空気の流れを解析、もちろん風洞も使って空力性能を最適化した。
メルセデス・ベンツは、コンパクトクラスで初めて「エアパネル」をオプションで設定する。
通常では閉じていてドラッグ(空気抵抗)を低減し、エンジンの冷却ニーズが高くなると自動で開く。つまり空力とクーリング性能を両立させる自動シャッターグリルということだ。
フロント/リヤのホイールスポイラーは、ホイール周りの空気の流れを最適化する。くわえて、ホイールアーチは(エンジンのタイプによるが)エンジンの熱から断熱される。ラジエーター周りはシールされている。
このほか、
・ヘッドランプ周りのシーリング
・サイドビューミラーの位置をベルトラインに移動
・大型ルーフスポイラーとスポイラーリップ
・エンジンルーム下、メインフロア、リヤアクスルの前面パネル化とディフューザー
・ガソリンエンジンはリヤの排気サイレンサーとシートシールドの形状最適化
・ホイールとタイヤの空力最適化
などを行なった。
風切り音は先代と比較してかなり改善しているという。
高周波の風切り音は、Aピラーとミラーの繋がりを変えることで改善させた。もちろん、ミラーの形状も見直している。
元記事:新型メルセデス・ベンツAクラス:Cd値=0.25! 格段に向上した空力性能。エアパネルもOP設定
トランスミッションは、2種類の7速DCT。ひとつは内製、もうひとつはゲトラグ製だ
次はトランスミッションだ。
新型Aクラスのトランスミッションは、2種類の7速DCTを設定する。
A250(M260型2.0ℓ直4ターボ 224ps/350Nm)用は湿式のデュアルクラッチを使う。これが前型からキャリーオーバーしたDCTだが、シフト・パフォーマンス、変速時間をフリクションの最適化やヒステリシスの低減で改善している。エンジンとトランスミッションの協調制御も一新された。シフトモードは、ECO、Comfort、Sport、Individualの4モードだ。
A200(M282型1.33ℓ直4ターボ 163ps/250Nm)は、湿式デュアルクラッチ式の同じく7速DCTを新規で採用する。乾燥重量は67kg。こちらも、シフトモードは、ECO、Comfort、Sport、Individualの4モードだ。このトランスミッションは、ゲトラグと共同開発したもの、と資料にはある。特徴は、クラッチは、電動油圧で制御し。ギヤシフトは、電動アクチュエーターが行なう点だ。これは、ルノーが主に採用する小排気量向けDCTで、ゲトラグの「7DCT300」をベースにしたものだろう。ギヤ比については、両DCTとも未公表だ。
元記事:新型メルセデス・ベンツAクラス:トランスミッションは、2種類の7速DCT。ひとつは内製、もうひとつはゲトラグ製だ
メルセデス・ベンツAクラス 2024年6月発売モデル
A180
価格 | 489万円 |
---|---|
排気量 | 1400cc |
駆動方式 | FF |
最高出力 | 136 ps(100 kW)/5500rpm |
---|---|
最大トルク | kg・m(23.5 Nm)/1650〜3500rpm |
乗員 | 5名 |
燃費 | - |
A200d
価格 | 559万円 |
---|---|
排気量 | 2000cc |
駆動方式 | FF |
最高出力 | 150 ps(110 kW)/3400〜4400rpm |
---|---|
最大トルク | kg・m(32.6 Nm)/1400〜3200rpm |
乗員 | 5名 |
燃費 | - |
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