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ジェイテクト:クリープ摩耗抑制玉軸受を開発

  • 2019/10/10
  • Motor Fan illustrated編集部
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ジェイテクトは、ハイブリッド車(HV・PHV)や電動車(EV・FCV)の変速機及び、 エンジン車の無段変速機(CVT)などで主に使用される『クリープ摩耗抑制玉軸受』を開発した。この製品は、変速機のハウジング内で起こる軸受の『クリープ』によるハウジングの摩耗を抑制し、次世代自動車の信頼性と快適性の向上に貢献する。

 軸受のクリープとは、内輪もしくは外輪が運転中に軸又はハウジングに対して回転する現象。この現象が起きることで、摩耗、変色、かじりなど、様々な損傷が起きる原因となる。クリープが発生すると,軸受とハウジングが擦れ合うことでその双方が摩耗して軸の芯ずれや傾きを引き起こす。その結果、ギヤのかみ合い不良による変速機の機能低下や異音などの不具合が発生する恐れがある。

 従来は、クリープによる不具合を避けるため、軸受の外輪を厚くしたり、固体潤滑皮膜を使用したりといった策も取られてきたが、どちらもサイズ・重量やコスト面での課題があり、最適な製品の開発が必要だった。

 こうした背景のもと、ジェイテクトは、2016年に『新構造のアンチクリープ玉軸受』を開発した。これは、外輪の外径中央部に円周方向の溝を作ることで『ひずみクリープ』によるハウジング摩耗の抑制に貢献する技術だが、今回はこの円周溝に加え外輪全体に特殊皮膜を施すことで、『連れ回りクリープ』によるハウジング摩耗に対しても効果のある軸受の開発に成功した。

 この開発品は、従来の外輪厚肉品や固体潤滑皮膜などのクリープ対策品と同等のハウジング摩耗抑制効果を持ちながら、軽量且つ低価格であることから、自動車用はもとより、クリープによる摩耗が問題となる様々な産業機械への応用が可能。販売先としては、国内外の完成車・変速機メーカーなどを考えている。

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