トヨタ・アイゴ | PSAとの業務提携によって生まれたプジョー107/108&シトロエンC1の兄弟車 トヨタ・アイゴ…欧州向けながら日本のテイストを強調したスタイリッシュなAセグメントハッチバック【これは欲しい! 日本で正規販売されていないクルマ】
- 2021/01/27
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遠藤正賢

「なんでこんないいクルマが日本で普通に買えないんだ!?」
そのブランドのファンや関係者ならずとも、そう憤慨したくなるような日本未導入モデルは、グローバル化がこれだけ進んだ今なお、数え切れないほど存在する。
そんな、日本市場でも売れるorクルマ好きに喜ばれそうなのになぜか日本では正規販売されていないクルマの魅力を紹介し、メーカーに日本導入のラブコールを送る当企画。今回は、トヨタが欧州で生産・販売するAセグメントの3ドア&5ドアハッチバック「アイゴ」を紹介したい。
TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●トヨタ自動車、ステランティス


現行二代目アイゴが持つ最大の特徴は、日本の若者文化にインスパイアされたというエクステリアデザインだろう。中でも、ドアミラーからヘッドランプ、上下のグリルをX字型に縁取ったフロントマスクは、独創的なデザインを強みとするフランス車のプジョー108やシトロエンC1よりもむしろ大胆かつスポーティだ。それでいながら全体のプロポーションも破綻しておらず、そのデザインの完成度は極めて高いと言えるだろう。

2018年のマイナーチェンジ以降は、ヘッドランプとグリルの間がブラックアウトされなくなったことで、ややコンサバティブになったものの、それでもスタイリッシュなAセグメントハッチバックであることに変わりはない。しかもこのデザインを、全長×全幅×全高=3465×1615×1460mm、ホイールベース2340mmという、軽自動車のダイハツ・ミライース(全長×全幅×全高=3395×1475×1500mm、ホイールベース2455mm)を少し大きくした程度のボディサイズで実現しているのは驚きだ。



ボディは初代に対しスポット溶接点数を119ヵ所増やして544ヵ所とし、ドア開口部やホイールハウスまわりなどを重点的に強化したほか、フロアブレースの厚みを1.2mmから2.3mmにアップ。空力も全面的に見直してCd値を0.30から0.29へと下げつつ揚力を抑えることで、タイヤの接地性を高めてステアリングレスポンスと直進安定性、乗り心地を同時に向上させている。2018年のマイナーチェンジではさらに、ダッシュボードに吸遮音材を追加することで、室内のNVHを大幅に低減した。
エンジンは72ps&93Nmの1KR-FE型1.0L直3NAエンジンのみを設定するが、トランスミッションは5速MTのほか2ペダルの5速ロボットMTも選択可能。決してハイスペックではないが、車重は840~910kgと軽量なため、初心者でも少ないパワー・トルクをフルに使い切って走る歓びが得られるはずだ。

この二代目アイゴはデビューからすでに7年が経過しており、三代目への世代交代を早ければ2021年内にも行うと見込まれている。一方、生産拠点のTPCAは2021年1月1日よりトヨタモーターヨーロッパ(TME)の単独所有となり、名称もトヨタモーターマニファクチャリング・チェコ共和国(TMMCZ)に変更されたこともあり、プジョー108とシトロエンC1は現行モデル限りで生産・販売を終了すると予測されている。

となれば、アイゴとパッソを統合し、グローバルで生産・販売するのが合理的ではないか。コストコンシャスな女性向けに特化して作られたパッソよりも、老若男女問わず幅広いユーザー層に受け入れられるアイゴが、世代交代とともに日本へ導入されることを、期待せずにはいられない!
■トヨタ・アイゴJBLエディション *イギリス仕様
全長×全幅×全高:3465×1615×1460mm
ホイールベース:2340mm
車両重量:840~910kg
エンジン形式:直列3気筒DOHC
総排気量:998cc
最高出力:53kW(72ps)/6000rpm
最大トルク:93Nm/4400rpm
トランスミッション:5速MT
サスペンション形式 前/後:ストラット/トーションビーム
ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ドラム
タイヤサイズ 前後:165/60R15 77H
乗車定員:4名
車両価格:1万1203.33ポンド(約160万円)

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