「自転車=軽車両」という意識の欠如が事故を誘発する!? 実は自転車が1番危なかったりする交通事故の現状をチェック!【交通取締情報】
- 2018/04/03
- 「東新宿交通取締情報局」
今、警視庁がホームページで公開している「速度管理指針」。交通事故を減らすためにクルマの走行速度を適切に管理する意義を唱えているレポートだが、その生活道路に関する記述の中で、意外な事実を発見!
☆生活道路での自動車vs自転車の事故率は、vs歩行者のほぼ2倍!
警察庁によれば、平成26年から28年の3年間に管内の生活道路で起こった交通事故の内、自動車(第1当事者)と歩行者(第2当事者)の交通事故の割合は17.6%、自動車(第1当事者)と自転車(第2当事者)の交通事故の割合は 34.8%となっているという。自転車の事故率ってそんなに高いんだぁ、とちょっとびっくり!
まっ、よく考えてみれば自転車のスピードは歩行速度より遙かに速く、また、特に道路の狭い生活道路では、車道を走らざるをえないことも多いため、当然、自動車と絡む機会が多くなる。事故率が高いのもうなずけるというもの。速度が高ければ衝撃度も増す(速度の2乗に比例する)から、悲惨な事故にもつながりやすい。
自転車はそもそも、道路交通法上では歩行者ではなく「軽車両」と規定されている。つまり、自動車と同等に交通法規を遵守する義務が課せられているのだ。が、現実を見ると、信号無視は日常茶飯事。さらに、歩行者がいる歩道をスピードも落とさずに我が物顔で走り抜けたり、突然、車道を斜めに横断したり、と「軽車両」を運転している意識はほとんどなく、それどころか歩行者気分で縦横無尽(傍若無人?)に走り回っているのが現状だ。ところが自転車は、自動車に対して「弱者」と位置づけられているので、誰が見ても自転車側に非があっても、自動車の運転者は責任を免れることはできない。お互いに交通法規をちゃんと守った上での歩行者優先であり、自転車優先のはずなのに、だ。
となると、自動車ばかりに目くじらを立ててないで、もっと自転車の取り締まりにも力を入れれば、より効果的に交通事故が減るのでは? スマホの普及により自転車の事故が増え、警察もようやく重い腰を上げて取り締まりを実施してはいるが、その場しのぎではなく、ぜひ「軽車両」を運転していることをちゃんと意識させるような対策を練るべきだろう。
ところで、そもそも自転車って、横断歩道を渡ってもいいんですかね?
道路交通法の横断歩道に関する規定は以下の通り。
「道路標識又は道路標示により歩行者の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分(道路交通法第1章第2条第4項第1号)」
つまり、横断歩道は文字通り歩行者専用であり、軽車両である自転車が横断歩道を渡るなんてまかりならん、ということに法律上はなっている。ところが、道交法施行令2の歩行者用信号の欄に、
「人の形の記号を有する青色の灯火:自転車は、直進をし、又は左折することができること。」
「人の形の記号を有する青色の灯火の点滅:自転車は、道路の横断を始めてはならず、また、当該信号が表示された時において停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除き、停止位置を越えて進行してはならないこと」
などの記述があるところを見ると、自転車が横断歩道を渡ることを禁止しているわけではないということが見て取れる。つまり、渡っていいとは言ってないけど、渡るときはこうしなさいよという、なんともあやふやな解釈がされているということだ。(自転車の通行が認められている歩道ではどうしても横断歩道を渡ることになるが、その場合も横断歩道を渡ってもいいという条文はどこにもない。
ま、手っ取り早く言えば、全面的に黙認されているということだ。
ただし、自転車を押して歩いている時以外は歩行者とは認められていないので、もし、横断歩道上で自動車との事故が起こった場合には「過失相殺」が適用されることになる。原則的に歩行者のように「過失0%」にはならない。そこだけはちゃんと抑えておこう!
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