ALPINE A110 × PORSCHE 718 Cayman 独仏ミッドシップスポーツカーの対決! アルピーヌA110×ポルシェ718ケイマンどちらが買い?
- 2018/12/04
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MotorFan編集部
砲丸のような冷たさを感じるケイマン

A110をドライブした後、同じワインディングで718ケイマンをドライブする。硬質なデルリン樹脂から削り出したようなA110の滑らかさに触れた後では、718ケイマンの質感は若干重く、砲金のような冷たさを感じさせる。よく言われるドイツ的な質の高さ、凝縮感と言い換えてもいいだろう。
この感触の違いは良し悪しの問題ではなく、2〜3年ほどタイミングが異なる開発時期の違いでもないだろう。これは60年代のA110とナロー911に試乗してもまったく同じように伝わってくるアルピーヌとポルシェ、フランスとドイツのスポーツカー造りの違いなのである。

徹底的に硬いボディを造り、パンチの効いたエンジンを低く搭載し、完全に前輪をつぶし切ることができるブレーキシステムを奢る。こうして完成されたポルシェは、各部分のキャラクターが際立つ。
718ケイマンのシートポジションを1ノッチだけ前にしてペースを上げていく。すると加減速による縦方向とコーナリングによる横方向の動きを分けて考えるようになり、ドライビングにメリハリが生まれる。その走りはサーキット的で、またミッドシップでありながら若干リヤエンジン寄りでもある。言わずもがな、718ケイマンの背後には911の影が透けて見えるのである。
一方A110はポルシェとは対照的に各々のコンポーネントが主張しない。いかなる状態でもクルマに一体感が漲っているので、少しリヤが孕んでノーズが切れ込んでも想定内としてコントロールできる。

しばらくワインディングを駆けまわった後、脳裏に浮かんだA110の性能領域は、縦横に偏っていた718ケイマンのそれとは違い斜め方向にも広がっており、つまり全方位的に苦手領域がない。これはラリー的なキャラクターといえる。
ライバルに対し200㎏以上も軽いという事実は無視できないが、重量を1110㎏に抑えるだけで、これほど魅力的なドライバビリティが宿るとも到底思えない。新型A110は天衣無縫な1台なのである。

718ケイマンは6気筒から4気筒への変更に際し、リヤアクスルの位置を変更せず、ドライバーとエンジンの間に隙間が空いている。つまり酷く純粋なアルピーヌと比べた場合には後から辻褄を合わせた感がある。ポルシェがアルピーヌに挑むのであれば、ひと回り小さな専用シャシーを用意しなければならない。
アルピーヌA110のデビューに触発され、ガソリンスポーツカーの最終戦争(?)がはじまる。復活となったフレンチブルーのインパクトは、それくらい大きいのである。
※本記事は『GENROQ』2018年12月号の記事を再編集・再構成したものです。
アルピーヌA110 ピュア
■ボディスペック
全長(㎜):4205
全幅(㎜):1800
全高(㎜):1250
ホイールベース(㎜):2420
車両重量(㎏):1110
■パワートレイン
エンジンタイプ:直列4気筒DOHCターボ
総排気量(㏄):1798
最高出力:185kW(252㎰)/6000rpm
最大トルク:320Nm(32.6㎏m)/2000rpm
■トランスミッション
タイプ:7速DCT
■シャシー
駆動方式:RWD
サスペンション フロント:ダブルウイッシュボーン
サスペンション リヤ:ダブルウイッシュボーン
■ブレーキ
フロント&リヤ:ベンチレーテッドディスク
■タイヤ&ホイール
フロント:205/40R18
リヤ:235/40R18
■環境性能
燃料消費率:14.1㎞/ℓ(JC08モード)
■車両本体価格(万円):790~811
ポルシェ718ケイマン
■ボディスペック
全長(㎜):4385
全幅(㎜):1800
全高(㎜):1295
ホイールベース(㎜):2475
車両重量(㎏):1440
■パワートレイン
エンジンタイプ:水平対向直列4気筒DOHCターボ
総排気量(㏄):1988
最高出力:220kW(300㎰)/6500rpm
最大トルク:380Nm(38.7㎏m)/1950~4500rpm
■トランスミッション
タイプ:7速DCT
■シャシー
駆動方式:RWD
サスペンション フロント:マクファーソンストラット
サスペンション リヤ:マクファーソンストラット
■ブレーキ
フロント&リヤ:ベンチレーテッドディスク
■タイヤ&ホイール
フロント:235/45ZR18
リヤ:265/45ZR18
■環境性能
燃料消費率:6.9ℓ/100㎞(EU複合モード)
■車両本体価格(万円):720.2
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