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氷上特設コースで評価はできない。本当の雪道は現場にしか存在しないのだ。 稚内まで片道1600km、往復3200km! 冬の宗谷岬を見にフェラーリとレンジローバーで旅に出た。

  • 2019/02/23
  • GENROQ編集部
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あれが稚内の灯りだ

 とはいえ相手は自然でコンディションは刻々と変化するため、決まった対処法を守れば確実に安心というわけではない。型通りのアドバイスや対策では役に立たないことが多く、マニュアル思考は禁物だ。経験と想像力、そして柔軟な発想が必要であるという点では登山に似ている。普通の道路を走る時でも実は同じなのだが、雪道ではそれが極端なレベルで出現するというわけだ。

 それでもあえて、雪道の経験が少ない人に向けていくつかのアドバイスを挙げるとすれば、まず夜間、悪天候時の単独行は避けることだ。私たちも複数台でなければ、そもそもウインタードライブを敢行しようなどと考えなかった。そして燃料は常に十分にし、念のために最低限の食糧と水を携行すること、通信手段を持つこと(スマホのバッテリー切れなどは時に致命的になることもある)、スケジュールに余裕を持つこと、集落のあるルートを選ぶこと、そしてもちろん雪道に適した装備の車であることは言うまでもない。

稚内の市街地を走る。ガソリンスタンドの灯りをこれほどまぶしく感じることはなかった。

 念のために付け加えると4WDを過信してはいけない。どれほど優れた4WDシステムを備えていても、結局のところ走破性はタイヤの大きさと積雪量で決まる。30㎝も積もればどんな車でもフロアを擦って“亀の子”になってしまうし、通常サイズのタイヤでは、特に雪の種類によっては乗り越えられない。それゆえ除雪されていない道には決して乗り入れてはいけない。上述した吹き溜まりの雪とは、懸命に除雪しても作業中に風で吹き寄せられた雪のことで、未除雪ということではない。

 稚内に至る最後の20㎞は実に緊張を強いられる行程だった。点々と頼りなげに路肩を照らすLEDを除けば見渡す限り灯りはなく、風はいよいよ強く視界を閉ざす。ルッソが先に立って“ラッセル”役を務めてくれると、そのテールライトとリヤフォグランプは降りしきる雪の中でも実に頼もしい灯台の灯りのように赤々と輝き、目印になってくれるが、視点が低いドライバーには苦行である。フェラーリは発熱量が大きく、巻き上げた雪もこびりつかないようだ。ただしホイールクリアランスが小さいフェラーリはある程度雪道を走るとパックした雪が操舵やブレーキの障害になる。

 それに対してレンジローバーは明らかにタフで、さらにドライバーの視点が高いせいで前方の路面状況を判断するのも有利だが、10分も経たないうちに巻き上げた雪がテールライトユニットを覆い、後続車の目印の役に立たなくなる。レンジローバーはリヤウインドウだけでなくフロントのウインドシールドにもデフォガーの熱線が挟み込まれており、ウインドシールドは常にクリアに保たれているが、ワイパーには走っているうちに徐々に氷がまとわりつき、役に立たなくなる。気温が低くスプラッシュが少ない道ではそもそも問題にはならないが、中途半端な状況ではウォッシャーの使い方も考えなければいけない。いかに低温用のウォッシャー液を入れていてもノズルが一旦凍ってしまえば意味がないから外気温にも敏感でいなければならない。

一見雪の路面に見えても、その下は凍結していることが多い。天塩川と併走する国道40号もまた除雪されているが油断はできない。
稚内まであと90㎞の天塩川沿いのガソリンスタンドで。ディーゼルの燃費の良さが光る。

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