アメリカでレンタカーを借りてみた件【前編】<ライターHideoのアメリカ取材珍道中:連載第5回>
- 2019/07/13
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MotorFan編集部
前回はアメリカのフリーウェイに設けられているカー・プール・レーンについて紹介しましたが、今回はアメリカでよく利用するレンタカーについて書きたいと思います。特に西海岸での取材が多い僕とカメラマンが頻繁に使うのが、Hertz(ハーツ)のロサンゼルス国際空港店。実際に5月末から1週間ほど、そこでレンタカーを借りたケースを例に、予約から返却までの一連の流れをご紹介します。ちょっと長いので2回に分けてお送りしますが、1回目は【予約・見積もり編】です!
TEXT&PHOTO●小林秀雄(KOBAYASHI Hideo)
給油しないで返却できるFPOが便利!
ジョージ・クルーニー主演の映画「マイレージ、マイライフ」で、ジョージ・クルーニーがホテルのバーで偶然出会った女性に声を掛けるシーンがあります。女性が手に持っていたレンタカーのキーを目ざとく確認して、「マエストロ・レンタカー? 僕はハーツ派だ(笑)」と巧みに会話のきっかけを作ります。かっこいいですね。その後ふたりがどうなったかは映画を観ていただくとして、確かにハーツは便利です。
僕は決してハーツの回し者というわけではないのですが、日本ではトヨタと提携しているアメリカ最大手のレンタカー会社だけあって、ハーツには以下のような特徴が挙げられます。
・支店数が多い
・車種が多い
・ハーツGoldプラス・リワーズという無料の会員制度がある
・航空会社と提携した割引サービスがある
・乗り捨て精算ができる
もちろんハーツ以外にも、Avis(エイビス)やBudget(バジェット)、dollar(ダラー)、Alamo(アラモ)といったレンタカー会社も日本語の予約サイトを持っていますし、個々にお得なサービスやキャンペーンを展開しています。アメリカに限らず、もし海外でレンタカーを利用する場合は、検索サイトなどで見積もりを比べて、自分に合ったレンタカー会社を探してみてください。うまくいけば、「シクストレンタカー? 私はナショナル派(笑)」と、バーで意中の相手に声を掛けるきっかけになるかもしれませんしね。
僕たちも航空会社のサイトを経由してレンタカーを検索したりと、さまざまな形で見積もりをチェックし、できるだけ安い料金で予約するよう心がけています。レンタカーの料金は時期や車種によって変わるのはもちろんですが、不思議なことに検索するタイミングやルートによって変わることもあるので気が抜けません。ちなみに5月取材分の内訳は以下の通りでした。
2019年式シボレー・トラバース
日程:5月31日〜6月6日
レンタル基本料金 1週間 $96.80
ディスカウントクーポン10% $-9.68
航空会社マイル加算手数料(Frequent Flyer Surcharge) $0.64
返却時の給油不要制度(FPO) $77.58
空港利用税(CONCESSION FEE RECOVERY)11.11% $19.68
カリフォルニア州旅行税(CA TOURISM ASSESSMENT)3.50% $3.05
空港施設利用料 $37.50
車両登録料 $1.97/日 $11.82
Tax1 消費税 9.5% $11.33
Tax2 FPO利用時に掛かる税金 4.5% $3.49
合計 $252.21
と、このようにアメリカの空港でレンタカーを借りると、税金やら空港の施設利用料などが加算されて、総額はけっこう膨れ上がります。ですが、上記の明細に載っている費用は、一部を除いて必要経費と捉えるほかありません。
僕たちはカメラ機材も運ぶため大きめの車種を選ぶことが多いのですが、それにも関わらず今回は1週間借りて日本円で約2万7350円というのは、かなり安い部類に入ります。でも、ハイシーズンになれば平気でこの2倍や3倍に増えますし、ハワイのような人気の州だと相場も上がると思います。上記の総額はあくまで参考程度に留めていただければ幸いです。
明細にある「返却時の給油不要制度」というのは英語で“Fuel Purchase Option”といって、よくFPOと省略されます。言葉の通り、レンタカーを返却する際にガソリンスタンドで給油しておく必要がなく、ガソリン代をレンタカー会社に別途支払うというシステムです。
もちろん給油してから返す方が安上がりという可能性もありますが、僕たちがレンタカーを返却するのは、いつもだいたい帰国当日の朝です。ただでさえフライトに間に合うか少し不安を感じるところに、渋滞で時間が読めない、空港近くのスタンドが営業しているかわからないと、余計なストレスは感じたくないので、いつもFPOを利用しています。言わずもがな、返却時にちょうどガスを使い切るよう、給油は少量ずつこまめに行うよう心がけています。
そして、明細には反映されていませんが、保険に関してはカリフォルニア州のほか、メリーランド州、マサチューセッツ州、ミシガン州、ニューヨーク州、サウスカロライナ州、バージニア州、ウェストバージニア州においては自動車損害賠償保険(LP)が自動加入となります。いわゆる強制保険で、費用は基本料金に含まれています。運転中の事故による対人・対物の賠償責任金額が補償されますが、補償限度額は州によって異なります。
また、保険ではないのですが車両損害補償制度(LDW)という、盗難、紛失、破損などで生じた損害額を免除してもらえる制度もあり、最初からプランに含まれている場合もあります。レンタカー会社によって内容は異なりますが、希望すれば任意保険である追加自動車損害賠償保険(LIS)やロードサービス救援オプションなどを追加することも可能です。
それらの任意保険に加入するかどうかは個人の考えに従えばいいかと思いますが、厄介なのはその費用が見積もりの段階では含まれていなかったはずなのに、精算時になぜか加算されているというケースがたまにあることです。その理由(推測ですが)は次回の【実践編】で説明したいと思います。
著者プロフィール
小林秀雄:大正から昭和初期の文豪の如き不健康な風貌ながら、趣味は草野球とサーフィンというわかりにくい男。編集プロダクション勤務を経てフリーライターへ。愛車は初代VWゴルフで、ただいまエンジンスワップを画策中。
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