電波暗室を導入し電子製品開発を強化 豊田合成、「グリップセンサー付きハンドル」を国内で初めて開発
- 2017/10/20
- Motor Fan illustrated編集部
豊田合成は、現状の高度運転支援システムに対応した「グリップセンサー付きハンドル」を国内メーカーとして初めて開発したと発表した。また、今後の自動運転技術の進展に対応する付加価値の高いモジュール製品の開発に向けて、豊田合成の持つ美和技術センター(愛知県あま市)に「電波暗室」を導入した。
1.「グリップセンサー付きハンドル」の開発
豊田合成は、トヨタ自動車と共同で、ドライバーのハンドル保持状態を検知できる「グリップセンサー付きハンドル」を開発。LEXUSの新型LSに搭載した。
高度運転支援システムを搭載した車両には自動ブレーキや車線維持走行などの機能が搭載されている。今後はさらに自動運転技術の進展にともない、自動運転システムがドライバーをアシストしてクルマを動かすことが増えていくが、ドライバーとクルマの接点となるハンドルに様々な機能を統合していくことが予想される。
グリップセンサー付きハンドルは、ハンドル保持が必要とされるもので、リング部にセンサーを内蔵してハンドル保持状態を高い精度で検知。ハンドルを保持しているか手を放しているかを判別して車両側に信号を送る。
また、冬期などにハンドルを暖めるヒーター機能も付いている。通常ではヒーターエレメントとセンサーエレメントが必要となるが、設計の工夫により2つのエレメントを世界で初めて一体化。軽量化にも寄与している。
2.「電波暗室」の導入
豊田合成は、コックピットやフロントグリル周りの部品を数多く開発、提供するサプライヤー。これらの領域は自動運転の進展にともない、より快適な室内空間を創出する様々な機能の付与や、周囲の状況などを把握するセンサーなどの搭載が増えると見込まれている。
今後は、自動運転の進展にともなって、ゴム・樹脂といった高分子分野を中心とするコア技術を用いた製品に、電子部品を融合させた製品開発を強化していくわけだが、電子部品の搭載数が増えると、電磁波の相互干渉の防止がますます重要となってくる。そこで豊田合成は、外部の電磁波を遮断するとともに内部での電磁波の反射を抑制し、製品から発する電磁波の周波数帯域や強さを正しく測定できる「電波暗室」を導入した。
電波暗室は、複数の製品から各方向に出る幅広い性質の電磁波を同時に計測できる最新型の設備であり、多数の電子部品を搭載した製品の信頼性を向上させることが可能となる。電波暗室を活用して、電子部品を組み込んだ付加価値の高いモジュール製品を開発を進めていく。
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