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ZF Global Technology Day 2019@ドイツ・ドレスデン&ユーロスピードウェイ・ラウジッツ PR ZFが提唱する「#MobilityLifeBalance」(モビリティ・ライフ・バランス)をよりよくするための4つの技術分野とは

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Electric Mobility(電動化)

今回のイベントで世界初公開された2速ギヤボックス付き電動ドライブユニット搭載のプロトタイプ。

 今回の目玉のひとつが、2段変速機構付きの電動ドライブユニットだった。モジュール化かつスケーラブルな電動ドライブユニットは、フロントアクスルにもリヤアクスルにも搭載化(もちろん両方に載せてAWD化もできる)。エンジン車のリヤアクスルに載せてAWD化、PHEV化も可能だ。ポイントは2速のギヤボックスとパワーコントロールユニットまでをコンパクトに統合していること。2速のギヤボックスのおかげで、効率は上がり航続距離にして5%、加速性能も最高速度も向上する。昨今、多くのサプライヤーが2速ギヤボックス付きの電動ドライブユニットを開発しているが、トランスミッションのスペシャリストであるZFが手がけるわけだから、この部分で他の追随を許すとは考えにくい。

青く塗られた部分が2速化にともなって追加されたパーツ。2速化で効率が上がり、航続距離も加速性能も最高速度も向上する。
ZFが誇る名機8HPの次世代(第4世代)の姿が明らかになった。電動化フル対応の8HPである。

 もうひとつのトピックは、これまたZFが誇る縦置き8速ATの名機、8HPの第4世代の発表だ。名だたるプレミアムカーが採用している8HPの次世代はPHEV、48Vマイルドハイブリッドに最適化される。PHEV仕様は80-100kmのEV航続距離を実現するという。

 前述したように、ZFが考える電動化の対象はパッセンジャーカーだけではない。その証に、イベント会場にはZFの電動ドライブユニットを搭載したバスを走らせていた。

会場内の移動に供されたのはZF製の電動ドライブユニットを使ったバスだ。

Vehicle Motion Control(車両制御)

 もともとZFが得意とする分野だけに、数多くのプロトタイプを持ち込んでいた。最注目は、同社がFlying Carpet 2.0(空飛ぶ絨毯)と呼ぶ、シャシー技術を満載したクルマ(VWトゥーランがベースだった)。統合ブレーキシステム、ステア・バイ・ワイヤー、後輪ステアシステム、可変ダンパー、ロールコントロール、そして電動ドライブユニットを「cubiX(キュービックス)」と呼ぶネットワークで結んで制御するという最先端の技術だ。快適な乗り心地は、自動運転が実用化されたらさらに重要になるとZFは考えている。

ZFが得意とする正確なアクチュエーションを実現するユニット。手前は、リヤステア機構と電動ドライブユニットを組み込んだマルチリンクサスペンションユニット。
さまざまな車両運動制御技術・ユニットを搭載したプロトタイプ。好きなクルマに乗れるのも、このイベントの醍醐味だ。
ZFのロールコントロールシステムを搭載したジープ・グランドチェロキー
プロトタイプだから、室内にはさまざまな機器やコントローラーが搭載されている。

 面白かったのは、「Anti-Motion Sickness」の研究だ。つまり、「車酔い」をどう防止するか、ということだ。現在は、クルマに乗る30%の人が「パッセンジャー=同乗者(つまり運転しない)」だが、自動運転が実用化される将来は90%の人が「同乗者」になる。ドライバーは通常車酔いしないが、同乗者は車酔いに悩まされることがある。ZFは、人間中心の研究開発の一環として、車酔いのメカニズムの解明とその対策を研究していた。

クルマ酔いのメカニズムの解明と防止は、自動運転時代には重要な技術。この人は、クルマに乗りながらさまざまなタスクをこなし、クルマ酔いの実験を行なっている。

Integrated Safety(統合安全)

目の前でデモを見せてくれたエクスターナル・サイドエアバッグ。パーン!という大きな音とともに、エアバッグが展開。確実に効果が期待できそうな技術だ。

 エアバッグやシートベルトなどの技術はTRWが得意としていた分野だ。ここにZFのセンサー群とシャシー技術が統合されて高い安全性能を目指すのがIntegrated Safetyだ。

 実際に見せてもらったのは、世界初のプリクラッシュ・エクスターナル・サイドエアバッグのデモだ。エクスターナルというくらいだからクルマの外側に展開するエアバッグなのだ。側面衝突時のダメージを最大40%低減できるというから、実用化されれば、死亡や重症の事故を大きく減らせるだろう。実際、ドイツの乗員死亡者数の3分の1が側面衝突(いわゆるTボーンクラッシュ)で亡くなっている。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

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