エンジン 対向ピストンエンジン opposed piston engine/opposed cylinder engine
- 2019/12/26
1本のシリンダーの中でピストン同士が向き合い、対称運動しながら双方のピストン冠面が燃焼室を形成するエンジン。通常のレシプロエンジン同様にピストン、コンロッド、クランクシャフトを持ち、クランクシャフトは向かい合うピストンからもっと遠い位置、つまりエンジン上下端(シリンダーを横に寝かせる場合は左右端)に合計2本ある。同じ質量のピストンが向かい合って対称運動し、クランクシャフトは互いに逆回転するため振動が小さいほか、通常の2気筒分のシリンダーで燃焼室がひとつになるためシリンダー壁面から奪われる熱が少なく冷却損失に優れる。かつて1940年代には潜水艦や戦車などに採用されていた。21世紀に入って、その熱効率の高さと低振動・低騒音という性格が見直され、日欧米で新世代対向ピストンエンジンの研究が行われている。
-大車林