日本海を見たくなったからアウディQ2で950km走ってきた〈最新コンパクトSUVで東京から富山まで長距離ドライブ&燃費計測〉
- 2019/09/14
- ニューモデル速報

期待以上の燃費性能───Q2ならどこまでも行ける
翌朝は前日よりもさらに立山連峰がクッキリと姿を現したため、朝食もそこそこに再び雨晴海岸に向かう。上の写真は初日ではなく、この二日目の朝に撮影したものだ。
撮影を終え、燃費計をリセットする。前日の富山ICからここまでの市街地での燃費は14.8㎞ /ℓだった。撮影時も含まれるため、これは極めて優秀な燃費と言える。走行シーンの撮影時はカメラマンの指示に即座に応じるために低めのギヤに固定することが多い。一方で置き撮影には微調整が必要で、ちょっと動かしては止め、を繰り返すのだ。だからどんなクルマであろうとも撮影中は燃費計の数字がみるみる悪化する。その結果での14.8㎞/ℓなのだ。

氷見の漁港などをサクッと散策した後、氷見ICから能越自動車道に入る。そのまま東海北陸自動車道に接続し、五箇山ICで降りる。
合掌造り集落で世界遺産に指定されている五箇山だが、圧倒的な規模を誇る白川郷と比べると地味な印象は拭えない。その地味さがむしろ素朴で味わい深いのではと期待したのだが、五箇山の中心地である菅沼集落は、いかにも観光客向けの箱庭みたいで肩透かしを食らった。合掌造りそのものは相変わらず圧巻なのだが、店舗の看板とか、通りの花壇とか、まわりの演出がどことなくテーマパークっぽいのだ。ちなみに左上の写真は、菅沼集落よりもインターチェンジ寄りにあるもうひとつの小さな集落で撮ったものだ。
五箇山からは飛騨清見ICまでのインターチェンジふたつ分だけ東海北陸自動車道を使い、そこから国道158号線で松本に向かう。山岳路でのQ2の身のこなしは痛快そのもので、長時間ドライブの疲れも眠気も吹き飛ぶ。途中のドライブインで名物の高山ラーメンをササッと食し、足早にコクピットに戻る。
安房峠こそ旧道ではなくトンネルを通ったものの、高山から松本という険しいコースだったにも関わらず、16.6㎞/ℓという燃費を叩き出したのも驚きだ。僅かに高速区間も含んでしまってはいるが、それでもなかなか出せる数字ではない。

松本ICに着けば、あとは長野自動車道と中央自動車道で東京を目指すだけだ。安房ルートで俊敏なハンドリングを味わった直後だけに、高速域での直進安定性が際立って感じられる。軽く手を添えているだけで矢のように視線をトレースしてくれるのはいかにもドイツ車だ。取材車両が履いていたミシュラン・プライマシー3との相性もいいのか、目地段差を越える際の突き上げも角が丸められ、とにかくリラックスして走り続けられる。
シートはコンパクトなボディに似合わず大振りで、身長174㎝で肩幅やや広めの筆者にはバツグンのフィット感だった。時折アダプティブ・クルーズコントロールを使用することで右足の負担を軽減できたことも相まって、身体のどこにも疲労や痛みを感じない。
松本ICから高井戸ICまでは全体的に下り傾向だったため、この区間では21.1㎞/ℓというすばらしい数字を叩き出した。練馬ICからの総合燃費は17.6㎞/ℓとなった。JC08モード燃費は19.8㎞/ℓだから、達成率は89%である。大人2名乗車かつ荷物満載で、険しい山々を越えてきたことを考えれば大満足の数字だ。高速燃費もすばらしいが、市街地や山岳路での落ち込みが少なかったことのほうが印象的だ。
もはやニッチではなく、コンパクトカーのメジャースタイルになりつつあるクロスオーバーSUVだが、どこに軸足を置いているのかは各メーカー、各モデルによって違うから面白い。今回の旅を終え、少なくとも筆者にとってアウディQ2は、タフで快適なバカンスエクスプレスであることが確定した。

モーターファン別冊 インポートシリーズ アウディQ2のすべて
個性派デザインが魅力的都市型コンパクトSUV待望のデビュー!!
Impression
俊敏かつ爽快なドライビングを体感
Utility
立体駐車場にも入るコンパクトSUV
Mechanism
安全・運転支援システムは上級モデル譲り
Design
既成概念にとらわれないポリゴンテイスト
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