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〈試乗記:メルセデス・ベンツAクラス&Aクラスセダン〉コンパクトでFF…… しかしメルセデス風味はむしろ濃厚!

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気がつけばAクラス、Bクラス、CLA、GLA、GLBと、またたく間に広がったメルセデス・ベンツのFF系モデルたち。そのなかで主役を張るのは、やはりAクラスだろう。前輪駆動でも、メルセデスらしさは健在……どころか、むしろ濃厚な味わいが強調されていると感じる瞬間すらある。Aクラスには、メルセデスのすべてが宿っている。

TEXT●渡辺敏史(WATANABE Toshifumi)
PHOTO●神村 聖(KAMIMURA Satoshi)

※本稿は2020年3月発売の「メルセデス・ベンツAクラス/Bクラス/CLAのすべて」に掲載されたものを転載したものです。

 2019年、メルセデス・ベンツの世界販売台数は約234万台となり、プレミアムブランドでは4年連続でトップの座を射止めた。

 その原動力となっているのがコンパクトカーのカテゴリーであることは言うまでもない。ちなみに新規開発されたFFアーキテクチャーを用いたモデル群が出揃った14年の世界販売台数は165万台余。その後の5年で見ても70万台弱を上乗せしたことになる。

 この強烈な伸長を支えた核たるモデル、Aクラスは18年に完全刷新を受け、FFアーキテクチャーもMFA2と呼ばれる第2世代へと進化した。

 ちなみに日本には18年の年末に導入され、初の通年販売となった19年では1万台を軽くオーバー。メルセデス・ベンツの国内販売のうち、ほぼ5台に1台がそれという売れ行きを示している。19年の夏からはボディバリエーションにセダンが加わったことも、数字の後押しに効いていることだろう。

 現行Aクラスのサイズはハッチバックが全長4420(AMGラインは4440)㎜、全幅が1800㎜、全高が1420㎜。セダンは全長が4550(AMGラインは4560)㎜、全幅が1800㎜、全高が1430㎜になる。日本車になぞらえるならマツダ3がほど近いサイズになるが、セダンについてはAクラスの方が全長は100㎜ほど短い。これは同じMFA2アーキテクチャーを用いるCLAクラスとの車格面での差別化が主因だろう。日本の道路事情に合った扱いやすいセダンは減少傾向にあるが、おかげでAクラスセダンはその貴重なポジションを取る形になったわけだ。

 日本で展開されるAクラスのラインナップをおさらいすると、ハッチバックはベースモデルのA180、装備を充実させたA180スタイル、2.0ℓディーゼルユニットを搭載するA200d、そしてメルセデスAMGが手掛けるA354マチックとA45S 4マチック+の5グレード展開となる。セダンにはA45Sの設定はないが、代わりにリーズナブルな四駆のA250 Sマチックが用意されている。

 そのうち、最も売れ筋となるのはハッチで337万円、セダンで347万円からなるA180系だ。搭載されるエンジンは技術提携先のルノーとの共同開発となるM282系ガソリン1.3ℓ直噴4気筒ターボで、最高出力は136㎰、最大トルクは200Nmを発揮する。組み合わせられるトランスミッションは同じく共同開発された7速DCTだ。

 Aクラスを購入検討する際、多くの人はこの180系で標準車とスタイルのどちらを選ぶべきかを悩むことになるだろう。装備差をチェックすると、スタイルでは電動ランバーサポート付きのパワーシートやシートヒーター、リヤアームレストなどのコンフォート系、イージーエントリーやキーレスゴーなどのユーティリティ系、そして誤発進&後退、低速時の後退事故を防ぐドライブアウェイアシストやリアクロストラフィックアラートなどのセーフティ系がスタイルならではの標準となり、ベースモデルはオプションでの選択もできない。

 これらを価格差と勘案すると、実際にも多くの人がスタイルの側を選んでいることが納得できる。つまり、標準的な用途でのAクラスの選択肢としてはA180スタイルが本丸、それと同等装備で30万円の価格差となるA200dが対抗ということになってくるのではないだろうか。

Mercedes-BenzA-Class

エンジンは最高出力136㎰の1.3ℓターボ(A180およびA180スタイル)、150㎰の2.0ℓディーゼルターボ(A200d)、306㎰の2.0ℓターボ(AMG A35 4MATIC)、421㎰の2.0ℓターボ(AMG A45 S 4MATIC+)の4本立て。基本的に7速DCTと組み合わされるが、A200dとA45には8速DCTが与えられる。

