ボルボがすべての電気自動車に「リチャージタイヤ」を標準装備へ。ユーザーの負担軽減と二酸化炭素排出量削減を目指して
- 2021/03/11
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MotorFan編集部
3月10日、ボルボ・カーズは従来からの標準設定タイヤのあり方に挑戦し、北欧・中欧において、年間を通じて使用可能なリチャージタイヤを電気自動車に標準装備すると発表した。
気温が0度前後で乾燥していたり、湿っていたりするような状況ではリチャージタイヤが最も安全な選択肢になる
ボルボ・カーズは、夏用タイヤや冬用タイヤよりも幅広い天候や路面状況に安全に対応できるタイヤを1セット使用することで、年に2回のタイヤ交換を無くし、ユーザーの負担を軽減するとともに、二酸化炭素排出量を削減することを目指している。
リチャージタイヤは、通年用タイヤとしては初めてAクラスのエネルギー効率を達成したタイヤ。この技術革新は、より持続可能な製品を提供することで業界をリードしたいというボルボの考えに沿ったものだ。
リチャージタイヤを装着して電気自動車のボルボXC40を走行させた場合、冬用タイヤを装着して走行した場合と比較して、エネルギー消費量を最大8%削減し、平均航続距離を伸ばすことができる。1年を通して1セットのタイヤを使用するユーザーが増えれば、アルミホイールの生産量を減らすことにも繋がり、気候変動への影響を軽減することができる。
ボルボ・カーズ・サステイナブル・センターのギゼラ・ブロンクビスト氏はこのようにコメントしている。
「電気自動車では、タイヤの転がり抵抗を少なく保つことが従来の内燃機関を動力源とする車両よりも重要で、それは電力消費量と航続距離に大きな影響を与えます。通常、この特性は夏タイヤに限られていますが、リチャージタイヤを使用することで、冬の間もこの特性を維持し、お客様と環境への明確なメリットを実現します」
欧州の多くの地域では、従来の夏用タイヤと冬用タイヤのセットアップが、実際の天候や道路状況に合わせて最も安全な選択肢であるとは限らない。ボルボ・カーズのセーフティエキスパートは、気温が0度前後で乾燥していたり、湿っていたりするような状況では、従来の夏用タイヤや冬用タイヤを使用するのは安全性が低いと指摘しており、このような状況では、リチャージタイヤが最も安全な選択肢になると主張する。
リチャージ・ラインナップのために特別に開発されたリチャージタイヤは、1年を通して最高のバランスの安全性能を発揮し、天候や道路状況が変化するときにも優れた性能を発揮する。ボルボ・カーズ・セーフティ・センターのシニア・セーフティ・エキスパート、ヤン・イバーソン氏はこのように述べている。
「完璧な世界では、毎朝起きて窓の外を見て、天気予報に耳を傾け、クルマを運転する前に見聞きしたことに基づいて、自分のクルマに適したタイヤを装着することになるでしょう。もちろん、それはあまりにも無理なことなので、私たちは一年中お客様の安全を守るためのベストバランスな選択肢としてリチャージタイヤを提供しています」
とはいえ、リチャージタイヤは誰にとってもベストな選択肢ではないかもしれない。冬の寒さが厳しく、雪や氷の上を走ることが多い地域で暮らす人や、そのような地域に頻繁に足を運ぶ人には、従来のスタッドレスタイヤやスパイクタイヤが最も安全な選択肢であることに変わりはない。それでもリチャージタイヤは選択肢のひとつとして利用できる。
なお、リチャージタイヤはオーストリア、ベルギー、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイスランド、ラトビア、リトアニア、モルドバ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スロバキア、スイス、スウェーデン、ウクライナでボルボの電気自動車に標準装着される予定。このたびの発表現在では、XC40リチャージには夏タイヤが標準装着されている。
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