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ウエット性能と燃費、静粛性を向上 静かなだけじゃない! 最新コンフォートタイヤのミシュラン・プライマシー4が登場!

  • 2018/06/19
  • GENROQ編集部 吉岡 卓朗
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ミシュラン・プライマシー4

ミシュランの最新版プレミアムコンフォートタイヤとなるプライマシー4が登場した。2013年に発表されたプライマシー3の後継タイヤで5年ぶりのモデルチェンジとなる。静粛性だけでなく、ウエットグリップや燃費性能を高めたという最新タイヤをテストコースで試乗した。
REPORT◎吉岡卓朗(YOSHIOKA Takuro) PHOTO◎日本ミシュランタイヤ

 日本ミシュランタイヤの開発スタッフの話によれば、近年ハイブリッドモデルなどの電動化されたモデルの増加に伴い、タイヤに求められる性能が変わってきたという。すなわち生半可な静粛性では顧客は満足しないというのだ。ミシュランの最新版プレミアムコンフォートタイヤ、プライマシー4ももちろんそのあたりに重きを置いて開発が進められ、約6%の静粛性向上を得たという。
 
 しかし高級車に相応しい静粛性だけ追求しても、まだ足らないという。顧客の期待は具体的に言うと高いウエットグリップや、低燃費性能にも及ぶ。今回デビューしたプライマシー4ではそのふたつの性能もさらに高めたというのが売りだ。

 たしかに最近のタイヤ開発競争は過熱する燃費性能競争のために、特にウエット性能がないがしろにされてきた面がある。つまり低転がり抵抗性能を重視して開発されたタイヤは、トレードオフの関係となるウエット性能が相対的に低くなる。その結果、特にゲリラ豪雨などの近年の環境変化もあって、経済性よりも安全性というドライバーを結果的に増やしたかもしれない。
 
 今回のテストコース試乗では新旧タイヤを直接比較できたのだが、ウエット直線路で80km/hから10km/hまでのフルブレーキをGPSロガーで計測してみると、先代よりも減速Gが出ており、メーカーが謳う制動距離約4.5%短縮がたしかに実現できていた。

新品時(左)と2mmまで削った履き替え直前を再現したプライマシー4。

 さらに興味深かったのは今回の試乗会のためにトレッドを削って、そろそろ履き替え時という状態を再現したタイヤの試乗があったことだ。これも近年の傾向だが、伸び悩む日本経済もあって、車両の所有期間が長くなっている。そのため、タイヤの性能も長続きして欲しいという要求があるという。つまりミシュランが言うところのロング・ラスティング・パフォーマンス性能が高いタイヤが求められているのだ。
 
 従来、テーパー状に掘られていたセンター溝を直角に近い断面形状とすることで、摩耗が進んでも高い排水性を維持する工夫が施された。結果、新品時でも約4.5%短かった制動距離が今回テストした残溝2mm、つまり使い方にもよるが約3万〜4万km走行した、履き替え時でも約13.3%も制動距離を縮めたという。
 
 テーパー状のセンター溝を直角に近い溝にするということは、つまりブロックの剛性が低下することにもつながるが、新品時の溝の深さを約1割浅くすることで剛性を高めたという。溝が浅くなれば寿命が短くなるというジレンマもないことはないが、それでもトータルで考えればロング・ラスティング・パフォーマンス性能を得られるという結論に至ったという。

 今や新車の約5割とも言われるハイブリッドモデルなどの電動車は、低速域でエンジンが停止していることもあって、高い静粛性が求められる。それと当時に燃費を追求したクルマ故に、タイヤにも当然高い燃費性能が期待される。新型の静粛性は冒頭書いたように先代よりも約6%向上したというが、たしかに高速周回路を60〜100km/hで走行しても直進時のノイズはもちろん、ステアした際のシャーという音も静かだった。
 
 燃費は小間切れのテストコース試乗では確かめられなかったが、ラベリング制度による転がり抵抗は36サイズ中16サイズで上から2番目の「AA」グレーディングを取得している。ちなみにウエットグリップは19サイズで最高の「a」を取得しているという。
 
 唯一の懸念は36あるサイズラインナップは19インチが1サイズのみで16〜18インチが主流となっていたこと。プレミアムを謳うのなら、ぜひ20インチまでしっかりラインナップし、19インチも拡充することを期待したいところだ。

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