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帝人:ポルトガル拠点にCF-RTM成形設備を新設、自動車向け複合成形材料事業の展開を強化

  • 2020/12/02
  • Motor Fan illustrated編集部
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CF-RTM成形設備を新設したイナパル・プラスティコ社パルメラ工場

帝人グループで軽量複合材料部品の生産・販売を手がけるInapal Plasticos(イナパル・プラスティコ社・ポルトガル)は、このたび、生産性、外観性、寸法・品質安定性に優れるCF-RTMの成形設備を新設した。

 CF-RTMとはCarbon Fiber Resin Transfer Moldingの略で、金型の中に炭素繊維シートを配置した後に樹脂を注入し、加熱により硬化させる成形方法。帝人グループでは、環境負荷低減に向けた自動車メーカーからの要求特性に対応するため、軽量・高強度で生産性に優れるCF-RTMによる成形技術の開発に取り組んできたが、これまで蓄積してきた炭素繊維に関する知見や、2017年に買収した北米最大の自動車向け複合材料部品メーカーであるContinental Structural Plastics Holdings Corporation(CSP社)の技術などを融合することにより、このたびのCF-RTM成形設備の新設に至った。

 このたびイナパル・プラスティコ社に新設したCF-RTM成形設備は、帝人グループが有する炭素繊維、CAE解析、流体解析、プリフォーム(炭素繊維シートなどを金型/部品形状に合わせて予め賦形すること)、金型設計などに関する技術を駆使することにより、製造工程の完全自動化を実現した。この設備により、部品の要求性能に応じて厚みを調整することができ、かつ炭素繊維を50%以上含有する高強度な成形品の製造が可能となる。また、射出時間が20秒と短いため生産効率も向上し、さらに、このプロセスによる成形品は、従来のアルミ製部品を約30%軽量化できることから環境負荷低減にも貢献する。

 CF-RTMはこうした特長により、自動車業界で「クラスA」と称される美麗な外観を有する外板部品や、優れた剛性が求められるホワイトボディなど、主要構造部材の成形が可能であることが評価され、既に欧米の自動車メーカーでの採用が確定している。今後はリサイクルされた炭素繊維材料を使用し、3分間で量産に向けた成形を実現すべく開発を強化していく。

■ イナパル・プラスティコ社
事業内容:自動車向け複合材料/部品の設計・成形・加工
設備新設拠点:ポルトガル セトゥーバル県パルメラ
設備内容:圧縮プレス機、RTM射出成形機、接合装置
設備投資額:約6.8億円(約550万ユーロ)
設備稼働時期:2020年12月

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