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Sタイヤで富士スピードウェイでのスポーツ走行を楽しむ仕様とは パーツの少なさを乗り越えてサーキットスペックへ進化するプジョーRCZ<Auto Pro×PEUGEOT RCZ>

  • 2019/05/27
  • レブスピード編集部
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サーキット対応ストリート快走チューン実例集 「COOL SPEC」 Car Owner:和田敏彦さん

サーキットにおけるタフでコントローラブルな性能と、ストリートの普段乗りでも味わえる楽しさを両立。さらに、さり気ないかっこよさを併せ持つチューニングカーの仕様を、レブスピードは「COOL SPEC」と提唱している。ここでは、プジョー・チューニングの老舗である「オートプロ」が、カスタマーとともに仕上げた好事例のRCZを紹介する。

●Photos/佐藤正巳
●Text/木内一行(リノクリエイティブ)

 以前はチューニングしたアルテッツァに乗って元気に走っていたが、プジョーのワゴンに乗り換えて以来落ち着いたというオーナーの和田さん。しかしRCZがデビューするとそのスタイリングにひと目ぼれし、ドレスアップを楽しむべく購入したという。

 ところが、デジタルスピードをインストールして気持ちのよいエンジンフィールを手に入れたことで、以前のチューニング熱が再発。自宅のある山梨からは決して近くないが、数少ないプジョー専門店ということで東京のオートプロに愛車を託した。

 こうして愛車のチューニングをスタートさせた和田さんだが、当初はサーキットを走る予定はなかった。ところがオートプロで走行会に誘われ、富士スピードウェイでスポーツ走行を満喫。それ以来目覚め、いまでは年4〜5回のサーキットを楽しんでいる。

1.6 ℓターボで200ps というノーマルのスペックは決して悪くはない。しかし国際サーキットを走るとなると、やはり力不足を感じる。そこでメインパイプを60Φとしたワンオフマフラーと平方インチあたり120 セルのメタル触媒、英フォージ社製の前置きインタークーラー、タービンのハイフロー加工などを施し、247psまでアップさせている。駆動系にはPGスポーツのL.S.D.をチョイスするが、パワーが高くないので、イニシャルは抑え気味に組んでいるのがポイント。
 RCZのエンジンは1.6Lの直4ターボ。カタログスペックは200psだが、富士スピードウェイで楽しむとなると少々物足りない。そこで、タービンにハイフロー加工を施し、大型インタークーラーを装着。レブテックのマッピングを書き換えることで、実測247psまで向上したのである。

車高調は選択肢が少ない中で、ビルシュタインのB14 をチョイス。以前は標準の樽型スプリング(FRとも8 ㎏ / ㎜)だったが、スポーツ走行に対応するためF12 ㎏ / ㎜、R10 ㎏ / ㎜の直巻に変更。ただしダンパーの減衰力はツルシなので、これは今後の課題だそうだ。また、アッパーマウントとフロントロアアームのピロ化により、ダイレクト感とともに回頭性も高まった

 足まわりはビルシュタインのB14を装着。標準では樽型スプリングだが、直巻きを使用できるようアダプターを製作。これにより、スプリングの選択肢が大幅に広がった。また、RCZは国産車と違ってアライメント調整がほぼ不可能。それでいてノーマルのゴムブッシュはたわみが大きいため、アッパーマウントとフロントのロアアームをピロ化。これによりアライメント変化が抑えられ、ダイレクト感も増した。ちなみに、純正タイヤは19インチだがSタイヤだと選択肢が限られてしまうため、18インチにサイズダウンしている。

ブレーキはノーマルでも余裕があるが、エンドレスのローターとMX72PLUS でアップデート

 オートプロの松島茂代表は「とにかくパーツが少ないことがネックですね」と話す。とはいえ、専門店ならではのノウハウが的確に注入されているため、戦闘力は確実に高まっている。

 なお和田さんは、ホームコースの富士スピードウェイで2分10秒切りを目指す。今後はブレーキをアップデートしたいそうだが、オートプロの強力なサポートを受ければ目標タイムをクリアする日もそう遠くはないだろう。


必要最低限+αの変更点でシンプルなコックピットに

 スポーツ走行を楽しむための装備としては、レカロのRS-G とサベルトのフルハーネス、MOMO のステアリングが目立つ。また、視認性を考慮してダッシュボード上にはブリッツのブーストメーターとウルトラのシフトインジケーターを配置し、デジスパイスのデータはアプリを使ってスマホで表示させている。なお、リアシートは軽量化(オーナー曰く見た目のレーシーさ!?)のため撤去。変更箇所はそれほど多くないが、ポイントを突いたモディファイが施されている。

ワンオフのGT ウイングでダウンフォースを手に入れる

 和田さんはデザインが気に入ってRCZ を選んだため、純正のスタイルを大きく崩すことなくモディファイ。本体までワンオフのGT ウイングは効果大で、「富士のストレートで最高速が10 ㎞ /h ほど落ちた」とオーナー。そのほか、純正パーツを型取って製作したワンオフのカーボンパーツを各部にあしらっている。タイヤはアドバンA050 のMコンパウンドで、サイズは245/40R18。標準タイヤは235/40R19だがA050は18インチしかないためインチダウンした。


THE SPECIFICATION

■ワンオフマフラー ■メタル触媒 ■ CDA エアクリーナー ■フォージ インタークーラー ■純正タービンハイフロー加工 ■ PG スポーツ L.S.D(. 1.5way) ■ビルシュタイン B1(4 F:12㎏/㎜ R:10㎏/㎜)■ピロアッパーマウント ■フロントロアアームピロ化 ■エンドレスMX72PLUS(F/R) ■エンドレス ブレーキローター ベーシック(F/R)■横浜ゴム アドバンA050(F/R:245/40R18) ■ワーク エモーションT7R(F/R:18 × 8.5J 30) ■レカロ RS-G ■サベルト 4 点式フルハーネス ■ MOMO MOD.30B ■ブリッツ ブーストメーター ■ウルトラシフトインジケーター ■ワンオフGT ウイング

■オートプロ 東京都足立区東和3-4-4 TEL03-3620-5547 http://www.auto-pro.co.jp

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