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INFINITI Project Black S インフィニティQ60をベースにF1仕込みのデュアルハイブリッドを搭載 F1直系の技術を注ぎ込んだインフィニティ・プロジェクト・ブラックS、ついに登場!【パリモーターショー2018速報】

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ルノースポールの徳永直紀さん。「ゼロからやるプロジェクトは楽しかった。市販車の制限が大変だった」と語った。

 ここで、このプロジェクトを率いたルノースポールの徳永直紀さんに話を聞いてみよう。徳永さんは、ルノースポールでF1開発にも携わってきた第一線のエンジニアだ。現在はF1の開発にはマネジメントとして関わっているという。
 このプロジェクト・ブラックSは、昨年のジュネーブ・モーターショーで発表されていたが、その当時はまだ開発は始まっていなかったという。
 最初からF1のシステムを採り入れようということでスタートしたんですか?という問いには、「最初のオーダーは、スペシフィクなオーダーではなかったんです。インフィニティとしては、F1とダイレクトに繋がるようなコンセプトにしたいというのがありました。技術的にはかなり高いハードルでした」と答えた。

ボンネットのエアスクープは、メインラジエーターの空気をここから抜くように、CFDで形状と位置を決めた。
タイヤはピレリ。ブレーキはバイ・ワイヤーでコントロールする。

ー徳永さんの役割は、プロジェクトリーダーでいいんですか?
徳永:私は、ビークル・アーキテクチャー、つまりクルマのコンセプト、ビークルレイアウト、目標性能、商品の定義の部分を担当しました。

ーF1を市販車に載せたらこうなる、というようなことを考えるのが徳永さんのお仕事ですか? メルセデスがAMG Project-Oneでやったようなことをインフィニティとルノースポールでやろうとしているのですか?
徳永「メルセデスとは違います。あちらは、完全にハイパーカーの世界ですが、インフィニティ・プロジェクト・ブラックSは、もっと量産車に近いプロジェクトです。そもそもなぜ、ERSHを量産車に使うのか、というのがあると思います。単純にマーケティングのメッセージというだけではいけないですから。スポーツのハイブリッドってほかにもありますよね。すべての高性能ハイブリッドが持っている問題って性能が持続しないというのがあります。たとえば、インフィニティQ50をシミュレーションするとバルセロナ・サーキットを走ると1ラップか2ラップしかもたないんです。バッテリーがディスチャージしてしまうんです。ハイブリッドそのもののポテンシャルが続かないんです。他社のハイブリッドも同様です。そこをなんとかしたかった。その解として、まずERSを使って、ブレーキングの時だけでなく加速時でも回生することでバッテリーのエネルギーのバランスを改善する。ふたつめが、ブレーキバイワイヤーを搭載して、制動時にMGU-Kが持っているパフォーマンスを最大限使って、なおかつクルマのバランスをアップセットしないように緻密にコントロールしながら回生性能をポテンシャルの最大限まで使って回生する。

ーこのクルマはブレーキ・バイ・ワイヤーだということですが、油圧配管はないのですか?
徳永「いいえ、ありますよ。失陥時は油圧で制動させます。このクルマは標準で「ステア・バイ・ワイヤー」なんです。ですから、シフト・バイ・ワイヤー、ドライブ・バイ・ワイヤーでブレーキ・バイ・ワイヤー。すべてをバイ・ワイヤーでコントロールする初めてのクルマということも言えると思います。

ーこれはランニングプロトということですが、完成度は100%に近いですか?
徳永「システムチェックはだいたいおわっています。ハイブリッドの制御、エンジンとMGU-Kのブレンディングですとか、パーシャルスロットルのコントロール、あるいはブレーキ・バイ・ワイヤー、ブレーキのダイナミックのバランス、エネルギー・マネジメントもこれからです。あとはシャシーのチューニングもこれからです。

エキゾースト部の渦巻きは、F1と同じく3Dプリンターを使ったチタン製。

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