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名車再考 コスモ・スポーツ Chapter 1 実車確認 名車再考 マツダ・コスモ・スポーツ Chapter1 実車確認 日本を代表する名車をディテールまで撮り下ろし

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マツダ・コスモスポーツ(1967)シャシーNo.L10A-10110 コンパクトなロータリーエンジンの特徴を活かすべく、低く抑えられたボンネットが特徴的。スポーツカーにしてはリヤのオーバーハングが長いことがよくわかる。1968年7月に発売された後期型では、ホイールベースが2350mmとなった。

宇宙船を思わせるスタイル、そして量産車世界初搭載のロータリーエンジン。コスモスポーツは我々クルマ好きの心に、強烈な印象を残してくれた。それだけに、クルマの評価はいつも感情的なものになりがちだった。
我々は当時の「Road Test」のデータを改めて現代の目で検証することでこの歴史的名車の真実の姿を考察してみたい。

フロントフェンダーにはプレスラインに挟まれる形で9本のスリットが設けられ、視覚的なアクセントにもなっている。丸形のウインカーはおそらく流用品。後期型では長方形となる。
めっきバンパーの上部はそのままボンネットへとつながっており、スポーツカーらしいスマートなデザイン。エアインテークはバンパーの下に設けられる。後期型ではインテーク中央部が拡大され、ブレーキ冷却用ダクトが左右に開けられるなど、クーリング系の改良が施された。
室内の空気を排出するエアアウトレットには、流線型のカバーがビス止めされる。
ホイールはスチール製で、センター部分にのみキャップが装着される。標準タイヤはフロント、リヤともに6.45H-14のバイアス。ラジアルタイヤ(155HR15)が装着されるのは1968年7月発売の後期モデルからだ。
バンパーによって上下に分割されるテールランプは、コスモスポーツの外観で最も印象的な部分。バンパー下のランプにはリフレクターが独立する形で装着されている。後期型ではバンパーの隅にゴムのモールが装着される。
スポークに丸い軽め穴を開けられたウッドステアリング、黒一色のシンプルなメーターパネルなどは、英国製スポーツカーを思わせる。ステアリングは60mm幅でテレスコピック調整が可能。
レッドゾーンが7000rpmからというのは、さすがロータリーエンジンならでは。この個体は輸出仕様なので、スピードメーターがマイル表示となっている。前期モデルの輸出仕様は十数台という“お試し輸出”だったためか、右ハンドルのまま。
時計の左側にあるのはマップ・ランプで、左下のMAPスイッチで点灯する。右下のHORNスイッチは、ホーンの音色を切り替えるスイッチだ。
フロアトンネルにビニールを貼っただけのシンプルなセンターコンソールから生えるシフトノブ。ギヤは4速MTで、後期モデルでは0.841のオーバドライブを加えた5速MTとなった。
アクセルペダルはオルガン式。小振りなフットレストも装備される。
助手席にもフットレストが装備されるのが面白い。運転席側と線対称の位置となる右側に装着される。
センター部にギンガムチェックのファブリックを使用したオシャレなシート。ヘッドレストがないのが時代を感じさせる。
ドアハンドル、グリッ プ、ウインドウレギュレーターのみのシンプルなドア内張り。前端のキックプレートが唯一のアクセントだ。
初の量産ロータリーとなったL10Aは、491ccの2ローター。補機類も少ないためにエンジンのコンパクトさが際立つ。スペックは110ps/7000rpm、13.3kgm/3500rpmだ。後期型のL10Bではパワーアップが図られ、128ps/7000rpm、14.2kgm/5000rpm。MTの5速化もあり、最高速度は185km/hから200km/hにアップ。
当時の社名、東洋工業の名前とHIROSHIMA JAPANの文字。この撮影車であるNo.10110は、前期型としては非常に数少ない輸出仕様車だ。
エンジンナンバープレートには「LICENSE NSU-WANKEL」の文字が刻まれる。
リヤウインドウは大きく湾曲した独特の形状。後のRX-7やRX-8もこの湾曲リヤウインドウのスタイルを継承している。
なだらかに傾斜したフロントノーズにヘッドライトを埋め込んで、空気の乱れを抑えるカバーを付けるのは当時のスポーツカーの定番的手法。曇り防止用のスリットが開けられているが、ここからゴミが入ることも多かったらしい。
懐かしのmエンブレムは、ロータリーの形を模したおむすび形。
フロントノーズの110Sは、コスモスポーツの輸出名。日本仕様ではここにCosmoのエンブレムが装着される。
給油口はリヤウインドウ下の中央。かなり入れづらそうだが、デザイナーが他の場所にリッドを設けることを嫌ったのだろうか。
外観から想像する通り、あまり広くはないラゲッジルーム。バッテリーはトランク内に設置される。後期型ではリヤオーバーハングが短くなったため、リヤタイヤ前に移設された。
サスペンションまわりも完璧にレストアされている。形式はフロントがダブルウイッシュボーン、リヤがド・ディオン式。
マツダ本社に残されていた当時の図面。これを基にしてレストア作業を行ったのだという。仕上がりのクオリティはまさに新車同様だ。

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