「JEFORMA（ジェフォーマ）」として3タイプ、590～1180MPa級を設定 JFEスチール、自動車用の加工しやすいハイテン材をシリーズ化

• 2017/05/15

• 遠藤正賢

  

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鉄鋼メーカーのJFEスチールは4月24日、自動車部品用の高い加工性を持つ高強度鋼板（ハイテン）を『JEFORMA』（ジェフォーマ、JFE Excellent FORMAbility）としてシリーズ化した。

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鉄鋼メーカーのJFEスチールは4月24日、自動車部品用の高い加工性を持つ高強度鋼板（ハイテン）を『JEFORMA』（ジェフォーマ、JFE Excellent FORMAbility）としてシリーズ化した。

自動車に使用される鋼板は、燃費や車体の安全性を向上させるため、高強度化が求められている。従来は、DP型（注1）やマルテンサイト単相型（注2）の汎用ハイテンなどが、強度が求められる自動車部品に使用されていたが、鋼板を高強度化すると、一般的に伸びや伸びフランジ性（注3）などの加工性が下がり、適用可能な部品が制限される傾向にある。

JFEスチールは、適用する部品の形状や加工方法に応じた鋼板を提供するため、冷延鋼板および合金化溶融亜鉛めっき（GA）鋼板について、強度グレード・加工性の各タイプを開発。このほど下表の通りラインアップが揃ったため、「JEFORMA（ジェフォーマ）」としてシリーズ化した。

「JEFORMA（ジェフォーマ）」シリーズでは、従来の汎用鋼板よりも、伸びの高いType1（高El型）、伸びおよび伸びフランジ性が高いType2（高El－高λ型）、高El型よりさらに伸びが高いType3（超高El型・TRIP鋼（注4））の3タイプで、それぞれ590～1180MPa級までラインアップする。

これにより、袋形状のため素材となる鋼板に張出し成形性が必要となるため、従来の鋼板では成形できないBピラー下部も、「980GAType2（高El型）」ではきれいにプレス成形することができる。また、Bピラー上部のフランジ部は、厳しい伸びフランジ成形が求められるにも関わらず、「590GAType2（高El－高λ型）」では割れることなく加工することが可能となる。

「JEFORMA（ジェフォーマ）」シリーズでは、従来の汎用鋼板よりも、伸びの高いType1（高El型）、伸びおよび伸びフランジ性が高いType2（高El－高λ型）、高El型よりさらに伸びが高いType3（超高El型・TRIP鋼（注4））の3タイプで、それぞれ590～1180MPa級までラインアップする。

これにより、袋形状のため素材となる鋼板に張出し成形性が必要となるため、従来の鋼板では成形できないBピラー下部も、「980GAType2（高El型）」ではきれいにプレス成形することができる。また、Bピラー上部のフランジ部は、厳しい伸びフランジ成形が求められるにも関わらず、「590GAType2（高El－高λ型）」では割れることなく加工することが可能となる。

（注1）DP型
Dual Phase＝軟らかく加工性の良好なフェライトと、硬いマルテンサイトの二相複合組織鋼のこと。降伏比（降伏強度／引張強さ）が低く伸びが高い。

（注2）マルテンサイト単相型
炭素鋼を高温から焼き入れることで得られる、非常に硬い組織を持つ鋼。一般的に伸びは低い。

（注3）伸びフランジ性
プレス成形などにおいて、ブランクの最外周端が引っ張られて伸ばされる際の、鋼板の変形能のこと。穴広げ率(JIS Z 2256)により評価される。

（注4）TRIP鋼：
Transformation Induced Plasticity（変態誘起塑性）。残留オーステナイト組織を活用した、伸びが非常に高い鋼。