ドライブトレイン インホイールモーター In Wheel Motor
- 2019/12/26
車輪のハブに動力を内蔵する方式のモーター。ショベルカーなど建設機械では油圧方式が存在するが、電気自動車(EV)でのインホイールモーターは電動式である。かつて1980年代末から90年代終盤にかけては未来型の試作EVにさかんに用いられたが、機械式ブレーキとの共存が難しいほかばね下重量の低下、左右輪が機械的に連結されていないことに起因する左右同期の難しさなどから実用化には至らなかった。現在では競技用ソーラーカーなどに実用例があるほか、小型化が進んで機械式ブレーキのスペースを確保することができるようになり、小型FF車への搭載も可能になった。同様に、左右輪の同期については電気的制御による「擬似デファレンシャル」が考案され、通常の機械式デファレンシャルと同じように旋回時や段差乗り越え時の回転差を作り出すことができるようになった。インホイールモーターの最大のメリットは、ボディ側にモーターの収容スペースを必要としない点にある。そのため、車両レイアウトやパッケージングに新しいトレンドを生むことが期待されている。
→オンボードモーター