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著しい進化を果たした「日産セレナ」 ミニバンの人気モデルの6代目「日産セレナ」【最新ミニバン 車種別解説 NISSAN SERENA】

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22年3月にハイブリッドモデルが追加リリースされた「日産セレナ」。注目は先進運転支援機能のプロパイロットの全車装備。エクステリアは先代を踏襲しているが、インテリアは大幅にアップグレードされ、インパネ周りのデザインは先進的で、変わらない安心感と最新の技術とデザインの両立が成されている。
REPORT:青山尚暉(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:日南まみ

全車にプロパイロットを搭載 車内の静粛性はトップレベル

2022年12月にガソリン車を、23年4月にハイブリッドのe-POWERモデルを発売した6代目日産セレナ。エクステリアデザインはどこから見てもセレナ。多くのグレードで8人乗りを設定した、ユーザーフレンドリーなパッケージングも先代と変わらないが、中身の進化は著しい新型だ。

エクステリア

「LUXION」と「ハイウェイスターV」は、専用フロントグリルをはじめ、前後エアロバンパーとサイドシルスポイラーが備わるスポーティな仕上がりになっている。全ランプをLED化することで、先進性も強調している。
ノア/ヴォクシー、ステップワゴンのノンステップとは異なり、床面から約70㎜低い位置にステップを配置する。スライドドアの開口幅は約800㎜あり、開口高も高いため乗降性は良好だが、小さな子どもやお年寄りにとっては、3列目の乗降時は足元に注意を払う必要がありそう。リヤゲート地上高は高めだが、左ページにあるようにガラスハッチを備えるのが美点。

全車に先進運転支援機能のプロパイロットを装備したモデル構成は、5ナンバーサイズを維持した標準車、4連LEDヘッドライト、大型Vモーショングリルで迫力を増したハイウェイスター、最上級新グレードとなる、ハンズオフドライブが行なえるプロパイロット2.0を標準搭載する7人乗りの「ルキシオン」が揃う。インテリアはまったく新しい。特にインパネ、メーター、センターディスプレイのデザイン、レイアウトは電気自動車のアリアを彷彿させる先進感たっぷりだ。先代e-POWERモデルで不採用のスマートマルチセンターシートはこの新型ではe-POWERモデルにも採用される。

乗降性

ノンステップではなく、床から1段低い位置にステップを配置。2列目の乗降性は良好だが、3列目はステップに足を置く必要があり、足さばきを意識させられる。1列目はシート高が高めで、乗り降りしやすい。

パッケージングは、ホイールベースが先代比+10㎜にもかかわらず2列目席、3列目席の膝まわり空間を拡大。それでいてラゲッジルームの通常奥行きは先代と変わらないのだから、まさに魔法の居住性優先パッケージに進化。車体後方にスペースがない場所でもラゲッジルームの荷物を出し入れしやすいデュアルバックドアは先代から継承されている。装備面ではe-POWERモデルにステップワゴンにないセレナ初のAC100V/1500Wコンセントを用意したのがハイライト。

インストルメントパネル

直線基調で開放感が高く、前方視界も開けている。メーターとセンターディスプレイを横に並べ、シフトスイッチなどをセンタークラスターに集中配置した先進的な仕立ても特徴。

動力源は2.0ℓガソリン、発電専用のエンジンを1.2ℓから1.4ℓに拡大し、100%電動駆動の駆動力を高めた主力のハイブリッド=e-POWERの2種類。運転席に乗り込めば、視界は全方向良好。実質5ナンバーサイズのボディ幅もあり、即、運転のしやすさを実感できる。e-POWERハイウェイスターで走り出せば、無論、出足からモーター走行。電動車感の強さを実感させられる。

居住性

前席はシートサイズは平均的だが、厚みがあり座り心地は上々だ。三角窓が大きく斜め前の視界もいい。チルト&テレスコピックとシートリフターにより運転姿勢の微調整もしやすい。2列目はヒール段差が高めで深めに腰かけることができるため、長時間座っても疲れにくい。3列目は座面も背もたれもやや平板だが、大人でも座れる足元空間を確保できる。

軽くスッキリとしたステアリングの操作感、100%モーター駆動によるスムーズかつ静かで力強い加速力にも満足できる。ただし、それはドライブモードがスタンダード以上での話。エコモードではアクセルレスポンスと加速力が極端に穏やかになり、幼児やペットを乗せているときには適切だが、キビキビした走りには不向き。スポーツモードにセットすれば、アクセルレスポンスが高まり、パワフルな走りが味わえるだけでなく、100%モーター駆動車感をよりダイレクトに感じることができる。

うれしい装備

ガラスハッチを採用するため狭い場所などでリヤゲートを全開しなくても荷物の出し入れが可能。床面までは約500㎜の高さがある。さらに、ガラスハッチからも3列目の跳ね上げが可能になっている。

ハイブリッド車はワンペダル感覚で加速、減速が可能な「e-Pedal Step」とEVモードスイッチをセンタークラスターに配置する。走行モードはスタンダード、エコ、スポーツ(ハイブリッド車のみ)から選択できる。左は車線中央維持のハンドルスイッチ。

「X」は前ふたつのみだが、それ以外はフロント、2列目、3列目にUSB電源ソケットを備え、スマホやゲーム機などの充電が可能。床下収納は約220㎜の深さがあり、洗車用具などを積載するのに十分な容量を確保する。荷室リッドは3列目に固定できる。

月間販売台数 7138台(23年5月~10月平均値)
現行型発表 22年11月(4WD車追加 22年12月)
WLTCモード燃費 20.6 ㎞/ℓ ※「e-POWER

ラゲッジルーム

箱型ミニバンの美点である大開口を確保する。3列目の跳ね上げ方法は、先代と同じ。片手で操作できるノア/ヴォクシーよりも操作手順が多く、力も必要だ。一方で、低い位置に跳ね上げるため、サイドクォーターガラスの視界と干渉せず、斜め後方の視界を妨げないのが魅力。2列目だけでなく3列目もスライドするため、フル乗車にも奥行きの調整ができる。

乗り心地は先代の穏やかさ優先のタッチから、ボディ、足まわりの剛性アップによってしっかり感と快適感を絶妙にバランスさせたタッチに進化。荒れた路面、段差などでの不快なショック、振動は見事に抑えられている。全車に高度なハンズオフ走行制御を必要とする「ルキシオン」のプロパイロット2.0前提の走行性能が奢られているのも大きな特徴で、操縦性は穏やかながら、リニアなステアリングフィールが好印象。乗員の頭の動きを抑制する安定感の高さも運転のしやすさに直結。車内の静かさはクラストップレベルだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.155「2024 最新ミニバンのすべて」の再構成です。

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