Motor-Fan[モーターファン]|自動車最新ニュース・速報、試乗記など、クルマとカーライフを楽しむサイト

  • モーターファンテック
  • モーターファンバイクス[Bikes]
  1. TOP
  2. ニューモデル速報
  3. インプレッション

SUVを認めたくないアナタへ───二輪の世界ではもはや正統派ですよ〈ホンダNC750X & ヤマハMT-09トレーサー:二台のアドベンチャーに試乗〉

このエントリーをはてなブックマークに追加

トレーサーは走りも過激! 二輪版カイエン?

 さて次はMT-09トレーサーである。世界的ヒット作となったストリートファイター、MT-09をベースにアドベンチャーに仕立て上げられたモデルで、並列3気筒850ccユニットが絞り出す最高出力は116psと、実にNC750Xの倍以上! 倒立フォーク、ラジアルマウントのブレーキキャリパー、フロントブレーキはダブルディスクと、どこを取っても本気の内容だ。

 いい意味で頑張りすぎず、二輪の新しい価値を提案しているNC750Xに対し、こちらはバッキバキに鍛え上げられた筋金入りのスポーツモデルである。

 実車を目の当たりにすると、その違いは一層明らかになる。鋭くツリ上がった二眼式のヘッドランプ、張り出したシュラウド、幅広のハンドル、大きく盛り上がってエッジの効いたデザインのタンクなど、見るからにNC750Xよりも挑戦的でゴツい。

 走り出せば、もう笑ってしまうしかなかった。最初こそ慎重に開けていったが、慣れてきたところでグイッとアクセルを大きく捻ってみると、最高出力発生回転数の1万rpmまではそれこそ一気呵成!

 とくに走行モードを最もスポーティなAモードにすると、ちょっとアクセルを捻っただけで3気筒ユニットはギャンッと吠え、ビックリしてアクセルを戻すとグワッと回転が落ちる。筆者の技量ではギクシャクして走れたもんじゃない。

 真ん中のSTDモードでも十分にスポーティで、普段は最もおとなしいBモードにしておくのが無難ではないか。実際、カメラマンからのさまざまな指示に従う必要のある撮影時は、常にBモードで走っていた。

 MT-09のデビュー当初は動きすぎると言われていたフロントフォークだが、トレーサーではかなり落ち着きを増した設定とされ、ソリッドな効き味のブレーキも相まって、安心してコーナーに飛び込める。そして至宝の3気筒ユニットに鞭を入れれば(あくまで穏やかに、ね)、車体は面白いようにグイグイと向きを変えていく。まさにハンドリングのヤマハここにあり、である。

 もはやMT-09トレーサーはアドベンチャーではない。格好こそアドベンチャーだし、荷物もたくさん詰めるけれど、中身はほぼストリートファイターである。

 ……と、今回はせっかくのアドベンチャーモデルにもかかわらず、バカのひとつ覚えで箱根に持ち込んだため、「野を越え山を越え、地の果てまで突っ走る」といったアドベンチャーならではの魅力を引き出す試乗にはならなかったが、だからこそアドベンチャーのSUVに通じる部分を身を以て感じることができたと思う。つまり、峠を楽しんでもオンロード用スポーツモデルにけっして引けを取らないどころか、場面によっては凌駕するほどの面白さがあるということ。

 最後に余談だが、SUVを愛車にしている自動車ジャーナリストはまだまだ本当に少ないが、アドベンチャーを愛車にしている二輪ジャーナリストはかなり多いらしいということをお伝えしておこう。

ホンダNC750X

常用域での扱いやすさと優れた燃費性能、そしてリーズナブルなプライスの実現に重点を置いた「ニュー・ミッド・コンセプト」を掲げて開発されたNCシリーズ。現行モデルとしてはネイキッドの「NC750S」と、アドベンチャーの「NC750X」をラインアップする。MTのほか、DCTも選択可能だ。燃費に優れたアクセルワークをするとタコメーターがホワイトからブルー、そしてグリーンに変化するなど、四輪車のように凝ったつくりの液晶デジタルメーターを採用。通常であれば燃料タンクがある場所は22ℓのラゲッジスペースとなっていて、フルフェイスのヘルメットが収容可能だ。

■ホンダNC750X ABS
全長×全幅×全高:2230×845×1350mm ホイールベース:1535mm シート高:830mm 車両重量:220kg エンジン形式:直列2気筒SOHC 総排気量:745cc ボア×ストローク:77.0×80.0mm 圧縮比:10.7 最高出力:40kW(54ps)/6250rpm 最大トルク:68Nm/4750rpm トランスミッション:6速MT タイヤサイズ:Ⓕ120/70ZR17 Ⓡ160/60ZR17 車両価格:79万3800円

ヤマハMT-09 TRACER

世界的に人気を博しているストリートファイター「MT-09」をベースに、アップライトな乗車姿勢やウインドスクリーン、パニアケースの装着を考慮したシートフレームなど、ツーリングに適したボディワークを与えられたアドベンチャーモデル。メーターパネルはデジタル液晶で、上級ツアラーのFJR1300やXT1200Zスーパーテネレと共通のサブモニターが備えられ、瞬間/平均燃費や走行可能距離や外気温など、さまざまな情報を表示できる。倒立フォークやフロントのラジアルマウント式ブレーキキャリパー&ダブルディスクなど、走りに直結する部位はかなりスーパースポーツ寄りだ。

■ヤマハMT- 09トレーサー
全長×全幅×全高:2160×950×1345mm ホイールベース:1440mm シート高:845-860mm 車両重量:210kg エンジン形式:直列3気筒DOHC 総排気量:845cc ボア×ストローク:78.0×59.0mm 圧縮比:11.5 最高出力:85kW(116ps)/10000rpm 最大トルク:87Nm/8500rpm トランスミッション:6速MT タイヤサイズ:Ⓕ120/70ZR17Ⓡ180/55ZR17 車両価格:106万9200円

Motor Fan モーターファン モーターファン Vol.7

クロスオーバーSUVは、スタンダードになり得るのか?

スバルXV/アウディQ2/三菱エクリプス クロス/プジョー3008
トヨタC-HR/ホンダ・ヴェゼル/日産ジューク/ジープ・レネゲード
MINIクロスオーバー/DS4クロスバック/プジョー2008/マツダCX-3

復活第三弾
モーターファン・ロードテスト
レクサスLC/マツダCX-5

〈再録〉MFロードテスト トヨタ・セリカ1600GT(1971年3月号)

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。 一覧へ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ 一覧へ