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内燃機関超基礎講座 | 軽初のターボエンジン三菱[G23B-T]キャブターボ2態それぞれの特質

  • 2021/06/18
  • Motor Fan illustrated編集部
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ターボ過給が流行だった80年代初頭の日本市場で、「ターボフルライン化」を目指し三菱自動車が投入した軽自動車初のターボエンジンがG23B-Tである。

G23B型は三菱自動車の2気筒エンジンシリーズ:2G2系に属するエンジンで、359ccの2G21型/471ccの2G22型に続いて1977年に登場した。排気量は当時の軽自動車規格に則した546ccで、排ガス対策MCAや振動低減のサイレントシャフトなど、最小排気量ながら三菱自動車独自の技術をきちんと搭載していたのが特徴であった。

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G23B-Tは1982年2月に登場した『ミニカ』に搭載される。用いるターボは三菱重工業のTD02型、タービンホイール径34mm/コンプレッサホイール径34mm、最高許容回転数27万rpm、重量2.5kgという仕様で、当時世界最小の自動車用ターボチャージャーだった。これをG23B型に備え、39ps/5.5kgmの性能を引き出している。

G23Bの燃料供給装置はキャブレター。ターボチャージャーはその上流に置く格好とした。前年の1982年2月に『ミラージュ』がやはりターボ過給化した1400ccのエンジンを搭載し市場投入、その際はキャブ→コンプレッサー→エンジンという具合に、つまりターボの上流にキャブを置くレイアウトとしていた。G23B-Tとは対照的だったのだ。

ミラージュのG12B-T型が採用した吸気レイアウト。なお、G12B-Tも当時の最小排気量ターボユニットだった。

キャブを上流(ターボより前)に置くと、キャブのバタフライバルブの開閉によらずコンプレッサホイール〜吸気ポートに抵抗が存在しないため、タービンが回り続けられる性質を持つ。つまり、ターボラグを感じづらい特性にすることができる。一方で燃料供給装置からエンジンまでの流路が長くなることからエンジンのレスポンスは悪くなる傾向にある。また、コンプレッサーは混合気を圧縮する仕事となるため、シーリングにも気を払う必要がある。

キャブを下流(ターボより後)に置くと逆の性質となる。つまり、ターボレスポンスには難が出るものの、エンジンの応答性を確保できる。G23B-T型は2気筒ゆえの吸気脈動が強く、キャブをターボより上流に備えるとドライバビリティが悪化することが懸念されたことから、ターボ→キャブ→エンジンのレイアウトとされた。キャブはコンプレッサーで圧縮された空気を受け止める必要があるため、加圧式のシール強化したタイプが用いられている。

ミラージュが積んだG12B-T型エンジン。管長が長くなることによるレスポンス回復手段として、ターボチャージャーは専用のハウジングを用いてエンジンに近づけていた。

ユニークだったのはG23B-T型/G12B-T型ともに、自然吸気版と同じ圧縮比としていたこと。具体的には9.0の値だった。これは両機ともに高出力志向ではなくトルクアップを狙っており、過給圧を徒らに高めていなかったため。当時の『モーターファン』による試乗レポートでも低回転域からの大トルク特性や燃費の良好な点が報告されている。

■ G23B-T
気筒配列 直列2気筒
排気量 546cc
内径×行程 70.0×71.0mm
圧縮比 9.0
最高出力 39ps/5500rpm
最大トルク 5.5kgm/3500rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 SOHC
吸気弁/排気弁数 1/1
バルブ駆動方式 直打
燃料噴射方式 PFI
VVT/VVL ×/×
(ミニカ・アミLターボ)

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