BMW M のフラッグシップ新型M8が積むV8ツインターボエンジン、625psのS63B44型
- 2019/06/25
- Motor Fan illustrated編集部
BMW M社の新しいフラッグシップモデルとして新型M8がデビューした。4.4ℓのV8ツインターボエンジンは、M8が600ps、M8 Competitionでは625psというハイパワーを誇る。その4.4ℓ90度V8ツインターボの技術を見ていこう。
S63B44型
BMWの新型M8が搭載する4.4ℓV型8気筒は、吸排気を逆にしてバンク間に2基のツインスクロールを置いて過給する方式を採る。バンク内に排気し、ターボチャージャーを収めることで、タービンまでの距離を短くできること、全体の配管取り回しがコンパクトにできること、いちばん熱を持つデバイスを冷えやすい頂上に置くことなどがメリットとして考えられる。V8エンジンは、N63型とそれをベースにBMW M社が開発したS63型がある。
直近までのBMWのエンジンはボアピッチを91mmに揃えたモジュラー設計だったが、始点を1990年まで遡るこのV8エンジンはボアピッチが98mmと長めにとってある。その理由はおそらく5.0ℓ級までV8エンジンでカバーするメルセデスのエンジンラインアップを睨んででのことだったのだろう。それゆえ、BMWエンジンをしては唯一、90.0mm以上のビッグボアだったが(S62やN62のボアは94.0mmのボア径だった)、現行のN63/S63は89.0mmと80mm台に収まっている。燃料の最大噴射圧は350bar。もちろん筒内燃料直接噴射(DI)だ。M8搭載のS63では、サーキット走行を考慮して、オイルパンのフロント側に小型のオイルチャンバーをを搭載し、極度の横方向および前後方向の負荷のかかる状況下でも必要に応じて小型チャンバーから追加でオイル供給を可能にする吸引システムを採用している。
M8 Competitionが搭載するS63型はさらにチューンの度合いが上がり、最高出力625ps/6000rpmを発生する。
エンジン形式:90度V型8気筒DOHCターボ
エンジン型式:S63B44
排気量:4395cc
ボア×ストローク:89.0mm×88.3mm
圧縮比:10.0
最高出力:600ps(441kW)/6000rpm
最大トルク:750Nm/1800-5600rpm
給気方式:ターボチャージャー
カム配置:DOHC
ブロック材:アルミ合金
吸気弁/排気弁:2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
燃料噴射方式:DI
VVT/VVL:In-Ex/◯
N63B44型
シリンダー配列 V型8気筒
排気量 4395cc
内径×行程 88.0mm×88.3mm
圧縮比 10.0
最高出力 530ps(390kW)/5500rpm
最大トルク 750Nm/1800-4600rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI
VVT/VVL In-Ex/×
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