414万円から2076万円 GLA/GLB/GLC/GLE/GLSそして、G。 コンセプトGLBが世界デビュー!! 日本で最も数多くのSUVをラインナップするメルセデス・ベンツSUVを整理してみた。価格は414万円から2076万円!
- 2019/04/25
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塚田 勝弘
メルセデス・ベンツの「コンセプトGLB」が、2019年4月18日から一般公開された上海国際モーターショーでワールドプレミアした。日本で最もSUVのラインナップが充実しているのは国産メーカーではなく、輸入車販売台数ナンバー1であるメルセデス・ベンツだ。2019年春時点で買える現行SUVから導入予定モデルまで、メルセデスのSUVを整理してみた。
TEXT◎塚田勝弘(TSUKATA Katsuhiro)
メルセデス・ベンツのSUVは、従来はMクラスやGLクラスなど、モデルごとに車名が与えられていた。たとえば現行GLCは、販売を終了したGLK(GLCは、GLKの実質的な後継モデル)まで遡ることができるし、Mクラスは、映画『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』で活躍した初代以降、3代を数えたが、マイナーチェンジを受けて車名もGLEに整理されている。
現在は、サイズ順にGLA、コンセプトGLB、GLC、GLE、GLSと頭にSUVを示す「GL」が冠され、最後にベースモデルを示す車名のアルファベットが配されている。なお、Gクラスは別格の歴史と知名度もあり、GクラスのままでGLGとはなっていない。
車名の整理により、GLCなら「CクラスのSUV」、GLEは「EクラスのSUV」と分かりやすくなったわけだ。
GLA AクラスベースのコンパクトSUV
メルセデス・ベンツSUVの中でも人気(日本市場で)を集めるのが最もコンパクトなGLA。ベースのAクラスが新型にスイッチしたため、近い将来のフルモデルチェンジも期待されるが、現行GLAは全長4430×全幅1805×全高1505mmという小さめといえるサイズ。車幅制限1800mmだと数値上では入らないものの、最近増えている1850mm以下ならもちろん入庫可能で、全高1550mm以下の機械式立体駐車場にも入る。
現行GLAのラインナップと価格は、1.6ℓ直列4気筒ターボ(122PS)を積むFFの「GLA 180」が414万円。2.0ℓ直列4気筒ターボ(184PS)を搭載する「GLA 220 4MATIC」が467万円。2.0ℓ直列4気筒ターボ(211PS)を積む「GLA 250 4MATIC」が533万円。トランスミッションは7速DCTの「7G-DCT」。
さらに、2.0ℓ直列4気筒ターボを積む「Mercedes-AMG GLA 45 4MATIC」は824万円。こちらもトランスミッションは7速DCTの「7G-DCT」。
GLB(コンセプト)GLAとGLCの間を埋める割には大きい
上海国際モーターショーでデビューした「コンセプトGLB」は、新型Aクラスと同様に、「MFA-Ⅱ」と呼ばれるモジュラープラットフォームを使って仕立てられたSUVで、GLAとGLCの間を埋めることになるはず。
ただし、「コンセプトGLB」のサイズは、全長4634×全幅1890×全高1900mmと大きい。全幅は現行GLCと同値で、1900mmの全高もGLSの1850mmを大きく超えている。これはコンセプトカーならではのサイズなのか、市販仕様のサイズがどうなるのか気になるところだ。
SUVらしい力強い外観も見どころだが、3列シートが配されているのもポイントで、日本の3列シートSUVと比べると、日産エクストレイル(全長4690×全幅1820×全高1740mm)、三菱アウトランダー(全長4695×全幅1810×全高1710mm)よりも全長が短く、全幅はワイド、全高は200mm近くも高くなっている。
パワートレーンは、2.0ℓの直列4気筒ターボである「M260型」。こちらは、まだ日本には入ってきていないが新型Aクラスの「A250」にも積まれている。トランスミッションは8速DCTの「8G-DCT」で、224ps/350Nmというアウトプットを得ている。
GLCメルセデスSUVの主力モデル
2016年2月に日本でも発売されたGLCは、他のインポーターからも驚異的という声が聞こえたほど、登場1年目にかなり売れたそう。現在でもメルセデス製SUVの主力モデルになっている。
ボディサイズは全長4660×全幅1890×全高1645mmで、車幅1.9m、2.0mまでの駐車場に入庫できるが、とくに近年の欧州車は全幅に対して寛容だ。何せ「ベイビージャガー」を謳うジャガーE-PACEも全幅が1900mmもある。厳しくなる衝突安全性能を考えると致し方ないものの、日本の狭い住宅街などで乗る場合には、全幅も織り込んでおく必要がありそう。
さて、脱線したが「CクラスのSUV」らしく、スムーズな走りはもちろん、ビッグマイナーチェンジ後のCクラスよりもかなり重いこともあり、重厚感もある快適な乗り心地を得ている。
GLCのラインナップと価格は、2.0ℓ直列4気筒ガソリンターボ(184PS)を積む「GLC 200」が621万円、同エンジンの「GLC 200 Sports」は662万円。
