マグナ:中国にe-パワートレインの合弁会社を設立
- 2017/10/20
- Motor Fan illustrated編集部
グローバル市場での電動パワートレイン製品の提供拡張と中国での拠点強化のため、マグナは、上海汽車の子会社である華域汽車系統服份有限公司(HASCO)と合弁契約を締結した。この合弁会社は、ドイツの自動車メーカー向けに電動ドライブパワートレインシステムを生産する予定。10月18日、中国・上海に両合弁パートナーからのエグゼクティブが参加し、合弁契約締結式が行われた。
マグナは、乗用車と小型トラックを駆動する多彩で革新的な製品を開発・生産している。
この合弁会社は最初の顧客からの発注について、マグナの革新的な技術を活用し、主に中国市場向けのシステムに注力をした高度統合化電動ドライブシステムを生産する。マグナとHASCOはこの合弁会社において、市場開発、R&D、先進生産、ギアボックス、インバーター部品、e-モーターなど先進パワートレイン技術と競争力のある製品ポートフォリオを顧客に届けるために、キーとなる部品に関連したコアな能力をローカライズするため、フルでサポートする。
上海汽車のプレジデント兼HASCO の副会長であるChen Zhixin 氏は、「新エネルギー車(NEV)市場は、中国で非常に早いスピードで成長し続けるでしょう。このトレンドを基に、上海汽車は自動車の電動化、コネクティビティ―、インテリジェンスやシェアリングエコノミーに重きを置いた“新4近代化戦略”を開発しています」とし、「NEV 電動パワートレインに関連した協業を開始するためにHASCO とマグナは、両社の強みの強固なコンビネーションを示すこの合弁会社を設立します。この合弁会社の設立は、キーとなる新エネルギー関連コンポーネント分野や上海汽車の“新4近代化戦略”を強化する重要な手段となるコア能力を開発するための節目となります」とコメントしている。
マグナのCEO であるDon Walker は、「中国は、世界で一番成長率の高い市場です。また、ハイブリッドと電動自動車を市場にもたらすように意図的に統率してきました」とし、「HASCO とマグナの強みを組み合わせることで、マグナとこの合弁会社を未来の成長と成功に導く助けになります」とコメントしている。
マグナは、電動パワートレインを開発・生産する技術と経験を持つ。これは、e-モーター、ギアボックス、インバーター、制御ソフトウェアなど、現代のe-ドライブシステムのキーとなる全てのコンポーネントを含む。
10 年ほどの間、マグナは、バッテリー式電動自動車やプラグインハイブリッド車向け製品においてコンセプトから生産まで、アメリカや欧州の顧客をサポートしてきた。2009 年、ゼロ排出ガス リチウムイオンバッテリー車(BEV)を製品化するため、フォード社と車両開発パートナーシップを締結。この車は、フォード・フォーカスBEV となり、2011 年に市場に売り出され、今日も販売されている。マグナは、電動モーターや電子制御モジュールを提供し、電動駆動システムとその他新システムの車両アーキテクチャへの統合で重要な役目を果たした。
さらに2012 年から、マグナはボルボV60 とS60 プラグインハイブリッドモデルに採用された電動リアアクスルドライブシステム(eRAD)をボルボ社に納入している。マグナのeRADシステムは、ガソリン車やディーゼル車の前輪駆動パワートレインを後輪に動力を供給する独立した電動パワートレインで補完。四輪駆動も可能にしつつ、複数のハイブリッド駆動モードを可能にする。今年初めには、このようなシステムを納入したことによる極めて優れたパフォーマンスが認められ、ボルボ社からボルボカーズ品質エクセレンス(VQE)アワードを受賞した。