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国産各社のプラットフォームを解説(1):MFi164「日本車総点検」

  • 2020/05/15
  • Motor Fan illustrated編集部
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日産リーフのプラットフォーム。

5月15日発売のモーターファン・イラストレーテッドvol.164では、カテゴリー別にどのプラットフォームが採用されているかを掲載した。各社のプラットフォームにはどんな特徴があるのか、3回に分けて解説していく。第1回はトヨタ/レクサス/日産編だ。
TEXT:安藤 眞(ANDO Makoto)

トヨタ:TNGA採用モデルが着実に増加

 トヨタは「もっといいクルマづくり」を実現するため、2012年にTNGA(Toyota New Global Architecture)思想を発表。プラットフォームやエンジン骨格のモジュール化を図り、開発や生産の合理化によって、より高性能なクルマを低価格で提供できる体制の構築を開始した。この思想を反映したのが、TNGAプラットフォームで、名称に「GA」と入っているのがそれ。低慣性・低重心による運動性能の向上、骨格構造の理想化によって高強度・高剛性を最小限の重量で実現していることを特徴としている。

ヤリスはTNGAプラットフォーム最小のGA-Bを使う。

 エンジン横置き用としては、Bセグメント以下をカバーするGA-B、CセグメントをカバーするGA-C、Dセグメント以上をカバーするGA-Kの3種類がある。一方で、FR系Eセグメント以上は、GA-Lプラットフォームでカバー。当面はクラウンだけの採用となりそうだ。

多彩なモデルに採用される新MCプラットフォーム。写真はアルファード。

「GA」と付かないのが、旧世代のプラットフォーム。新MCには「新」と付いているが、それ以前のMCプラットフォームと区別するために付けられたもので、初出は06年のE150系カローラ。センチュリーはV8ハイブリッドシステムを搭載するため、あえて旧世代(レクサスLS600hと同じ)のNプラットフォームを使用している。ラダーフレーム系は、ハイラックスとプラドが同系統だが、200系ランドクルーザーは1サイズ大きいものを採用。北米で人気のフルサイズピックアップ「タンドラ」と同系統のものだ。

レクサス:工法などでトヨタと差別化を図る

 レクサスは当然のことながら、トヨタブランドとプラットフォームを共用している。しかし、まったく同じもの使用しているわけではなく、LSW(レーザースクリューウェルディング=レーザーを回転させて点溶接を行ない、溶接ピッチを電気抵抗溶接より短くする技術)の採用や、構造用接着剤使用量の拡大など、工法にコストをかけることで性能向上を行なっている。

レクサスLSはGA-Lプラットフォームを使う。

 GA-Lプラットフォームは、フロントサスタワーにアルミダイキャストを使用するマルチマテリアル構造を採用。リヤサス支持部には極太のサイドメンバーが渡されており、前後サスペンション支持部がガッチリと固められている。GS以下のFR系が採用しているNプラットフォームは、03年のS180クラウンで初出になったもの。GSは今年8月で生産を終了するが、来年、フルモデルチェンジが予定されているISは、GA-Lをベースとした新プラットフォームにアップデートされるはずだ。

Kプラットフォームを使うレクサスRXは昨年マイナーチェンジを実施。

 RXが採用するKプラットフォームは00年デビューの北米向けセダン「アバロン」で初出となったもの。次期モデル(22年か?)では、GA-Kプラットフォームに刷新されるだろう。全般的にトヨタブランドに較べて更新が遅れている印象があるが、これはモデルチェンジのタイミングに因るもので、レクサスが冷遇されているわけではない。

日産:ルノーとの共同開発は国内向けモデルでは少ない

 VプラットフォームはA〜Bセグメントをカバーするサイズ。Vは「Versatile(多様性)」から取られており、東南アジア向けのコンパクトカーに幅広く採用されている。初出となったK13型マーチでは、世界生産・共通仕様に対応するため、鋼板のグレードを440MPa級までに抑えていたが、日本で生産されるE12型ノートは590MPa級を側面衝突支持部材に採用している。このプラットフォームはルノーとの共同開発ではなく、日産の独自開発によるものだ。Bプラットフォームは02年デビューのK12型マーチから採用されたもの。Vプラットフォームと寸法的にかぶるが、SUVのジュークや商用車のNV200にまで展開できるキャパシティを持つ。

リーフのプラットフォームは初代からキャリーオーバー。

 リーフのEVプラットフォームは、Bプラットフォームをベースに、走行用バッテリーの搭載などEV化に対応したものだ。Dプラットフォームはマルチロードパスやトラス構造をいち早く取り入れ、曲げ振動の節をサス入力点に設定して振動感度を低減するなど先進的な設計を06年から取り入れていた。ルノーグループ全体でのモジュール化も進められており、CMF(Common Module Family)プラットフォームの展開を進めているが、現在のところ、軽自動車以外で日本で販売されているのはT32型エクストレイルのCMF-Cのみ。むしろFR-Lプラットフォームがモジュール的に使用されており、FR系の4モデルはFR-Lをホイールベース違いで使用している。

モーターファン・イラストレーテッドvol.164「日本車総点検」

日本車全モデル諸元360°分析 見えた「強みと弱み」
・BMEP(正味平均有効圧)/電動化の比率のその中身
・レシオカバレッジは広がっているのか?
・ディメンション徹底分析/プラットフォーム別車種系譜
・車両カテゴリーとタイヤサイズの関係

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