ボルグワーナーのシーケンシャルツインターボR2S、メルセデス・ベンツの2.0ℓディーゼルに採用 ディーゼル向けで初めて鋳鋼製タービンハウジングを使ったボルグワーナーのターボ、メルセデスに搭載
- 2019/06/19
- Motor Fan illustrated編集部
ボルグワーナーは、同社のシーケンシャルツインターボシステム、R2Sがメルセデス・ベンツの2.0ℓ直4ディーゼルの高性能版に採用されたと発表した。2.0ℓディーゼルで241HPというハイパワーを実現する高性能ターボシステムだ。
ボルグワーナーのR2Sは、Regulated Two-Stageターボの名前通り、低回転域ではひとつのタービンを駆動し、中高速回転域ではさらにもうひとつのタービンを追加して駆動する、いわゆるシーケンシャル・ツインターボ・システムである。
これまでも、BMWの3.0ℓ直列6気筒ディーゼルターボ(B57型)やジャガー・ランドローバーの2.0ℓ直4ディーゼルターボなど、高性能ディーゼルに採用されてきた。
今回、メルセデス・ベンツとボルグワーナーの長期的な協力関係で、新たにOM654型2.0ℓ直列4気筒ディーゼルの高性能版にR2Sが採用されたと発表している。
OM654はメルセデス・ベンツの最新モジュラー・ディーゼルエンジンで、R2Sを使う高出力版は2.0ℓながら241HP(180kW)という最高出力を発揮する。採用されたR2Sは、高圧段に高性能なVTG(可変タービンジオメトリー)ターボチャージャーと低圧段にウェイストゲート付きターボチャージャーを組み合わせている。
作動原理を簡単に説明しよう。高圧段のVTGターボチャージャー内のS型ガイドベーンがタービンホイールの入口で流入角と速度を変更し、タービン出力を制御する。また、タービンの断面積が継続的にエンジンの作動状態に適応をして変化し、燃費向上と排出ガスの低減を図る。エンジン回転数が上がると、バイパスが排気流を大型の低圧段ウェイストゲート付きターボチャージャーに徐々に迂回させる。
これだけの高出力ながら厳しい排出ガス基準であるEUro 6d TEMPをクリアしている。R2S過給システムは、エンジンマップ全体にわたって最適な給気を実現する。
また、ディーゼル向けとして初めて鋳鋼製タービンンハウジングを採用したこともトピックだ。鋳鉄製タービンハウジングは優れた耐熱性を備えている。またボルグワーナーの先進技術により、水冷式電動アクチュエーター、ベアリングシステム、コンプレッサーハウジングを極めてコンパクトなパッケージに統合している。
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