23年のMサイズミニバンの新車販売数でトップ「トヨタ ノア」 Mクラスミニバンでの販売台数ナンバー1の実力派「トヨタ・ノア」【最新ミニバン 車種別解説 TOYOTA NOAH】
- 2024/06/17
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MotorFan編集部
23年のMサイズミニバンの新車販売数でトップとなった「トヨタ ノア」。パワートレインはハイブリッド、自然吸気の2種類、また定員数、駆動によって細分化され、ユーザーにフィットするグレードが用意されている。車内の装備もシートアレンジや荷室の使い勝手は良く、安全装備や運転支援機能も充実し、安定した人気も納得だ。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/工藤貴宏(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:花乃衣美優
パワートレインで違う居住性 安全運転支援機能は全車充実
2023年度上半期(4〜9月)に、国内で最も多く登録された3ナンバーボディのミドルサイズミニバンはノアであった。基本部分を共通化したヴォクシーは、エアロパーツを装着する上級シリーズのみの設定だが、ノアには価格を抑えた標準ボディもある。パワートレインは、1.8ℓ直列4気筒のハイブリッドと2.0ℓの自然吸気で、グレードの選択肢も多い。
エクステリア
ノアはライバル車のセレナに比べて床が80㎜ほど低く、乗り降りしやすい。全高の割に室内高に余裕があり、多人数で乗車しても快適だ。3列目のシートは、座面が少し短いが、床との間隔は十分に確保されるから膝がもち上がる窮屈な姿勢になりにくい。注意したいのはパワートレインによる居住性の違いだ。ハイブリッドは、リチウムイオン電池の搭載により、2列目に座る乗員の足が1列目の下側に収まりにくい。そのために自然吸気と同等の快適性を得るには、2列目を少し後方へ寄せる必要がある。この影響で3列目の足元空間が狭まるから、居住性は自然吸気の方が快適だ。
乗降性
シートアレンジは充実している。3列目は、レバーを引くと自動的にもち上がり、サイドウインドウ側へ押し付けるとロックする。重いシートをもち上げたり、ベルトで固定する必要はない。また3列目を格納すると、2列目を後方へ大きくスライドできる。足元空間が広がり、リラックスできて、足元にバッグなどを置けて便利だ。リヤゲートは任意の角度で止められるから、狭い場所でも荷物を出し入れしやすい。左側には、電動スライドドアを開くと自動的に張り出すユニバーサルステップが3万3000円の低価格で用意され、乗降性をさらに向上させられる。
インストルメントパネ
ノアは現行型でパワートレインやプラットフォームを刷新した。そのために走行性能も向上した。自然吸気は実用回転域の駆動力が高まり、ミニバンとしてはパワー不足を感じにくい。ノイズも小さく抑えた。ハイブリッドは第五世代に進化して、同様に実用回転域の駆動力を高めた。登坂路ではノイズが少し耳障りだが、先代型に比べると静かだ。WLTCモード燃費は、売れ筋のエアロ仕様でも23.0㎞/ℓに達する。19.0㎞/ℓの先代型から現行型に乗り替えると燃料代を17%節約できる。
居住性
走行安定性もミニバンでは満足できる。先代型はステアリングホイールを回し始めたときの反応が少し曖昧だったが、現行型は正確になって運転しやすい。後輪の接地性が高く、下り坂のカーブでも車両の挙動が不安定になりにくい。その代わり乗り心地は、40㎞/h以下では少し硬く、路上のデコボコを伝えやすい。特に17インチタイヤを履いた最上級グレードの「S―Z」は硬めだ。ミニバンらしい快適性を重視するなら、操舵感は少し穏やかになるが、16インチ装着車を選びたい。
うれしい装備
ACCやハンドルの車線維持支援機能に加え、高速道路渋滞時にハンドルから手を離して運転ができる機能(ハンズオフ)も用意。荷室床下には、機内もち込みサイズのケースも余裕で収まる広い空間を用意。ハイブリッド車もガソリン車と同容量だ。
ハイブリッド車に用意されるAC100V電源は、1500W(通常の車載電源の10倍以上)という大容量でアース付き。「Z」系グレードの2列目左右シート間に備わる大型テーブルは、充電用USB端子まで用意。ホスピタリティの高さがうれしい。
月間販売台数 8433台(23年5月~10月平均値)
現行型発表 22年1月
WLTCモード燃費 23.4 ㎞/ℓ※「HYBRID X」のFF車
ラゲッジルーム
安全装備と運転支援機能も充実した。低速時にステアリングホイールから手を離しても運転支援を受けられるアドバンストドライブなどは、クラウンクロスオーバーでも上級のRSでないとオプション装着できない。それがノアでは最廉価を除く全グレードに用意される。装備の充実度はノアを選ぶ大きなメリットだ。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.155「2024 最新ミニバンのすべて」の再構成です。
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