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フェラーリの新型車開発に携われる”XXプログラム”の最新モデルがデビュー! 【究極の新世界】フェラーリFXX-K Evo、誕生!

  • 2017/10/30
  • GENROQ編集部
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Ferrari FXX-K Evo

フェラーリの中でも特別中の特別な存在となる、サーキット専用車による”XXプログラム”。その最新モデルとなる「FXX-K Evo」がフェラーリ最大級イベントのフィナーリ・モンディアーリにてワールドプレミアされた。

フェラーリは、サーキット専用車のXXシリーズの最新モデル「FXX-K Evo」を新たに用意した。これは、イタリアのムジェロで開催されている同社の最大級イベント“フィナーリ・モンディアーリ”にてワールドプレミアされたスペシャルモデルだ。

2005年より始まったこの“XXプログラム”とは、次世代におけるプロダクションモデルの研究及び開発につなげるために企画されたもので、XXシリーズを購入したオーナーの走行データを基にしてフェラーリは新型車を開発する際に参考にすることから、一部のスペシャルカスタマーにとってその開発に携われるとあって注目を集めているプログラムだ。これまでのFXXや599XXと同様に、今回のFXX-K Evoもフォーミュラワンをはじめ、GT3やGTE、さらにワンメイクレースのチャレンジなどで培ってきた技術が多く採用されているのも話題だ。

今回のFXX-K Evoで最大の特徴は、1年に渡りCFD(流体解析)やウインドウトンネル実験などを繰り返し行ったことで得たエアロダイナミクス性能。GT3やGTEに極めて近い数値を実現したというだけに、ダウンフォース係数は、従来型比で23%向上、しかもロードカーのラ フェラーリと比較した場合は75%増に匹敵するという。一例を挙げれば、200km/hで発生するそのダウンフォース量は実に640kgを達成、最高速域では830kgを超えるという。

これを実現できた背景は、リヤに装備したツインプロファイル(2枚の翼)の固定式ウイングによるものだ。これはアクティブ・リヤスポイラーとともに効果を発揮するよう開発され、互いをサポートし、増強し合う仕組みをもっている。さらにモバイルスポイラーの制御ユニットとその可動範囲を緻密に解析・設定することで、ダウンフォースとドラッグの最適化を実現。このツインプロファイル・リヤウイングは、ボディ両端のサイドフィンとセンターフィンで支持されている。そのセンターフィンは、2つの役割を担い、ひとつはヨー角が小さい時のスタビリティを確保するバーチカルフィン、もう一方は3枚のデルタ・ボーテックスジェネレーターのステーとなる。

このボーテックスジェネレーターは、ラジエターからボンネットに抜ける排熱気流よって発生する乱流を整え、ウイングへ理想的な気流を流す。同時にここでダウンウォッシュ(吹き降ろし)を生成して、ツインプロファイル・ウイングで発生するダウンフォース量を増加させ、リヤのシステム・デバイスによってダウンフォース量を10%増加させている。

一方のリヤバンパーデザインも新しい気流構造に合わせて改良された。リヤのホイールアーチ後方のバイパス・エアベントは拡大され、ホイールからの後流を確実に引き抜くことにより、このエリアの乱流を効果的に処理、これによりリヤディフューザーへの気流を保護し、ロスを削減することで5%のダウンフォース増も達成した。

もちろん、リヤのダウンフォースの大幅な増加に伴い、フロントエリアもバンパーおよびアンダーボディのデザインを再構築して全体のダウンフォースを最適化している。フロントバンパーの側面は、ヘッドライト下のエリアを深く内側に抉られるようなデザインに変更し、ここに垂直ターニングベーンを備えた2つのフィンとフロントホイール前方の追加エアインテークを装備。このシステムによって、FXX-K比で10%増というダウンフォースを発生させることに成功した。2016年に導入されたレギュレーションにより、GTレースでは水平フリックと垂直ダイブプレーンの気流管理システムの相互作用に関して広範囲にわたる開発が可能となったが、この技術を生かして今回のフロントエリアにおけるエアロダイナミクス効率の最適化が図らたという。

また、アンダートレーにボーテックスジェネレーターを装備することで、グランドエフェクト性能も強化。これはリヤ側のシステムとフロントアンダーボディによって発生する加速度向上に効果を発揮させるデバイスで、そのダウンフォースはFXX-Kよりも30%増加しているという。

そのほか、パフォーマンスの向上に伴い、新型フロントブレーキ・エアインテークの装備や、サスペンションも空力性能の向上に合わせてセッティングを変更しているほか、ステアリングホイールはフォーミュラワン譲りのパドルやKERSマネッティーノ、そして最新バージョンのテレメトリーシステムのデータによってKERSの状態や計測タイムなどを確認できるシステムも搭載する。

5000kmに及ぶ開発テスト、そして1万5000kmもの信頼性テストを経て、デビューに至ったというFXX-K Evo。言うまでもなく、2018/2019シーズンのXXプログラムの主力となり、3月から10月までの間にサーキット走行が9回予定されている。さらにXX車両は、毎年レースシーズン終了後に開催されるフェラーリの伝統となった権威あるイベント、フィナーリ・モンディアーリにも参加する権利が与えられるというのもフェラリスタにとって大きな魅力となっている。

【SPECIFICATIONS】
《HY-KERS システム》
総合最高出力:1050ps
総合最大トルク :900Nm以上
エンジン最高出力 :860 ps@9200 rpm(最大エンジン回転数: 9400 rpm)
エンジン最大トルク :750 Nm @6500 rpm
電気モーター出力:140 Kw (190 ps)

《エンジン》
タイプ:V型12気筒DOHC
ボア & ストローク:94 x 75.2 mm
総排気量:6262cc
圧縮比:13.5
比出力:137 ps/ℓ

《サイズ & 重量》
全高:1116 mm
ホイールべース:2665 mm
前後重量配分:41:59(フロント:リア)

《ギアボックス》
F1 デュアルクラッチ・トランスミッション 7速

《サスペンション》
フロント:ダブルウィッシュボーン
リヤ:マルチリンク

《タイヤ (ピレリP Zero スリック+センサー)》
フロント:285/650 - R19 x10½
リヤ:345/725 - R20x13

《ブレーキ》
カーボンセラミック・ブレーキ (ブレンボ)
フロント:398 x 223 x 36 mm
リヤ:380 x 253 x 34 mm

《電子制御システム》
ESC スタビリティ・コントロール
高性能ABS/EBD 高性能アンチロック・ブレーキ/
電子ブレーキ・ディストリビューション
EF1-Trac F1 トラクションコントロール統合およびハイブリッドシステム装備
E-Diff 3 第3世代電子デファレンシャル
SCM-E Frs ツインソレノイド(Al-Niチューブ)装備の磁性
流体ダンパーシステム
エアロダイナミクス アクティブ
*ラム圧効果含む(電気 & ICE)

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