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ジープ・ラングラーが売れる理由がちょっとわかった 大ヒット中の現行JL型を選ぶ理由は、燃費か価格か

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こんな岩場も楽々と走破できた

 というわけで、ほとんど初めてジープ・ラングラーのハンドルを握った。
 まずはインストラクターが荒れ地(車輪が1輪浮いてしまいそうな岩場)を走り、50%の勾配(約26.3度 スキー場のゲレンデを想像してほしい)を上り下りするところを見せてもらった。とてもじゃないが、あんな岩場走れないよ、と思った。

 で、ジープ・ラングラー アンリミテッド・ルビコンである。
 これが、すごい。4Lモードにして、さらに電子制御式フロントスウェイバーディスコネクトシステムをON。これは、4x4ローモード(4LO)で時速29km/h以下で走行中、スウェイバー(スタビライザー)を外すことができるシステムだそうだ。オフロード走行時、フロントスウェイバーのロッ クを解除することでサスペンションストロークが最大25%拡大できる、と説明された。ルビコンにだけ装備している機構で、この効果は絶大だった。
 初めてジープ・ラングラーに載った筆者でもまったく不安になることなく、岩場を乗り越え、絶壁を上り、降りることができた。

こういうシーンがものすごく似合う
水深35cmなどまったく問題としない

 草が生い茂り路面の悪い路面を走らせてもらったが、ジープ・ラングラーならなんの不安もない。
 高速道路を140km/hで走りたい(もちろん交通違反だが)とか、箱根のワインディンを気持ちよくスポーツ走行したい、というようなニーズには応えられないだろうが、それ以外はおそらく(多少燃費が悪い)オーナーになってしまえば、さして問題にならないのかもしれない。

 小回り性も先代JK型が最小回転半径7.1m(!)だったのが、現行型になって6.2mまで縮まった。燃費だって先代の5速ATの7.5km/ℓから9.0km/ℓに向上している。現行型の2.0ℓを選べば、11.5km/ℓにもなる。

 なんだか、いいところずくめじゃないか。

 そしてなにより、高いオフロードの走破性を持つライバル、メルセデス・ベンツGクラスに対して、圧倒的にプライタグが軽いことも人気の秘密だと思う。

 メルセデス・ベンツGクラスのもっともプライスタグの安いモデル、G350dの車両価格1192万円に対して、アンリミテッド・ルビコン(RUBICON)は600万円! 半分の値段が手に入るのだ!

 そりゃ、売れるわけだ。
 
 しかも、都市部に住んでいても、いつ自然災害に遭うかわからない時代になると、「いざというとき」走りきれる性能を秘めたクルマに目が向くのはある意味当然なのかもしれない。

 ゲリラ豪雨で都内のアンダーパスが浸水する。普通のクルマなら30cmの水位があったら渡りきれない。それをジープ・ラングラーなら、最大76.2cmまでいけるという。今回の試乗でも35cmの水位の水たまりを走行したが、もちろんまったく問題ない。

 ジープ・ラングラーを、もし自分が手に入れたとしても、おそらくこの比類なき走破性を発揮する機会は一度もないまま過ごすことになると思う。それでも、「いざというとき、どこへでもどこまでも行ける性能を持つクルマに乗っている」という実感がほしい、という人たちの気持ちも理解できる。

 幌を外して、青空を仰ぎながらのんびり走っても、きっとジープ・ラングラーは気持ちがいいだろう。

 短い試乗だったが、ジープ・ラングラーが売れている理由、欲しい気持ちが、ちょっとわかった。(自分にはまったく似合わないけど)ジープ・ラングラー、アリです。

こんな場所なら、ラングラーだ
ジープ・ラングラー アンリミテッドの渡河性能は、水深70cmでもいけるそうだ

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