センチュリーに込められた、作業者たちの熟練の腕前の一端を見る。 職人による手作業! 新型トヨタ・センチュリーに宿る“匠の技”
- 2019/05/19
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MotorFan編集部
歴代センチュリーの生産を担ってきたトヨタ自動車東日本 東富士工場。新型センチュリー生産の現場での匠の技の実例をトヨタが公開した。
日本唯一の本格ショーファーカー(専属の運転手がいるオーナー向けのクルマ)である「センチュリー」。2018年6月のフルモデルチェンジにより、久々に生まれ代わり三代目となったセンチュリーは、歴代モデルと同様にトヨタ自動車東日本(旧 関東自動車工業)の東富士工場において1台ずつ手作業でつくられてきた。
センチュリーの生産工場は、ほかのモデルの工場とは大きく異なる。クルマを次々と送る長い生産ラインもなく、設備や機械の発する大きな音も聞こえない。静かで広々とした空間において、「クラフトマン(職人)」と呼ばれる少数精鋭・熟練の作業者により、まるで作品を創るかのように一台のクルマがつくられていく。生産工程は、「プレス」「ボディ」「塗装」「組立」「検査」の5つに分けられており、各工程においてセンチュリーらしい匠の技が随所に織り込まれている。
エクステリアデザインにおける注目点のひとつは、サイドボディのキャラクターラインに施された「几帳面」だ。
「几帳」とは平安時代の貴族が自身の姿を隠すために使用した間仕切りを意味する。几帳の柱に使われた角を丸め両側に刻み目を入れる特徴的な面取り(角を滑らかにする仕上げ)から、几帳面と呼ばれるようになった。緻密さが求められる細工であったことから、「几帳面だ」といえば、物事を正確に行なうさまを意味する言葉となっている。
センチュリーのボディでは、熟練の作業者の手で、わずかな面の歪みを修正しながらこの几帳面が仕上げられている。プレス機で加工されたボディパネル上の凹凸を微調整しながら、滑らかで精度の高いラインを生み出す。面を平らに仕上げていくサンダー掛けは、作業者の息継ぎさえも力の伝わり方に影響するほど、繊細な調整が求められる作業だ。
センチュリーのボディを仕上げるうえで、几帳面のラインがフロントからリヤまで段差なく合っているのは当然のこと。しかし高級車ゆえにドアが非常に重く厚いため、後の組立工程で内装品の重量が加わると、ドア後端が下がり段差が生じてしまう。
そのためまずは「戸上げ」と呼ばれる技法を使っているという。ドアが下がることを見込み、あえて段差を付けた状態で取り付けることで完成時に美しく見えるように調整することを意味する。
この作業の最後にボディが寸分の狂いなく仕上がっているかどうかを確認。すべてのボディパネル面に対して横から目視で確認する「透かし見」で品質確認を行なっている。
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