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BENTLEY CONTINENTAL GT CONVERTIBLE Impression from Editor's room ベントレー・コンチネンタルGTコンバーチブルが想像以上にスポーツカーらしいのは、W12エンジンの「バラツキ」のおかげかもしれないというお話【試乗記】

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バラツキがスポーツドライビングを助ける?

 ただ、ここまで複雑な構造だけに、どうしても燃焼にバラツキが起きやすい、という話も耳にしたことがある。

 バラツキというとネガティブに聞こえるかも知れないが、不等間隔燃焼にしたり、シリンダーごとにバルブタイミングをずらしたり、エキマニを不等長にしたりと、あえて計算尽くで燃焼や排気のバランスを崩すという手法は実はそれほど珍しいものではない。

 これにより、乗り手が感じる燃焼のリズムの周期が大きくなる。文章で説明するのはとても難しいのだが、例えば「ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド」だと、ひとつの「ド・」が最小単位となって繰り返されるだけだが、「ドドド・ド・ドドド・ド」であれば「ドドド・ド・」がひとまとまりの単位になるから、同じ時間内に同じだけ燃焼していても乗り手にはひとつのサイクルが長くゆっくりに感じられる。

 それによってトルク変動やトラクション感覚を掴みやすくなるのだ。それがスポーツ走行時のドライバビリティの向上に寄与する場合もあるし、ゆっくり走っていてもエンジンを回している実感を得やすいという利点もある。

 ベントレーがその「バラツキ」を抑え込むのではなく、うまく残して演出のために利用している可能性は十分に考えられる。

 ハイエンドサルーンを運転していて「とくに飛ばしているという実感もないまま、なんだかわからないうちにとんでもないスピードが出ている」となるのはよくあることだ。

 ところがコンチネンタルGTの場合、前述のようにジェントルに一定速度で流しているときでも、しっかりエンジンを回しているという手応えがある。実際にはそれほどエンジンが回っていないにもかかわらず、だ。

 コンチネンタルGTはアクセルを戻すとバババッとアフターファイヤ音が発生するが、その音質や音量は極めて理性的で、最近の多くのハイエンド・スーパースポーツのような過剰な演出と言うほどのものではない。それでもドライバーが「スポーツカーを走らせている」という満足を得られるのは、W型12気筒エンジンが生み出す独特のリズム感がもたらすものなのかもしれない。

 12気筒というとんでもなく贅沢なエンジンを積んでいながら、それをひけらかすこともなく、ジェントルに振る舞える。ベントレーのオーナーの多くが紳士的なのは、もちろん彼らの人間性に依るところが大きいのだろうが、もしかしたらベントレーというクルマそのもののおかげかもしれないのだ。

ベントレー・コンチネンタルGTコンバーチブル
全長×全幅×全高:4880×1965×1400mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2450kg
エンジン形式:W型12気筒DOHCターボチャージャー
総排気量:5950cc
ボア×ストローク:84.0×89.5mm
最高出力:467kW(635ps)/6000rpm
最大トルク:900Nm/1350-4500rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:フロントエンジン&AWD
フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン
リヤサスペンション:マルチリンク
フロントタイヤサイズ:265/40ZR21
リヤタイヤサイズ:305/35ZR21
車両価格:2831万7600円 

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