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ついに初試乗! 新型マツダ3は有言実行の仕上がりだった【Mazda3 海外試乗記/インプレッション】

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クルマの動きと人間の感覚にズレがない

 シャシー系は走り始めから「動的質感が高いぞ」という印象だ。ボディのシッカリ感は日本車離れしており、カッチリしている上にピリピリとした振動も少ない。

 ハンドリングは操作に対するクルマの動きと人間の感覚にズレがないこと、滑らかな挙動、そして違和感がない走りを高いレベルで実現しているのを実感。マツダが常日頃語っている「誰もがいつでもどこでも、安心して運転に集中できる心地よい走り」を体現。動的なクオリティに関してはプレミアムカテゴリーに足を踏み入れている。

 街中やフリーウェイを走っていた時は、欲を言えばもう直進安定性はもうすこしビシッとしてほしい点もあったが、「意外と重量級かな!?」と思うような落ち着きとシットリした足の動きや動的質感の高さを感じる一方、ワインディングでは飛ばしている時はもちろんゆっくり走っている時も一体感のある動きに思わず「ニヤッ」としてしまうような楽しさも備わる。ちなみにトーションビーム特有の舵角に対する切れ込み感は若干あるものの、その動きも予知できるレベルなのでほとんど気にならなかった。

 走りの味付けはスポーティではあるものの、アドレナリンが湧き出るような熱血系ではなく手に汗握ることなくサラッとこなすクール系である。安定感も非常に高いが欧州プレミアムのようなドシッとした感じではなくヒラヒラと軽快な感じは、FFのロードスターと言ってもいいかもしれない!?

 ちなみにボディ形状の問題かタイヤの差(どちらもTOYOプロクセスだが、セダンはオールシーズンタイヤの「A40」、ハッチバックはサマータイヤの「R51A」を履いていた)なのかは今回の試乗では判断できなかったが、セダンよりもハッチバックのほうが走りの全体的なバランスはよかったように感じた。

 また、NVHも現行モデルとは雲泥の差で、いわゆる無音のような静けさとはちょっと違うものの「ノイズは消すがノートは残す」といったイメージで常用域と高速域での会話明瞭度の差はほとんど変わらず。ちなみにオーディオもこだわりの逸品で、低域スピーカーはカウルサイドに配置、中高音域は反射音の影響を受けにくい&人に自然に音が聞こえるように左右セールガーニッシュとドア上部に配置することで音の広がりや立体感、明瞭度を感じる音場に仕上がっている。スタンダードシステムでも従来のBOSE以上のクオリティで、BOSE仕様は欧州プレミアムの高級オーディオシステムも遥かに超えるサウンドを奏でる。

躍動感に溢れるハッチバックに対し、落ち着いた佇まいを見せるセダンのエクステリア。

 大きくレベルアップしたシャシー周りに対して、パワートレインはよく言えば「必要十分」だが、2.5Lは数値(186HP/186lb-ft)ほどの力強さがない上に、ビジーにシフトダウンしてしまう制御の6速ATとのマッチングもイマイチ。また、2.0L M Hybrid(122ps/213Nm)も2.2 Lくらいのトルク感と6速MTを駆使して走らせると伸びの良さや気持ち良さも感じられるが、ダウンサイジングターボやハイブリッドのライバルと戦うためにはもう少し力が欲しい。

 ちなみにシャシー関係は人間中心の思想に仕上がっているが、今回乗ったガソリンエンジンに関してはやや物足りなさを感じてしまったのも事実だ。個人的には「内燃機関を極める!!」と言うなら、それを体現するような“プラスα”があって欲しい。そういう意味では新型マツダ3の本命はディーゼルの1.8LターボやスカイアクティブXなのだろう。

 ちなみに日本仕様のラインナップは現行モデルと大きくは変わらないとのことだが、そこから推測すると、ガソリンは1.5/2.0L、ディーゼルは1.8Lターボ、そしてスカイアクティブXと言う布陣になりそうである。

 では結論だ。これまでのマツダ車は目指すべき思想に対してハードにギャップがあったが、新型マツダ3はまさに「有言実行」と言った仕上がりである。コイツなら欧州Cセグメントのプレミアム系モデルともガチで勝負できる一台と言えそうだ。

助手席側のエアコンルーバーは、センターのエアコンパネルと水平のラインで結ばれている。シンプルながらとても美しい。
オプション、もしくは上位グレードに用意されると思われるBOSEサウンドシステム。室内空間に合わせて専用のチューニングが施されている。
セダンのフロントシート。
セダンのリヤシート。

マツダ3 ハッチバック SKYACTIV-G 2.0(マイルドハイブリッド)
全長×全幅×全高:4460×1795×1435mm ホイールベース:2725mm フロントトレッド:1570mm リヤトレッド:1580mm エンジン形式:直列4気筒DOHC 総排気量:1998cc 圧縮比:13.0 最高出力:90kW(122ps)/6000rpm 最大トルク:213Nm/4000rpm トランスミッション:6速MT ガソリンタンク容量:51L フロントサスペンション形式:マクファーソンストラット リヤサスペンション形式:トーションビーム タイヤサイズ:215/45R18 ホイールサイズ:18×7.0J フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リヤブレーキ:ディスク

マツダ3 セダン SKYACTIV-G 2.5
全長×全幅×全高:4662×1797×1445mm ホイールベース:2725mm フロントトレッド:1570mm リヤトレッド:1580mm エンジン形式:直列4気筒DOHC 総排気量:2448cc 圧縮比:13.0 最高出力:139kW(186ps)/6000rpm 最大トルク:252Nm/4000rpm トランスミッション:6速AT ガソリンタンク容量:50L フロントサスペンション形式:マクファーソンストラット リヤサスペンション形式:トーションビーム タイヤサイズ:215/45R18 ホイールサイズ:18×7.0J フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リヤブレーキ:ディスク

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

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