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内燃機関超基礎講座 | 48V電装にするとどうなるか:欧州勢を主体に進むCO2削減のための一手

  • 2021/04/07
  • Motor Fan illustrated編集部
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ボッシュのブーストレキュパレーションシステム。オルタネーターに48Vを印加し、モーターとしてベルトを介してエンジントルクのアシストとして活用するシステムを提唱。そのための専用バッテリーを車両後方に搭載する。従来の12Vシステムから大がかりな変更を伴わずに、低コストで電動化のメリットを得られるのである。

電動化はCO2排出量削減に有効な策。しかしシステムを組むにはコストがかかりすぎる。ならば従来の12V電装をもう少し工夫することでメリットを得る。48Vという数字が生み出す効果とは。

基本的に、動力源としてのエンジンは使いにくいものである。クルマを動かすためのトルクを得るためには回転を上げる必要があり、しかもスイートスポットが非常に狭い。だからこそ自動車用エンジンにはその狭いスイートスポットを生かすための変速機が必要なのである。

スイートスポットを外れたエンジンの効率は非常に悪く、そのため高効率を得るためのさまざまな手段が講じられている。機械損失や冷却損失などの回復を図り、エンジン自体の構造に工夫を凝らすのはもちろんのこと、つねに熱効率の高いポイントを狙い撃ちするCVT、熱効率の悪いエリアをそもそも電動モーターで肩代わりするハイブリッドなど、システムとしてエンジンの脆弱さをサポートする手段も盛んだ。

その手段のうち、もっとも注目を浴びているうちのひとつが、電動化である。究極は、エンジンを使わずに電動モーターのみを動力源とするBEV(バッテリーEV)だが、バッテリーの出力密度がまだ現在のエンジン車に比べると価格/性能ともに実力レベルにはなく、現実解としてHEV(ハイブリッドEV)が主流。しかし、さらにコストをかけずに電動化のメリットを享受したいと考えた欧州勢が編み出したプランが、48Vのソリューションだ。

常時、電動モーターのトルクを使うのではなく、必要なときのみアシストとして用いる。寒冷地における急速暖房にも高電圧の効果は高い。通常の12Vに対して高電圧とすることで同電力なら電流値を下げられ、ハーネス設計にも余裕が生まれるためだ。48Vという数字は、万一の漏電時にも人体に深刻な影響を与えないことから定められている。

日産・Sハイブリッドの例。48Vソリューションではないが、やはりオルタネーターをモーターとして用いることでトルクアシストとするシステム。アイドルストップからの回復時にも用いることで、スムーズに再始動できる。

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