ハンドリングの正確さではハッチバックCVT、より静かで乗り心地に優れるのはセダン16インチ 新型 シビック ハッチバックCVTvsセダン16インチ比較試乗インプレ|両車ともスポーツカーなみの低重心感と高級車顔負けのフラットライドに驚愕!
- 2018/05/05
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遠藤正賢
本田技研工業(ホンダ)が2017年9月末に発売し、以来仕様によっては納期が半年に及ぶほどの人気となっている新型10代目シビック。大きく分けて4種類の仕様の中から、本稿ではCVTを搭載する「ハッチバック」の本革&パワーシート装着車と、「セダン」16インチタイヤ装着車を比較する。
車庫から出てステアリングを切ったその瞬間、圧倒的な重心の低さとシャシー性能の高さを感じ取れるクルマなど、この世界に一体何台あるのだろうか? しかも、超低速域の乗り心地を代償とせずに。しかもこのクルマは、スポーツカーではなくファミリーカーである。
新型シビック初体験となったハッチバックCVT車に乗った直後、脳裏に浮かびすぐにメモを取ったのが、この言葉だった。
その圧倒的な低重心感をもたらしている最大の要因は、このハッチバックとその超高性能モデル「タイプR」を含む全車に採用された、新開発のCセグメント車用プラットフォームだ。
「低重心・低慣性・軽量・高剛性」をキーワードに開発された新世代プラットフォームは、シビックのハッチバック車では初めてリヤにマルチリンク式のサスペンションを採用。フロントはL字型ロアアームと高剛性サブフレーム、前後方向の微細な振動を吸収する液封コンプライアンスブッシュを組み合わせたマクファーソン・ストラット式とした。
さらに、ピニオンギヤを入力側とアシスト側の2ヵ所に設置しつつ、ラックギヤ比を中央部と左右部で異なるものとした「デュアルピニオン可変ギヤレシオEPS」と、操舵角や転舵速度からドライバーが意図する走行ラインを推定し、4輪のブレーキを独立制御して車両挙動をコントロールする「アジャイルハンドリングアシスト」を採用している。
ボディも一新されている。ホットスタンプ材など軽量素材を多用するとともに、ボディ全体の骨格を組み立ててから外板を溶接する「インナーフレーム骨格構造」、リヤ環状構造、フロア下高効率補強ブレース、大断面のセンタートンネルと井桁状の骨格部材を組み合わせた「高剛性・低振動フロア構造」を採用。セダンでは先代9代目に対し、ねじり剛性が25%アップしつつ22kg軽量化された。
パッケージング自体も「低重心・低慣性」を主眼に設計されたことが如実にうかがえるもので、ハッチバックの全長×全幅×全高は4520×1800×1435mm、ホイールベースは2700mm。幅こそ他社のCセグメントハッチバック車と同等だが全長とホイールベースが長く、全高は際立って低い。同等の低さを持つのはルノー・メガーヌだけだ。
これらの効果は、高速域はもちろんタウンスピードでも体感できるほど覿面(てきめん)で、交差点を普通に曲がった程度では全くと言っていいほどロールを感じさせない一方、大小問わずあらゆる路面の凹凸をキレイにいなし、車体とドライバーの視点を常にフラットに保ってくれる。
この走りには、ハッチバック全車に装着される235/40R18 95Yのグッドイヤー・イーグルF1アシンメトリック2も大きく寄与しているのだが、写真のトレッドパターンからもうかがえる通り、静粛性や乗り心地よりもドライ・ウェットグリップとハンドリングを重視した設計で、荒れた路面でのロードノイズは決して小さくない。ただし振動と突き上げは車体側で巧みに吸収してくれるため、乗り心地は極めて快適だ。
ハッチバックに搭載される、ストレートな配管の2本出しセンターエキゾーストシステムを装着して排気流量を増加させた、ハイオクガソリン仕様のL15C型1.5L直4直噴ターボエンジンは、CVTとの組み合わせで最高出力182ps/6000rpm、最大トルク220Nm/1700-5500rpmというスペック。
バルブオーバーラップを大きく取れる吸排気デュアルVTCに電動ウェイストゲート付きターボ、アクセル操作に対しリニアに加速Gが高まる特性が与えられたCVTなどによって、ターボラグやCVT特有のラバーバンドフィールをほぼ感じさせないフラットな加速感を備えている。
1360kgの車重に対しその加速性能は充分以上と言えるものだが、低速・低回転域ではややレスポンス過剰で、アクセルオフ後に再加速した際はスナッチが出やすい傾向にある。街乗りではECONモードに切り替えた方が、スムーズに走りやすいだろう。
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