新開発のFA24型2.4L水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載 スバル・アセント…B9トライベッカの後継車となるスバル車最大の3列シートSUV【これは欲しい! 日本で正規販売されていないクルマ】
- 2020/11/18
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遠藤正賢
「なんでこんないいクルマが日本で普通に買えないんだ!?」
そのブランドのファンや関係者ならずとも、そう憤慨したくなるような日本未導入モデルは、グローバル化がこれだけ進んだ今なお、数え切れないほど存在する。
そんな、日本市場でも売れるorクルマ好きに喜ばれそうなのになぜか日本では正規販売されていないクルマの魅力を紹介し、メーカーに日本導入のラブコールを送る当企画。今回は、スバルの北米専売3列シートSUV「アセント」を紹介したい。
TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●SUBARU
AWDといえば、スバルが高い独自性を持ち強みとする技術、「ボクサー(水平対向)エンジン」「シンメトリカルAWD」「アイサイト」のうちの一つ。背の低いモデルに関しては1972年の初代「レオーネ4WDエステートバン」まで遡るほど長い歴史を持つものの、背が高く広い室内空間を備えたSUVを作り始めたのは比較的最近のこと。
2005年より北米などで販売された、スバル車で最も大きいミドルラージサイズのSUV「B9トライベッカ」が最初のモデルで、日本国内では2007年末に三代目「フォレスター」がデビューするまで待たなければならなかった。
なおB9トライベッカは、航空機をモチーフとした「スプレッドウイングスグリル」が彼の地では不評だったのか、2007年のマイナーチェンジで力強さを強調したフロントマスクに一新。水平対向6気筒エンジンも3.0L(EZ30型)から3.6L(EZ36型)に排気量アップし、車名も「トライベッカ」に変更された。
トライベッカはその後2014年に販売終了となったが、約3年後の2017年11月、3列シートを備える新たなミドルラージSUV「アセント」がロサンゼルスショーで世界初公開。翌2018年より販売が開始された。
アセントはトライベッカの事実上の後継車種で、スバル車の中で最も大きいボディサイズを持つという立ち位置も同じ。内外装のデザインは極めてオーソドックスで、レトロモダンなB9トライベッカとは好対照だが、その分このクラスに求められる質感は十二分に備えており、室内の居住性や使い勝手も優れている。
メカニズムのベースは、現行インプレッサ以降の各車に採用されている最新世代の「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」。高いボディ・シャシー剛性を確保することにより、振動が小さく静粛性も高い快適な乗り心地を3列目まで実現した。
また、4998×1930×1819mmという長大なボディサイズながら、アイサイトを全車標準装備するだけではなく、死角の少ないピラー形状とし、カメラ・モニター類も充実させることで、0次の安全性能を高めているのも、スバルらしい特徴と言えるだろう。
エンジンは全世界的なダウンサイジングの流れもあり、新開発の2.4L水平対向4気筒直噴ターボ(FA24型)を全車に搭載。排気量、気筒数とも2/3に減ったものの、264ps&376Nmというパフォーマンスは、トライベッカのEZ36型を上回るものだ。
そんなアセントだが、トライベッカと同じく、残念ながら日本に導入される計画は、今の所ない模様。だが、今の日本のマーケットは、15年前とは大きく異なる。全幅1900mm超の高級SUVに加え、3ナンバー幅を持つモデルがBセグメントでも輸入車を中心として珍しくなくなった。そして何より、ミニバンが大きく衰退し、3列シートのSUVがそれに取って代わりつつある。
だから今、「アセントはサイズが大きいから日本には不向き」と断じるのは、むしろ不自然にさえ思えてくる。日本市場の国産車には競合となりうるモデルがマツダCX-8しかない今のうちに、アセントが日本上陸を果たすことを強く願う!
■スバル・アセント リミテッド(F-AWD)*北米仕様
全長×全幅×全高:4998×1930×1819mm
ホイールベース:2890mm
車両重量:2040kg
エンジン形式:水平対向4気筒DOHCターボ
総排気量:2387cc
最高出力:194kW(264ps)/5600rpm
最大トルク:376Nm/2000-4800rpm
トランスミッション:CVT
サスペンション形式 前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前後:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ 前後:245/50R20 102H
乗車定員:8名
車両価格:3万9345ドル(約410万円)
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