2018 Global Mazda MX-5 Cup Challenge ”Special Interview” 直撃!! アメリカで支持されるマツダ・モータースポーツの真実とは?<Part2> 北米マツダ・モータースポーツ・ディレクター、ジョン・ドゥーナン【インタビュー】
- 2018/12/18
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MotorFan編集部
米国セブリングで開催されたマツダ・グローバルMX-5カップ「世界一決定戦」で、北米マツダ・モータースポーツ・ディレクターであるジョン・ドゥーナン氏に「アメリカで支持されるマツダ・モータースポーツの真実」について聞いた。果たして、グローバルMX-5カップの魅力とは?
PHOTO ◎ MAZDA GLOBAL MX-5 CUP / MotorFan.jp
「IMSA参戦は、マツダのブランド価値を確実に高めています」
-----マツダ・グローバルMX-5カップのこれまでの実績について教えてください。
「MX-5カップ(ロードスター)は、ND型に切り替わる前にNC型(MX-5ミアータ)で2006年から10年間やっていました。NC型はレースのベース車両としてもバランスの良いクルマで、ストリートでもサーキットでも走りを楽しめるクルマでした。アメリカでも多くのファンに愛されたモデルで、自然とグラスルーツ (入門レース)を支えるモデルとなりました。クルマがポピュラーになって人気が出てきたところで、我々はマツダ本社と協力してレース用パーツを開発し、サスペンションやブレーキ、スタビなどフルセットを“スペック・ミアータ”として3000セットを販売しました。このスペック・ミアータの成功によってクルマを楽しむ人が増え、いまでは米国におけるグラスルーツ人口の53%がマツダ車で戦っているのです。ミアータを除くと36%となります」
-----ND型になってから、どのような動きがありますか?
「2016年にスタートしたND型では、シリーズ名を“グローバルMX-5カップ”に変更すると同時にロングロードレーシング社の製作によるコンプリートカー販売に切り換えました。初めてのことでしたので緊張しましたが、受付開始から24時間で50台を越えるオーダーがあり、これまでに累計197台を販売して成功につながりました。ひとつのファクトリーでマシンを製作することで、真のワンメイクレース、すなわちイコールコンディション化が図れることが証明できました。2018年の米国シリーズは、一戦あたり平均30台がエントリーしています。グローバルMX-5カップは日本と米国でスタートしましたが、これを欧州やオーストラリア、アジアに広げてグローバルに展開していきたいと思います」
-----マツダはアメリカでラダーシステムを展開していますが、グローバルMX-5カップの意味合いについて教えてください。
「米国でグラスルーツに参加している人口は1万3000人います。ジムカーナやロードレーシングでチャンピオンシップを獲得し、スカラシップ制度によって7万5000USドル(邦貨で約850万円)の奨学金を得てグローバルMX-5カップにステップアップする選手もいます。年間費用は、タイヤを含めると1000万円で参加できます」
-----マツダは、ROAD to 24とROAD to INDYというふたつのスカラシップを展開してきました。
「マツダROAD to INDYは11年間続いてきましたが、残念ながら今シーズンをもって終了することになりました。フォーミュラカーではなく、もう少しスポーツカーというプロダクト寄りにシフトしよう、という会社の判断です。ROAD to INDYは、11年間で250人のドライバーに1300万USドル(約15億円)の奨学金を提供してきまたした。また、今年のインディカーで活躍した選手33人中25人が、なんらかの形でROAD to INDYに関わってスカラシップを受けています」
-----スポーツカーに集中する最大の理由はなんですか?
「限られたリソースをどのように活用していくかということを検討するなかで、マーケティングに活用できる市販車に近いカテゴリーのほうが良いという判断です。マツダのモータースポーツ活動の頂点であるIMSAの車両(マツダRT24-P DPi)は市販車ベースではありませんが、前田(育男)さんによる魂動デザインを採用することでイメージの統一を図っています。これによってマツダというブランド価値を確実に高めることにつながっています。ですので、これは自然の流れだと思います」
-----マツダは、昨年から名門ヨーストと共にIMSAを戦っていますが、その成果と現状についてはどう分析していますか?
「ご存知のとおり、ヨーストは16回に渡ってル・マン24時間レースを制した名門チームで、マツダもまたル・マンで数々の歴史を刻んできました。両者がタッグを組むことで、チャンピオンシップで優勝を争う素晴らしいチームができると確信しました。さらに、シャシー開発はカナダのマルチマチック社、エンジンはマツダとAER社が共同開発することでシリーズ制覇を狙える体制が整いました。最近では、ラダーシステムから上がってきたドライバーがIMSAに挑み、IMSAシリーズ最終戦では2位、3位を獲得することができました。2019年は結果が出せると確信しています」
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