最高出力:136~421㎰
車両価格:337~798万円

 A200dが搭載する2.0ℓ直列4気筒のディーゼルエンジンは最新世代のOM654系で、縦横両方のレイアウトが可能なことから、C、E、GLEクラスにも搭載されている。

 新型DPFに加えてEGRや尿素SCRの2系統化により、PMとNOXを底的に除去したこのユニットは、欧州の環境規制、ユーロ6dに今後採り入れられるRDEモードでのエミッションレシオも先取りで達成しており、今後のメルセデスのエンジンストラテジーにおいては主役を担うものとなる。

 最高出力は150㎰、最大トルクは320Nmで、トランスミッションは8速DCT。ちなみに燃費はWLTCモードにおいて、A180スタイルが15.4㎞/ℓなのに対してA200dは18.8㎞/ℓとなる。

 Aクラスにおいての機能的なトピックは、MBUXと呼ばれるユーザーインターフェースの搭載だろう。これはAIを介したインタラクティブなインフォテインメントコントロールで、乗員の「ハイ!メルセデス」というコマンドを皮切りに、ナビの目的地設定のみならずオーディオの選曲やエアコンの温度調整、天気や渋滞など各種情報の検索なども会話形式で行えるというものだ。

 登場当時はローカライズ間もないこともあってか、滑舌良く発声しなければ聞き取ってくれなかったり、聞き取れても誤認識が多かったりといった不具合も多く見て取れたMBUXは、AIの学習が進んだこともあってか、この一年あまりでコミュニケーションがスムーズになった印象だ。

 とはいえ、細かすぎるオーダーには頭を悩ませるし、にわか仕込みの関西弁には耳を貸してくれない。行き先を指定するのに最寄りのランドマークを指定したり、タクシーの運転手と会話するくらいの気配りは必要になる。

 新しいAクラスはルックス的には先代よりもシャープな印象ゆえ、室内もタイトに思われるかもしれない。だが、前後長や荷室などは数値的なところも先代より拡大しているだけでなく、形状的な使いやすさも追求されており、その進化は居心地や使い勝手にも確実に現れている。同様にピラーやウインドウの形状の工夫によって、斜め前後の視界も先代に比べると明快だ。

 DCTは一般的にスポーツドライビングでの素早い変速や軽快なフィーリングが身上である一方、速度の上下によっては大きなショックを伴うシフトダウンなど、時おりドライなリアクションが現れたりする。

 その点、AクラスのDCTはとっさの切れ味よりも日常的な滑らかさを重視した変速マネジメントとなっており、停止寸前からの再加速といったDCTが苦手とするような入力パターンでもアラを見せることはない。普段乗りでも扱いやすいセットアップといえるだろう。

 そのぶんマニュアルモードでも電光石火の変速とはいかないが、クルマのキャラクターを鑑みれば過不足のないところにある。この、穏やかな応答感にメルセデスらしい味付けを見て取る向きも少なくないと思う。

 メルセデスらしい味付けといえば、乗り心地もそうだろう。導入当初は低中速域でのちょっとした凹凸超えなどで強めのショックを伝えてくるなど時折乗り心地に粗さが見受けられたが、現在は角が取れてスムーズさが増している。

 そこから中高速域にかけての大入力を受け止めてのリバウンドの収束などのフラットライドぶりは、まさにこのクルマがスリーポインテッドスターを掲げる核心といえるものだ。操作に対する応答ぶりに特筆すべき敏感さはないが、安心できるボディの動きがあるからこそ自信をもってシャシーの余力を振り絞れる。不安と引き換えの快感ではない健康的なスポーティネスこそがAクラスの個性であり、メルセデスらしさでもある。

(次ページへ続く)

Mercedes-Benz A-Class Sedan

エンジンは最高出力136㎰の1.3ℓターボ(A180セダンおよびA180セダン・スタイル)、150㎰の2.0ℓディーゼル(A200dセダン)、224㎰の2.0ℓターボ(A250 4MATIC セダン)、306㎰の2.0ℓターボ(AMG A35 4MATIC セダン)の3本立て。

最高出力:136~306㎰
車両価格:347~644万円

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