優れたスペース効率で自転車まで積めてしまう超人気カテゴリー “スーパーハイト”クラスの覇権を争う4モデルを徹底分析する! ダイハツ・タントカスタムをホンダN-BOXカスタム、スズキ・スペーシアカスタム、日産デイズルークスと徹底比較!「タントカスタム:ライバル比較インプレッション」
- 2019/09/08
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青山 尚暉

寸法や排気量に「軽自動車」という規制がありながら、創意工夫で使い勝手の良い広々空間が自慢のスーパーハイトクラスは、常に軽の販売台数上位に位置する人気車種。モデルチェンジを経る度に性能・安全・利便性が高められるライバル4車種がファーストカーとしての使用に耐え得るのかを確かめた。
REPORT●青山尚暉(AOYAMA Naoki)
PHOTO●神村 聖(KAMIMURA Satoshi)/井上 誠(INOUE Makoto)
※本稿は2019年7月発売の「ダイハツ・タントのすべて」に掲載されたものを転載したものです。
“最も売れているクルマ”の座を虎視眈々と狙う4モデル
今、日本で最も売れているクルマは何か? 実は、2019年1〜6月の新車販売台数ランキングで1位〜3位をスーパーハイト系の軽自動車3台が独占! スーパーハイト系軽自動車は、軽自動車の半数近くを占める超人気車種になっているのだ。
そのスーパーハイト系軽自動車のパイオニアと言えるのが、03年にダイハツが送り出した初代タント。1725㎜もの全高、広大な室内空間による乗降性の良さなどから、当時ライバル不在で、大ヒットを記録している。
そんな売れ筋ジャンルをライバルメーカーが黙って見ているはずもなく、08年にスズキ・パレット(現スペーシア)、11年にホンダN-BOX、14年に三菱eKスペース&日産デイズルークスが加わり、今ではN-BOX、スペーシア、タントの3台が、日本で最も売れているクルマのベスト3として君臨する(19年6月現在)。
ここでは、四代目となった新型タントの登場を機に、N-BOX、スペーシア、デイズルークスの3台を迎え、スーパーハイト系ならではの特徴、使い勝手、先進安全支援機能、そして走行性能を、一家に一台のファーストカーにもなり得るカスタム系ターボ車同士で徹底比較したい。
DAIHATSU TANTO CUSTOM RS

直列3気筒DOHCターボ/658㏄
最高出力:64㎰/6400rpm
最大トルク:10.2㎏m/3600rpm
車両本体価格:174万9600円
JC08モード燃費:25.2㎞/ℓ
ボディ・エンジン・CVTと全身くまなく刷新して登場
まずは4台の概要から。四代目となる〝小は大を兼ねる”新型タントの注目点はまず、DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)なる新開発のプラットフォームだ。これはトヨタのTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と呼び名は似ているが、ダイハツオリジナルの新世代車体構造の総称。ダイハツの新プラットフォーム発表の場で、トヨタの豊田章男社長が「それ、DNGAですね!」と言ったのがきっかけで、そう呼ばれるようになったという!?
同時に、エンジン、サスペンション、世界初のパワースプリット技術によるデュアルモードCVT、シートまで刷新。軽量高剛性ボディで最大約80㎏の軽量化を果たし、ボディの曲げ剛性は約30%UPしている。
使い勝手面での進化も著しい。三代目同様、助手席側に、Bピラーを前後ドアに埋め込んだミラクルオープンドアを採用しつつ、新型では、そのミラクルオープンドアの使い勝手を最大限に生かす、世界初の運転席最大540㎜のロングスライドシート(Pレンジ時のみ。解除スイッチあり)を、助手席最大380㎜スライドともに採用。何と、ミラクルオープンドア側から運転席へ室内ウォークスルーが可能になっている。それは例えば、子どもを後席に乗せた後、親が車外に出ることなく運転席に移動できることを意味する。軽自動車初の、クルマに戻った際、スライドドアが自動でオープンするウエルカムオープン機能(要予約)も日常使いの中で便利そうだ。
先進安全技術では、ステレオカメラを基本とする次世代スマートアシストを用意。ブレーキ制御付き前後誤発進抑制機能を含む15種類もの予防安全機能を装備。それには0-115㎞/hで作動する渋滞対応の全車速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKC(レーンキープコントロール)が含まれ、オプションのスマートクルーズパックとして用意するが、これは標準車の「Xターボ」、「カスタムRS」のターボモデルのみの設定となっている。

対するN-BOXの二代目現行モデルは17年のデビュー。カスタムは軽自動車初のシーケンシャルウインカー、ターボモデルにはこれまた軽自動車初のスポーツエンジンさながらの電動ウエイストゲートを採用。先進安全支援機能ではACC(約35-115㎞/h。渋滞追従なし)、レーンキープを含むホンダセンシングを〝全モデル”に標準装備。助手席から後席の子どもをケアしやすい最大570㎜の助手席スーパースライドシートの採用も特徴的だ。
スペーシアは全車、ISG(モーター機能付き発電機)とリチウムイオンバッテリーによるマイルドハイブリッドを採用。モーターの力でクリープ走行するほか、アイドリングストップ後の静かでスムーズな再発進を実現。微力ながらモーターアシストによる加速力向上(パワーモード)、燃費向上も期待できる。なお、ACC、レーンキープは未装備だ。
日産デイズルークスは後席サーキュレーターの装備、日産コネクトナビによるオペレーターサービスがタントやN-BOXにない特徴だ(ACC未装備)。なお、ハイトワゴン版のデイズが今春新型になり、ルークスも近々、新型が登場予定だ。
HONDA N-BOX Custom G・EX TURBO Honda SENSING

直列3気筒DOHCターボ/658㏄
最高出力:64㎰/6000rpm
最大トルク:10.6㎏m/2600rpm
車両本体価格:194万9400円
JC08モード燃費:25.2㎞/ℓ
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