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フツーの人には関係なし。でも安全を考えたブレーキ強化が、逆に仇になる可能性もあり!? 車検はどうなる? 10/1から適用された改正保安基準対応の審査基準、「車両総重量制限」ってなに?

  • 2017/11/01
  • OPTION編集部
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架装により構造変更を行っている車両は適用外だ。

6月に改正され、この10月から適用された改正保安基準。「タイヤのハミ出し」に関する規定が若干、緩くなったのは既報の通りだが、ここへきて物議を醸しだしているのが「車両総重量制限問題」。保安基準に対応させるべく独立行政法人自動車技術総合機構(長いよ!)が新たに加えた審査基準、「架装等により車両重量が増加した乗用自動車等の審査(4章-20)」内に記された車両総重量に関する審査規定だ。

架装を行い、なおかつ制動装置に変更のない乗用自動車の車両総重量は車検証記載値の1.1倍以下に抑えること!って?

のっけからわけわからんちんな規定だが、要は、「クルマを買った後で純正ブレーキのままオーディオやベッドキット、大径ホイールなどを取り付けた場合、クルマの重さが車検証に書いてある車両総重量の1.1倍以上になると車検を通りませんよ」ということだ。これはもちろん、車重が極端に増えると純正ブレーキの制動性能を越えてしまう恐れがあるため、その危険性に歯止めをかけたいということ。逆に1.1倍程度であれば問題はないということでもある。

ちなみに「車両総重量」とは「車両重量」(ノーマル状態の車重+燃料や冷却水、オイル等、走るのに必要なもの)に乗車定員分の人の重さ(ひとりあたり55kgで換算)を加えたもの。例えば50プリウスの車両総重量は約1,650kg。その1.1倍ということはその差165kgまでは架装できるということだ。

しかし、通常、165kgもの架装というとイメージできるのは東京オートサロンなどのカーイベントで見かけるオーディオカスタム車や内装に家具やディスプレイを施した1BOX車やミニバンくらいのもの。ホイールを3インチアップしたとしても重量はさほど増えるものではないし、タービンやスーパーチャージャーを後付けしたチューニングカーでもこの重量に達するパーツを付けるということはまず考えられない(クルマの走行性能をアップさせるのに過剰に重くしてどうする?w)。いずれにしてもショーカーレベルの架装をしない限りこの規定に触れるということはまず、ないと言っていいだろう。

社外ブレーキ装着車は車検に通らない???

※写真と記事内容は関係ありません。
というわけで、平均的なカスタムフリークにはなんの問題もない規定なのだが、それでも物議を醸しだしているのはこの規定があくまでも純正ブレーキ車にのみ適用されるということ。となると、当然、「じゃ、市販のブレーキキット等で制動系を強化しているクルマはどうなるんだ?」という疑問が湧いてくるが、これに関しては一切、触れられていない。その辺のあいまいさが発端となり、今、あちこちで「ブレーキを改造しているクルマは車検に通らない」という根も葉もないうわさが飛び交っている始末だ。

この問題にはふたつのとらえ方がある。まず、「社外ブレーキ装着車は触れられていないのだから関係ない」。もうひとつは「社外品は今後は純正ブレーキと同等以上の性能があるということの証明が必要となる」。が、しかし、今のところはどちらでもないというのが、実は正解なのだ。

事実、独立行政法人自動車技術総合機構(長いってば!)の見解は、「純正ブレーキの制動性能と車両重量の相関関係に基準を設けただけ」であり、別に「社外品に対する規制を強化したわけではない」ということだ。つまり、前回、同じ仕様で車検に通ったのに、10/1以降は通らないということではない、ということ。とりあえず、社外ブレーキ装着車オーナーは安心していいだろう。

ただし、規定がそのまま厳格に運用されたとしたら、社外品装着車は1kgでも重量が増えると車検に通らなくなる可能性がないわけじゃないということはぜひ認識しておきたいところだ。

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