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川崎重工:世界初の液化水素運搬船向け「海上輸送用液化水素タンク」の搭載が完了

  • 2020/03/10
  • Motor Fan illustrated編集部
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海上輸送用液化水素タンクの搭載の様子

川崎重工は、3月7日、播磨工場にて、世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」に海上輸送用液化水素タンクを搭載した。今後、神戸工場にて船内配管などの艤装工事を実施し、2020年10月頃に竣工予定。その後、本船は日本近海での運航試験を経て、2020年度中に実施される国際水素エネルギーサプライチェーン構築に向けた技術実証試験※1に投入され、豪州で製造された液化水素を日本へ輸送する。

 液化水素タンクは、マイナス253℃に冷却し、体積が気体の800分の1となった液化水素を、安全かつ大量に長距離海上輸送することを目的に開発した。タンクは内外2つ重ねてその間を真空にする「真空断熱二重殻構造」を、また内側タンクの支持部にヘリコプターのローターブレードにも使われる高い強度を持ちつつ熱伝導を抑制することが可能なガラス繊維強化プラスチックを採用し、陸上用液化水素タンクや液化天然ガス用タンクの製造で培った極低温設備の製造ノウハウを集結して究極の断熱性能を実現している。

 川崎重工は、持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みとして、水素社会の実現に向けた「つくる」「ためる」「はこぶ」「つかう」のすべてのフェーズで開発プロジェクトを進めている。引き続き、安全かつ着実に液化水素運搬船の建造を進めることで水素社会の実現を目指す。

サプライチェーンの実証構成

(参考)
 川崎重工は、水素が石油や天然ガスと同じように一般的に利用される社会の実現に向けて、2016年に岩谷産業株式会社(以下、岩谷産業)、シェルジャパン株式会社、電源開発株式会社(Jパワー)と、技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構※2「HySTRA」を結成し、NEDO※3 の支援のもと、経済的かつ安定的に大量の水素を調達するためのエネルギーサプライチェーンの構築に向けた技術開発を進めている。
 現在、液化水素運搬船のほか、液化水素の受入基地を兵庫県神戸市に、褐炭ガス化設備を豪州に建設してる。
 また2018年から川崎重工、岩谷産業、Jパワー、丸紅株式会社、AGL Loy Yang Pty Ltdでコンソーシアム※4 を組み、豪州連邦政府およびビクトリア州政府より補助を受けてガス精製設備、水素液化・積荷基地などを建設している。

海上輸送用液化水素タンク

※1 NEDOの「未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業」として実施予定。
※2 CO2フリー水素サプライチェーンの構築および商用化に向けて、褐炭を有効利用した水素製造から、輸送、貯蔵に至るまでの技術確立と実証を主目的として設立された。なお、2018年に丸紅株式会社、2019年8月にはJXTGエネルギー株式会社、同年12月に川崎汽船株式会社が新たに加入。
※3 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization)
※4 2019年10月に住友商事株式会社が新たに加入。

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