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迷走ゆえに国内評価は「パッとしない実力派」のサファリ、しかし海外では… 今だからこそ、初代・日産サファリを語ろうじゃないか!! 第3回

  • 2021/06/14
  • MotorFanアーカイブ編集部
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1983年に初代・日産サファリは第3期に進化した。いわゆる「角目」の後期型である。これは当時のカタログの表紙。

2021年6月現在、日産のSUVはアリア、エクストレイル、キックス e-POWERの3車種しかラインアップされていません。いわゆるRVなど、もはや皆無です。しかし海外に目を向けると、大型のアルマーダ/パトロール/インフィニティQX80を筆頭に、大小様々の多くのSUVが好評を博しています。
新たな日産SUVの国内市場登場への期待を込めて、そしてエールを送る意味で、マニアックな四駆専門誌編集長が、今なお人気が高く、かつて愛車としていた「日産・初代サファリ愛」(?)を語ります。今回は引き続き初代サファリの年譜を、いわゆる「後期型」モデルを中心に振り返ってみましょう。

TEXT&PHOTO:赤木靖之(『キュリアス』編集室)

走りの質やバランスは良し。しかし市場ニーズへの対応は今一歩?

 1983年9月、ターボ車の追加、ミッションの5速化、足回りやファイナルレシオの変更を伴って型番を161に移行。キャブシャーシのFG161以外は角目ヘッドライトとして、印象を変えた。便宜的に、これを初代サファリの3期目としたい。

 新しく追加されたエクストラバンハイルーフはおデコに色付きガラスの「スタールーフ」をはめ込み、パノラマデッカーの観光バスを思わせた。しかし運転中にどうも気が散るというか、ありがたみを感じないものだった。案の定、同じルーフ形状を持つY60系では廃止された。

 もともと柔軟な足だったが、さらにソフト化したサスペンションを一部のグレードに採用した。これは軽積載仕様とされ、短尺車の場合400kgから250kgへ、長尺車で500kgから350kgに積載量が落とされた(2名乗車時の数値)。

1983年型のエクストラバン ハイルーフ ターボ。タイトルに使用したカタログ表紙写真と同一車両で、同一現場で撮影の別カット。/写真提供:日産自動車
トラック的な底力よりスムーズさが際立つSD33-T型。かといって乗用車系のディーゼルとは異なる。
SD33-T型エンジン/写真提供:日産自動車
世はまさに「ターボブーム」。サファリのカタログでもタービンの構造を図解していた。
長尺軽積載仕様のリヤリーフスプリング(350kg積み)。この大きな車体にして3枚構成。フルスパンのテーパー形状にご注目。
ラジオボックスはインパネと一体化するデザインに改められた。ADのシートは格子柄に。
筆者の友人が所有していたN-VR161。 グリルを黒く塗り、160のフェンダーミラーに交換して年式不明の仕上がり。しかも泥でキタナイ…。
電設工事会社で使われ、引退後は個人オーナーの愛車となったエクストラバン標準ルーフAD、N-VRG161。
国内では特装用とされたM-FG161は、グリル格子部分の意匠を変えながら丸型ライトを継続。 エンジンはPF型4リッター・ガソリン。

 いわゆる4期目となる最後のマイナーチェンジでは、小改良やグレード整理のほか、全グレードでオールメッキのグリルになったり、オーバーフェンダー等で1ナンバー登録となる「グランロード」が加わった。ライバルを意識した過剰装飾の感はあり、このため「サファリ=派手」という、本来の持ち味とは逆の印象を持つ人が多くなったように思う。

昭和60年11月のカタログ。グランロードの型式はN-BRG161となる。小型車枠にとらわれないためウインチは標準装備で、延長フレームは溶接固定。専用色(茶メタまたは黒)も用意された。

