シボレー・カマロ “ショックエディション”試乗記 一度見たら忘れない! シボレー・カマロ “ショックエディション”の魅力が際立つ夜に走ってみた
- 2019/08/18
- GENROQ編集部

その走りに定評があるカマロに衝撃の限定モデルが登場した。目が覚めるようなネオンカラーをまとったアゲアゲなカマロだ。わずか限定35台なので、欲しい人は早めに動いたほうがいいだろう。
REPORT◉吉田拓生(YOSHIDA Takuo)
PHOTO◉中島仁菜(NAKAJIMA Nina)
※本記事は『GENROQ』2019年8月号の記事を再編集・再構成したものです。

偏見や思い込みをなくして周囲を見渡せば、見識は自然と広がりを見せる。最初に確認しておくべきことは、現行のシボレー・カマロは、一昔前のアメ車の緩い流れを断ち切るような優秀なモデルであるという事実だろう。もはやカマロはフォード・マスタングとの安物競争に躍起になっていた、財布の軽い若者のためのクーペではないのである。
とはいえ微かに発光しているようにすら思える「ショック」と命名されたネオンカラーを纏った派手なシボレー・カマロに偏見なく立ち向かうのは少々難しいことかもしれない。
その昔、アメリカ車はアメリカという国そのものだった。大柄でガソリンをガブ呑みし、排気量の割には最高出力も大したことがなかった。後輪を空転させながらスタートして後続車を煙に巻くような芸当は得意だが、コーナーが迫ってくれば誰よりも早くブレーキペダルを踏みはじめる必要があった。ステアリングは空を切るように軽く、アメリカン・ダイナーのソファーのようなシートにホールド性などまったく期待できなかった。ドライバーにフィーリングを伝え、コーナーを速く走るという概念すら存在しなかったのである。
少々厚みのあるボディとチョップトップされたように低いルーフを組み合わせたのシボレー・カマロには、アメリカの有名なビルダーがカスタムしたような精悍なボディが与えられているが、走りも見た目に引けを取っていない。ハンドリングはFRスポーツカーのお手本のように引き締まったものだし、適度に締め上げられたシャシーとアシのマッチングも乗り心地を犠牲にしていない絶妙なものだ。例え4気筒ターボを搭載するベーシックグレードのLT RSでも、ほとんど滑りを感じさせない8速ATの的確なギヤさばきによりターボラグをなかったことにしてキビキビと走ってくれる。


古くからのアメリカ車を知る人の中には、現行のカマロを「優等生すぎる」と断じるファナティックがいても不思議ではない。ハーレーダビッドソンのようなワイルドな雰囲気、アメリカそのものの空気感を求める人にとっては、お利口でケチのつけ所がない現行カマロは少々物足りないかもしれない。だがコインパに停めているだけで人だかりができてしまいそうなシボレー・カマロ・ショックエディションは、そんな気骨のあるアメ車乗りにこそお勧めしたい限定モデルなのである。
4気筒ターボのLT RSは20台、V8のSSは15台の限定となるこの特別なカマロの最大の特徴は「ショック」と名付けられたネオンカラーにある。インテリアは派手な外装とは対照的に、光を吸収してしまいそうなブラックで統一されており、鮮やかなコントラストが潔い。今回は4気筒ターボを搭載するLT RSのショックエディションでヨコハマの街を流してみた。
LT RSの排気音はアメリカン・スポーツとしてはかなり控えめな部類に入るが、それでも交差点で信号待ちしていると、通りかかる人の視線が一斉にこちらに集まるのがわかる。「平日にこんな派手なアメ車に乗っているのはどんなヤツなんだ?」といった感じ。けれど現行カマロは低いルーフのおかげでグラスエリアが上下に薄く、また漆黒の闇のようなインテリアも手伝ってプライバシーの保護も完璧に思えた。
ショックエディションの上位グレードであるSSにはレカロシートが標準で装着されるが、カタログ写真で見る限りLT RSのものと見た目はそれほど違わない。そもそもカマロにレカロが必要か? という疑問もなくはない。SSの魅力はやはりスロットルをひと踏みするだけで天井知らずの加速を見せるV8+10速ATの組み合わせに違いないが、実はそれに対するメリットをLT RSは持ち合わせている。リヤが一気に275サイズまで拡幅してしまうSSと違い、前後とも245サイズのLT RSはハンドリングがすこぶるピュアなのである。
これ以上ないほどアピールの強い見た目と、驚くほど賢い造り込み。おおよそカマロ・ショックエディションに弱点を見つけることはできない。けれどその秀逸なドライバビリティに気を良くして夜の首都高をトバして走るのだけはやめたほうがいい。なぜって、「また来てるのか、今日こそ捕まえてやる!」というオチになってしまいそうだからである。


シボレー・カマロLT RS ショックエディション
■ボディサイズ:全長4785×全幅1900×全高1345㎜ ホイールベース:2810㎜
■車両重量:1560㎏
■エンジン:直列4気筒DOHCターボ 総排気量:1998㏄ 最高出力:202kW(275㎰)/5500rpm 最大トルク:400Nm(40.8㎏m)/3000~4000rpm
■トランスミッション:8速AT
■駆動方式:RWD
■サスペンション形式:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡマルチリンク
■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク
■タイヤサイズ:Ⓕ&ⓇP245/40R20
■車両本体価格:529万2000円
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