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Interview DS Automobiles Design Director ティエリー・メトローズ Thierry Metroz 「かつて、ラグジュアリーと言えばフランス車だった」DSオートモビルズ・デザイン部長インタビュー(前編)

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アヴァンギャルドというヘリテイジ

—DSはグループPSAのなかでラグジュアリーなプレミアムブランドという位置づけだと思います。そしてプレミアムブランドはしばしば、自分たちのヘリテイジ、歴史の積み重ねを武器にします。しかしDSはアヴァンギャルド(前衛、革新)を標榜していますよね。

メトローズ:まず言わせてください。1920〜30年代の自動車産業において、ラグジュアリー、プレミアムといえばフランスだったのです。ドラージュやドライエなど、残念ながらほとんどのメーカーが消えてしまいましたが、ラグジュアリーそしてプレミアムといえばフランスというのが大前提なんです。

 みなさんはラグジュアリーといえば、ファッションをはじめさまざまな分野でフランスのブランドを思い浮かべることでしょう。そのなかで近年では唯一、不在だったのが自動車業界でした。ですから「フランスが持っているラグジュアリー感というものを、いかにして自動車に復活させるか」ということが、現在のDSが取り組んでいることなんです。

 ヘリテイジという意味では、1955年のシトロエンDSが、私たちのもっとも誇るべきものです。初めてDSが登場したとき、そのスタイリッシュさとアヴァンギャルドさで衝撃を与え、世界的な知名度を獲得しました。つまり前衛的であることは必須であり、その姿勢こそがDSというわけです。

 強調しておきたいのは、フランスにはフランスなりのラグジュアリーやヘリテージがあり、私たちはそれを表現するためにサヴォアフェールを大事にしていきたいと考えている、ということです。とはいえDSは、独立してまだ4年という若いブランド。ブランドが確立し、浸透するためには長い時間が必要ということを認識しつつ、いかに伝えていくかというのが課題ですね。

DS3 CROSSBACK

—それでもヘリテイジは過去のことですから、アヴァンギャルドさと矛盾し、対立する場面も出てくると思います。どのように両立、併存させてゆきますか?

メトローズ:両者をいかに並立させるかというのは大きな課題ですが、できているという自負があります。どちらも見せるには絶妙なバランスが必要で、どちらかに偏ってはいけません。これをいかにバランスよく見せるかというのが、私たちデザイナーの仕事です。

 もちろん、相反する要素だということはDSでも認識しています。それでもこれに挑んでいるのは、見せられるという自負があるからです。端的に言えば、アヴァンギャルドはテクノロジーを使って表現する。そのいっぽうで、サヴォアフェールでヘリテイジを見せるということです。

Thierry Metroz(ティエリー・メトローズ):1963年9月21日生まれ。パリ応用美術・美術学国立高等学院卒業。2010年にグループPSAに入社し、当時はシトロエンのデザイナー部長として就任。12年よりDS Automobilesのデザイン部長を務めている。

「DSオートモビルズ・デザイン部長インタビュー(後編)」は12月15日(土)に公開予定です。

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