「売り方が悪い」との声もあったが、いくら走りの質やバランスが良くても、車の性格を決める使い勝手やセンスが今一歩だと売れない。

 旧パトロールのボディを4ナンバー枠に収まるように改良し、少し豪華にしてディーゼル化したほうが良かったという四駆好きの声も多かった。

 どうせ新型ボディにするなら、輸出仕様にあった乗用車系のL28型+ATを投入したり、最初からターボ化していたら流れは変わったかもしれない。

 結局「パッとしない実力派」という、あまり有難くないキャラクターを引きずったまま、サファリは昭和62年秋にコイルリジッドサスペンションを持つY60系の二代目に移行していくことになる。

オーバーフェンダー+ワイドタイヤという、日本の地質に合わない演出に最初に手を染めたのは、他でもないサファリだった。 やがてこれは全メーカーの四駆に波及し、標準モデルをわざわざ「ナローボディ」などと呼ぶ、おかしなことになってしまった…。
ハイルーフの観音開きは廃止され、グランロードと同じ上下開きとなった。
161前期型との違いは全面メッキグリルと赤い「NISSAN」ロゴ、派手なウェスタンミラー。オプションでこのようなシャモジ型のフェンダーミラーも選べた。右は1981年式のK-VRG160。
最終型でも95PSのノンターボは残されていた。 細長いヘッドカバー、巨大な列型噴射ポンプに大興奮……なのはワタシだけじゃないと思いたい。
よくできた足回りには不要とも思えるサスペンションシート。たしかドイツ製で、丁寧な造りだったが重量増につながったと思う。ボロボロの写真で失礼。
短尺車では、DXやハイルーフといった重積載仕様を廃止。写っていないが、スペアタイヤキャリヤはワンタッチ開閉の片持ち式に改良された。 2020年9月より放映された日産のCMに登場したヘリテージ収蔵車はこのタイプ。
まさにその2020年9月より放映されたテレビCMに登場した日産ヘリテイジ・コレクション(座間記念車庫)所蔵のサファリそのもの。ハードトップ標準ルーフAD。/写真提供:日産自動車
長尺車はグランロードを加えて拡充の方向。「デカいRVが欲しい!」という市場動向がわかる。 ランクルでは4ℓ直噴ターボのHJ61Vが登場し、SD33型はターボの力を借りても鈍重と思われ始めた。初期の4ドアより350kgも太れば当然か。
エクストラバン 標準ルーフ/写真提供:日産自動車
グランロード ターボ ハイルーフ AD/写真提供:日産自動車
グランロード ターボ ハイルーフ AD 室内/写真提供:日産自動車

海外では継続生産され愛された161系サファリ

 161系はスペインの日産モトールイベリカでも生産され、コイルサスのY60二代目サファリが発売されて以降も継続し、260系として欧州で人気を博した。

 260系はY60系と共通イメージのフロントマスクに、2.8ℓOHCのRD28型ディーゼル(ターボの有無を設定)を搭載する。これは乗用車系の高速型ディーゼルで、国内のサファリスピリット(WYY60)と同じである。

 ランクルのラインナップにもいえることだが、リーフサスを好むユーザーもあっただろうし、継続生産はコスト面で有利だ。日産モトールイベリカは260系の生産終了後に、日本では「ミストラル」と呼ばれた「テラノⅡ」の生産を開始した。

オランダ版1988年の資料。 新型のY60系が「パトロールGR」として登場しても、旧型の161は「パトロールR」として継続された。「パトロールGR」の3ドア車のみ2.8ℓになっているが、これは誤植だろう。新型は5ドアでもRD28型を搭載する。
ベルギー版1991年のカタログから。旧型ボディにもRD28型を組み合わせ、260系となった。これをヨーロピアンテイストのRVとして輸入していたら、91~92年頃の四駆ブーム全盛期なら売れたのではないかと思える。(編注:編集部により一部画像を加工しています)
スペインの日産モトールイベリカで生産されるパトロール(サファリ)。/写真提供:日産自動車
2020年に南アフリカで発表された最新型の日産パトロール。海外ではパトロール/サファリの系譜は今も脈々と生き続けている。/写真提供:日産自動車

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