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2017年8月にGMから買収したPSAがオペルブランドをグローバル化 オペルが2021年後半に日本再上陸! 「コルサ」「コンボライフ」「グランドランドX」を投入予定

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日本導入予定の現行六代目オペル・コルサと首脳陣。左奥からグループPSAジャパンのアンジェロ・シモーネ社長、オペルオートモービルのミヒャエル・ローシェラーCEO兼グループPSA執行委員、グループPSAジャパンのベルトラム・クンツェ オペル・ブランドダイレクター、グループPSAのエマニュエル・ドゥレ インド・パシフィック地区事業部長

1990年代の輸入車全盛期に一世を風靡しながら、現在は日本市場から撤退しているオペル。2017年8月にGMからPSAの傘下となった、このドイツの大衆車ブランドが、2021年後半に再び日本へ上陸する!

REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢/グループPSAジャパン

現時点でのオペルブランドのグローバル展開図。図中黄色が参入済みの国

 オペルは1992年にフォルクスワーゲンの輸入販売を中止したヤナセが、その代替とする形で1993年より輸入販売を開始。1995年頃にはバブル崩壊の影響を受けながらも超円高相場を追い風にして、「ヴィータ」や「アストラ」などのコンパクトカーが一世を風靡した。

 だが、輸入権がヤナセから日本現地法人に移り、時を同じくして各モデルの大型高級化も進行すると、徐々に販売が衰退。2006年に日本での販売を終了し、ヤナセは前年の2005年よりフォルクスワーゲンの販売を再開している。

 それから11年後の2017年8月、GMはオペルをPSAに売却。その後PSAは「PACE!」と呼ぶ事業計画を掲げ、オペルブランドの電動化とグローバルでの拡販を積極的に推進している。その一環として、2021年にオペルが日本市場へ再参入することになった!

グループPSAジャパンのアンジェロ・シモーネ社長
グループPSAのエマニュエル・ドゥレ インド・パシフィック地区事業部長

 記者発表会の冒頭で、グループPSAジャパンのアンジェロ・シモーネ社長が「今日は非常に特別な日だ。私の前職はオペル・イタリアの支社長を務めていたからだ」と自己紹介したのち、グループPSAインドパシフィックのエマニュエル・ドゥレ インド・パシフィック地区事業部長が登壇。「日本市場は規模的には小さいものの品質への要求レベルが高いため、非常に重要視している。PSAは5ブランドを擁しているが、日本ではそのうちプジョー、シトロエン、DSを展開しており、ラインアップの拡充とディーラーにおける販売効率の改善などで、2015年から19年で販売台数は2倍に増えた」と、日本市場の重要性を説いた。

 またオペルについて、「GM傘下の当時は欧州市場に特化していた」と、PSAではグローバル市場を視野に入れていることを示唆している。

オペルオートモービルのミヒャエル・ローシェラーCEO兼グループPSA執行委員
オペルが掲げる3つのコアバリュー

 そしてオペルオートモービルのミヒャエル・ローシェラーCEO兼グループPSA執行委員が、オペルの120年にわたる歴史を説明しつつ、オペルのブランド価値は、「ドイツらしいこと、エキサイティングであること、手に届きやすいことであり、すべてのオペル車はデュッセルスハイムで開発されている」ことを強調した。

 また「PACE!」は独力で作成し、その後業績が急回復。2024年までに電動化モデルを全車種で提供。2020年までに欧州以外の市場で10%以上の売り上げを達成するとともに、2019年にロシア、2020年にコロンビアとエクアドルへ参入することを説明している。

 そして、日本におけるオペルの導入計画を発表。日本市場への撤退についてお詫びをしたのち、「今回は撤退することはない。なぜ撤退したライバルもいるのにオペルが再参入するのか疑問を持つかもしれないが、オペルは高い品質と技術力で評価され、最高で年間3万8000台を販売していた」と強調した。

オペル・グランドランドX
オペル・コンボライフ
オペル・コルサのインテリア。展示されたのはアイルランド仕様の右ハンドル車MT車

 2021年時点の日本導入モデルは、CセグメントSUV「グランドランドX」、5~7人乗り背高ワゴン「コンボライフ」、そして今回実車が展示された6代目「コルサ」。グランドランドXにはPHEVも投入することに加え、「オペルの5台に1台がコルサであり、日本では違う車名で展開する。その名称は近日発表するが、ガソリン車とEVを導入する予定」であることを明らかにした。さらにその後も、続々とニューモデルが投入される計画だという。

オペル正規ディーラー「アウトハウス」の店舗イメージ
 正規ディーラーは、東京、横浜、名古屋、大阪などを中心に展開し、「アウトハウス」という名称でドイツブランドを強調。2024年までに人口の80%をカバーできる販売網を構築する。それに先立ち同日、オペルのオフィシャルサイト「www.opel.jp」をオープンした。

 ローシェラーCEOらと報道陣との主な一問一答は以下の通り。

Q:過去3回進出と撤退を繰り返しているが、再参入の経緯と勝算は?
A:(ローシェラー)我々は伝統あるドイツブランドであり、日本は世界3位の市場で品質要求が厳しい。中国やアフリカにも進出を計画しているオペルのグローバル戦略とも関係している。

Q:1995年に3万8000台を販売し今もユーザーは多いが、既存ユーザーへのアフターサービスは?

A:(クンツェ)2021年後半にカムバックする。統計によると4000台のオペル車が日本を走っている。今のユーザーに対してサービスに関する変更はない。今後のサービス体制を変更することが分かったらその都度お伝えしたい。

Q:日本での販売台数目標は。
A:(ローシェラー)第一はクオリティ、CS、収益性に注力すれば台数はおのずとついてくる。

Q:日本での投資について。
A:(ローシェラー)メリットはPSAがすでに存在していること。販売網拡充のため投資していくが具体的な額は控える。オペル全体の電動化戦略では新たにバッテリー工場を建設し、20億ユーロを投資して年間50万台分のバッテリーを製造可能とする。電化されたコルサにも使用する。

Q:パワートレインごとの販売比率について。
A:(ローシェラー)ガソリン、ディーゼル、電動車すべてに対しオープンでありたい。比率を決めるのはお客様。個人的予測では電動車が今後増え、最大のボリュームになるだろう。

オペル・コルサ

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