群馬のキャロッセショールームにひっそりと展示中! 幻のスバル製F1エンジン、その現物がタダで見られる!3.5ℓ水平対向12気筒
- 2019/02/20
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ニューモデル速報 森田 準
バブル華やかなりし1990年に、いろんな意味で話題を呼んだスバルのF1参戦。
あまりにも短命だったため「幻」とも表現されるそのスバルF1の水平対向12気筒エンジンの実物が拝める、隠れスポットをご紹介。
スバルファンやコアなF1ファンなら記憶にある方も多いかもしれませんが、1990年にF1に参戦したスバルの水平対向12気筒エンジンの現物(と思しきもの)がスバルのお膝元、群馬県で見られます。
イタリアのエンジニアリング会社モトーリモデルニと共同開発された3.5ℓNA水平対向12気筒エンジン。
これには、その当時らしいノリと勢いで紡がれた、紆余曲折の物語があるそう。
ご存知のない方に、このスバルF1の情報を少々。
バブルが生んだスバルF1プロジェクト
そもそもはバブル景気真っ盛りの1986年にスバルの高岡氏、レーシングコンストラクター童夢の林氏、そしてランジェリーでお馴染みのワコールの塚本氏の3人が銀座のクラブ(注:語尾を上げない方)で酒を酌み交わしながら始まったという。
(ここにワコールが絡んでいるのがバブルっぽい!)
その話というのがF1のエンジンではなく市販スーパーカー、後のジオット キャスピタをつくろうというもの。
(このジオットキャスピタも紆余曲折の末、発売には至らなかった。)
そのスーパーカー用エンジンとして始まったスバル製エンジンが、あれやこれやでF1のエンジンとして前述のモトーリモデルニのカルロ・キティ博士とスバルの共同で開発され、当時の新興チームコローニのマシンに積まれ1990年にF1参戦を開始した。
が、そんなキッカケだからというわけではないでしょうが、戦績を紐解いても、ずっと予備予選落ち。
本戦はおろか予選すら走れぬままシーズン途中にチームはエンジンをフォードのV8にスイッチ。
その年限りでスバルはF1から撤退というのが、このエンジンのバックグラウンド。
そんな調子なので、あるいはスバル的には黒歴史かもしれません。
まあその後90年代後半にはWRCで栄華を誇ったのでセーフですが……。
で、ようやく本題ですが、その幻のスバルF1エンジン(と思しきもの)がしれっと展示されている場所があります。
その場所というのは群馬県にある自動車のチューニングパーツメーカー、キャロッセの本社ショールーム。(群馬県高崎市神保町1664-1 TEL:027-352-3578)
モータースポーツファンにはラリーやレース活動の方が有名かもしれませんね?
その関越自動車道高崎ICにほど近いショールームに、写真のように特に何の説明もなくひっそりと展示されています。
ただ、レース誌などで見かけるスバルのF1エンジンはSUBARUのロゴと六連星マークが入っていますが、このエンジンはMotori Moderniのロゴだけ。
これをキャロッセの方に訊いたのですが、曰く「ブロックが一部溶けてるし、テスト用の試作エンジンじゃないかなあ? でもはっきりはわからない」ということ。
それもそのはずで、このエンジンはキャロッセの創業者である故加勢裕二さんが、どこかからもらってきたようなのですが、今や社員でも詳しく知る人はいないそうです。
インプレッサで全日本GT選手権300クラスに参戦していた事もあるほどなので、会社の所在地も含めスバルとは浅からぬ関係のキャロッセですから、これもいろんなご縁でここにたどり着いたのでしょうが……。
そのエンジンなんですが、まあ、デカいんです、実際。
素人が偉そうに言って恐縮ですが「これじゃあ勝てないよね」とも思います。
一部ではダブルベッドなんて揶揄されていたそうですが、実際に実物を目の前にすると日本人である筆者的には「タタミ半畳くらい?」と言った感想が口をついて出ます。
(後述のレーシングオン誌によるとホンダのエンジニアも畳のようだと言ったとか)
と、いろんな逸話を残した幻のエンジンがタダで見られるので、ご興味をお持ちの方は是非どうぞ。
小さなショールームで、綺麗なお姉さんがいらっしゃいませ(^ ^) としてくれるわけでもありませんが、前述のインプレッサのGTマシンも置いてあったりするので、近県の方や高崎方面にお出かけの際には、ちょっとお邪魔して実物の大きさに驚いていただきたい。
そして最後にちょっと宣伝にもなってしまいますが……。
このエンジンの詳細が弊社発行のレーシングオンNo.437(2009年3月)の特集記事「幻のF1エンジン 遥かなるスターティンググリッド」に、その生い立ちから紹介されていて、現在でも電子書籍として購読可能です。
興味のある方は是非ご覧ください。
(表紙画像をクリックすると紹介ページでサンプルページが見られます)
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