2.1ℓ直列4気筒ディーゼルターボ(170PS)を積む「GLC 220 d 4MATIC」が653万円、同エンジンの「GLC 220 d 4MATIC Sports」が710万円、「GLC 220 d 4MATIC Sports(本革仕様)」は773万円。
2.0ℓ直列4気筒ガソリンターボ(211PS)の「GLC 250 4MATIC Sports」が729万円。同エンジンの「GLC 250 4MATIC Sports(本革仕様)」が799万円。トランスミッションは、ガソリン車とディーゼル仕様が「9G-TRONIC」の9AT。
さらに、最高出力85kW(116PS)、最大トルク340Nmを発生するモーターを搭載したプラグインハイブリッドも用意されていて、2.0ℓ直列4気筒ターボ(211PS)を積む「GLC 350 e 4MATIC Sports」は906万円。トランスミッションは7ATだ。
AMG仕様もラインナップされている。4.0ℓのV8ツインターボ(510PS)を積む「Mercedes-AMG GLC 63 S 4MATIC+」は1462万円、同じく4.0ℓのV8ツインターボ(476PS)を搭載する「Mercedes-AMG GLC 63 4MATIC+」が1272万円、3.0ℓ V6ツインターボ(367PS)の「Mercedes-AMG GLC 43 4MATIC」が896万円。トランスミッションは9AT。
GLE 2019年に新型に切り替わる予定
2019年中にも新型GLEの日本導入が予定されている。新型は直列6気筒ガソリンエンジン+48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載するなど、メルセデス・ベンツが推進している最新のパワートレーンが用意される。
ここでは、現行GLEについておさらいしよう。Mクラスからのマイナーチェンジで車名も変えたGLEは、全長4825×全幅1935×全高1795mmというスリーサイズで、GLSほどではないもののかなり大きい。
ラインアップと価格は、3.0ℓのV6ディーゼルターボ(258PS)を積む「GLE 350 d 4MATIC」が896万円、同エンジンの「GLE 350 d 4MATIC(本革仕様)」が958万円、「GLE 350 d 4MATIC Sports」が995万円。トランスミッションは、「9G-TRONIC」の9ATだ。
AMG仕様はガソリンで、3.0ℓ V6ツインターボ(390PS)を積む「Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC」が1189万円、「Mercedes-AMG GLE 63 S 4MATIC」は5.5ℓ V8ツインターボを搭載し、価格は1794万円。
GLS SクラスのSUV。堂々のサイズと性能
SUVのSクラス「GLS」は、全長5130×全幅1935×全高1850mmに達する。筆者も都内を中心に何度かステアリングを握っているが、取り回しにはかなり慣れを擁するし、駐車場所の制約も大きい。この巨体に3列シートを配することで、2列目はもちろん、3列目でも身長171cmの筆者なら無理なく座れる(フロアが高く、足元も狭いため、乗降性は良好とはいえないが)。また、2列目と3列目も前倒しすれば、荷物の少ない独身者なら引っ越しもできそう。
ラインアップは、3.0ℓ V6ディーゼルターボ(258PS)を積む「GLS 350 d 4MATIC(受注生産)」が1113万円、「GLS 350 d 4MATIC Sports」が1238万円。4.7ℓのV8ガソリンツインターボ(455PS)を積む「GLS 550 4MATIC Sports」が1561万円。トランスミッションは9AT。
5.5ℓ V8ガソリンツインターボ(585PS)を積む「Mercedes-AMG GLS 63 4MATIC」が1977万円で、トランスミッションは、AMGスピードシフトプラス付7AT。
G Class SUVの帝王
型式こそ変わらないものの、フルモデルチェンジに近い大幅変更を受けた新型Gクラス。3サイズは、全長4660×全幅1930×全高1975mm。新型導入当初は、4.0ℓ V8エンジンがエントリーモデルで価格も高めといえる設定だったが、2019年4月に「G 350 d」を追加した。
3.0ℓ直列6気筒ディーゼルターボの「OM656」を積む「G 350 d」は、210PS/600Nmを発生し、価格は1170万円。4.0ℓ V8ガソリンツインターボを積む「G 550」は1593万円。同じ4.0ℓ V8ガソリンツインターボで585PSを誇る「Mercedes-AMG G 63」は、2076万円。トランスミッションは9ATの「9G-TRONIC」を組み合わせている。
上記SUVラインアップに加えて、2019年中にも日本に導入される予定のEVの「EQC」は、同社の「EQ」シリーズの第1弾であるが、クロスオーバーSUVといえるスタイルで、EVでありながらSUVという立ち位置も与えている。
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